転生腹黒貴族の推し活

叶伴kyotomo

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88 推し達と領地の話

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「ドラゴン達はジャメル領だけは守ると約束してくれたからな。安全を売りには出来るから、観光地として行きたいとは思っている。自然も豊かだし、最近は農業にも力を入れているから、そちらを強くして行こう」

父様の話にうんうんと頷きつつ、ジャメルで売り出せそうな物を考える。

「果物も作物も質が良くなってきているし、何より草花がとてもキレイです。香料に使える花やハーブの栽培にも力を入れてみては?リーナイト商会のクリームにも使えますし。花祭りや薬草祭りなどを開催しても盛り上がりそうです」

レッドドラゴンリーフを肥料にした花々は、美しく香りも一段と良いからね。

「それは良い考えだ。花祭りや薬草祭りは良いな。季節毎に行える。辺境と言えど観光と考えたらそんなに遠くはないし、道にも魔術が掛けられているから、貴族にも需要がありそうだ。領民にも仕事を多く斡旋出来る」

父様もジャメル領の発展は願っていたし、シェル様が薬草に造詣が深い事も分かっているから、今後も尽力してくれそうだ。

「そのままの流れで、レモルトまで観光を楽しむルートを考えています。ジャメル領は特に家族連れで楽しめる様にして、レモルトは大人向けにと差別化出来ないかと」

温泉の話をすると、それは良いアイデアだと皆から褒められる。

温泉って子供より大人達が楽しむからね。

「少し豪華な宿や離れを準備しても、貴族だけでなく、少し記念に豪華な旅をしたい平民にもウケると思うんです。もちろんトラブルを防ぐ為にも、貴族との区別はしますが」

お忍びで楽しみたい貴族と、豪華に楽しみたい平民で宿ごと分ける方がトラブルも無いだろうし、変に気を使わずに済む。

一等地は貴族向けで閑静にして、平民向けには飲食店や遊戯場など平民が楽しめる場所を提供したい。

俺の願望だけどと言うと、テオはとても感心してくれた。

「素晴らしい。貴族だけで無く平民も楽しめる観光地なら評判になりそうだ。やはり区別は必要だが、それなら批判も少ないだろう。レモルトの事を考えてくれて嬉しいよ」

だってテオと俺の、スイートなホームになるんだもん。

デヘデヘしそうなのを必死に隠しつつ、俺は笑顔で頷いておく。

「先程伝達が来て、ギルの功績が中々好評の様だ。我が国では貴族で自ら開発等に関わる者は少ないからな。誰かに持ち上げられて、それを広めるだけの貴族は古いと言う認識が、特に若い世代に広がっている。ギルと話がしてみたいと言う若い貴族も多いらしい。兄からも、仮ではあるが婚約の了承を頂いた」

え~俺って大人気じゃん!

それに仮でも婚約オッケーが出たなら、もっとアピールしても良いね。

テオに熱烈な感情を向けている令嬢は、もちろん取り巻きも多いみたいだけど、若い世代にはウケが悪いらしい。

虎の威を借る狐って感じで、ダサいって嫌われてるんだと。

良い若者が育ってるんだね~。

「少し妬けるがな」

テオのセクシーな笑顔と一言に、胸がドキドキギュンギュンしちゃう。

ポーカーフェイスで微笑みつつも、全力で喜んでおく。

「明日の発表では、セルジオ殿とジェレミー。ホセとフロル殿。そしてテオドール殿下とギルの婚約を発表させて頂きます。我が家やリーナイト公爵家への求婚も、これで無くなるでしょう」

え、求婚あったんだ。

俺の視線に、父様は苦笑する。

「レッドドラゴンリーフの恩恵を受けたい貴族は多いし、ホセやギルの様にお互いお相手に夢中だと知っていても、言い寄る家はある。セルジオ殿の深い愛情を見てもなお、セルジオ殿に恋焦がれる令嬢もいれば、ジェレミーは義姉上に生き写しだからな。夢見る貴族が多いのだ」

「父様。リストを頂けますか?」

父様ったら、俺が暴走しない様に黙ってたな。

難しい顔をする父様に、にっこり笑顔を向ける。

「ご安心ください。私はテオドール殿下に嫁ぐのですから、表立って糾弾は致しませんよ?」

「…裏ではやるつもりだろう」

「もちろんですとも」

父様が教えてくれないと、こっそり裏から探っちゃうからね!

俺の気持ちが分かる様で、父様は後で渡すと渋々了承してくれた。

「…ふむ。私に喧嘩を売るとは良い度胸の貴族だな」

テオのセリフに、ホセ兄様とセルジオ様は大きく頷いている。

「本当に。レス殿。私達にも共有して欲しい」

セルジオ様の言葉に、ホセ兄様も加わる。

「場合によっては騎士団の派遣を断るから、俺にも共有してくれ」

「ホセ様ったら…」

ホセ兄様の言葉に、フロル様は顔を赤くして微笑んでいる。

「父様、シェル様に求婚してくる輩がいたら、警戒するでしょう?これからはちゃんと共有してください」

俺の言葉にハッとした様で、父様はシェル様を見て大きく頷いた。

「…そうだな。許されない事だ。すまなかった」

「レス…。そうだな、お互いに知っておこう。隙をつこうとする貴族も多いから、気を付ける事に越した事は無い」

父様の言葉に、シェル様も喜んでいる様だ。

そうだよ、報連相って大事なの。

「明日は発表が終わり次第、私は帝都へ一旦戻る。その後はレモルトに滞在する予定なので、ギルにはいつでも会いに来て欲しい」

テオは先程の話を、父様達にも向けて説明する。

わざわざ連絡で確認を取らなくても、会いに来て良いですよって事だ。

「分かりました。こちらが落ち着き次第、ギルとそちらへ挨拶に伺います。その後、皇帝閣下と帝都での謁見し話し合いをしましょう」

父様の言葉に、テオも満足そうに頷いている。

婚約の仮了承を、本了承にしないといけないからね。

その後は簡単に明日の話し合いが始まる。

さて、やっと長年の成果が大々的に表彰されるんだ。

気合いが入っちゃうね。












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