転生腹黒貴族の推し活

叶伴kyotomo

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150 推しと結婚への第一歩

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「ギル様。花の飾り付けは終わりました。こちらの古くなった花はどちらへ?」

「ああ、それは玄関先に飾りたいんだ。今日は晴れだから、大きな鉢にガラス玉と水を入れて、その上に茎を取った花だけを浮かべて欲しい。そしたら二、三日は楽しめるでしょう?」

「まぁ!素敵ですわね」

俺はレモルトのメイド達と、パーティーの準備で大忙しだ。

今日は、ギルの友人達を招いての婚約披露パーティーの日。

トーレからは、ホセ兄様とフロル様、ジェレミー兄様とセルジオ様。

カイト、ハイリ嬢、セーラ嬢がそれぞれ婚約者を連れて参加してくれる。

父様とシェル様は、帝都でのお披露目の時に参加してくれる。

仲間内での披露会なのでカジュアルな感じになるが、それぞれで意見交換出来たら良いなと考えている。

「ギル様。席の用意も終わりました。それと、レモルトの氷職人だった者から手紙が届いております」

そこへ、キッチリと執事服を着こなしたサーディンがやって来る。

「ありがとう。…ふむふむ。良かった。親子でこちらでの仕事に乗り気の様だ」

「それでしたら、移住先も確保してありますので、その様に伝えましょう。小さな子供もいるそうなので、学校に近い所と仕事場に近い所。二つ用意してあります」

「うん、それなら話が早いね。このまま進めて」

俺がそう言うと、サーディンは次の資料を取り出す。

「かしこまりました。あと、貴族向けの温泉宿はまもなく完成との事です。平民向けの温泉宿と飲食店は、試験的に開始してもよろしいかと」

「ふむふむ。そうだね、これなら試験的に開始しても問題は無いね。レモンのお酒は順調?」

「はい。味も大変良いと、酒職人が喜んでおりました。本日のパーティーに試飲として提供したいのですが」

「それならテオに味見してもらおう。その様に手配しておいて」

「かしこまりました」

そう言うと、サーディンはその場を後にする。

もうね、びっくりするくらい見違えたのだ!

レモルトの執事達も優秀で教え方が上手なんだけど、ジャメルとお祖父様の所の執事達も丁寧に仕事を教えてくれた。

そしてなんと、話を聞いたジェレミー兄様が、セルジオ様に話を通して、リーナイト公爵家でも少しお世話になったのだ。

サーディンはやはりやれば出来る子だったので、教えられた事をしっかり吸収し、色んな事を学び、立派な新人執事に仲間入りした。

髪もキレイに後ろに撫で付け、黒を基調とした執事服も良く似合っている。

レモルトの執事達にも、俺が防護魔法付きのブローチをプレゼントしたから、それが胸に輝いている。

ドラゴンをモチーフにしつつ、レモンをイメージしたシトリンの宝石を使った。

サーディンは俺付きの執事だから、ドラゴンの上には小さな冠を付けてあるのだ。

このブローチをプレゼントした時、サーディンはとても喜んでくれた。

「私にも出来る事があるのだと、自信が付きました。これからもギル様の為に、誠心誠意努めてまいります」

涙ながらに喜ぶサーディンを、レモルトの執事やメイド達も微笑ましく見ていた。

執事長のサンフルとメイド長のリンも大変喜んで指導してくれているし、テオの師匠の息子であるゲールに剣術も習ってるんだ。

ヤンダークも嬉しそうに、孫であるサーディンに魔術の指導をしており、良い感じだ。

「ギル。準備を任せてすまない。こちらも大体片付いたよ」

「テオ。良いの、俺も楽しんでるから。レモンのお酒が出来上がったみたいだから、試飲をして欲しいんだけど…」

「ほう。それは楽しみだ」

招待客の宿泊する場所の確認なども終わり、テオは周りの点検に行ってくれていた。

レモン畑も豊作だし、温泉宿も良い感じで出来つつあるから楽しみだ。

今日は、その温泉を引いたお風呂が用意されているから、お客様には楽しんで貰えそう。

「テオドール殿下。ギル様。こちらがレモン酒になります。ギル様にはレモルトのレモンで作ったレモンジュースを用意致しました」

そこに、サーディンが戻って来て、酒職人と一緒にお酒と俺用の飲み物も準備してくれる。

「…!これは飲みやすくて美味い!こちらは…甘口か。これは良い酒が出来たな。こちらの甘口は女性や甘い物が好きな方々に人気が出そうだ。こちらのスッキリした方は、食事にも良く合うだろうし、昼の軽い軽食にもピッタリだな」

「うん、このジュースも美味しいね!酸味が強すぎない様に蜜で味付けされていて飲みやすい。こちらの炭酸水で割った方も、スッキリしていてとても美味しいよ」

俺とテオの手放しの賞賛に、酒職人もホッとしている。

「早速今日のパーティーで振る舞おう。レモルトに新しい風が吹くぞ」

「楽しみだね」

せっかくの婚約披露パーティーだもの。

レモルトのアピールにもガンガン使わないとね!

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