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新装備と新たな……
しおりを挟む奴が装備してた武器や防具は、ファイチクンが使う事になった。なかなかの逸品だった。
人間専用って事ではなかったようで安心した。呪いもなくて良かった。装備させてからその可能性に気付いたから許して欲しい。本当だ。
名前しか分からないが、異次元収納に入れて確かめた。
『メンテ要らずのよく切れる剣』
『すんなり解体ナイフ』
『体力回復の革鎧』
『魔法返しの盾』
『力のリストバンド』
剣はゴブリンにとってはちょいと長い気もするのだが、ファイチクン曰く、何の問題もないそうだ。あら、逞しい。
革鎧はファンタジー仕様って事なのか、装備した者にジャストフィットしてくれる仕様になっていた。
何気に俺より立派な装備になりやがったファイチクン。普通に強そうなゴブリンになってしまった。
雑魚ゴブリンのはずなのに、初めて遭遇するのがこれだったらと思うと俺でもぞっとするかも。醜いゴブリンって意味では、2重でぞっとするのか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
俺は腰布だけど、見映えを気にしなければいいだけの話だし、防御力って面ではこっちの方が断トツだと思うから、こうなった。別に羨ましくなんかない。
ちょっとだけ装備してみたけど、格好良かったけど、なんか強くなれた気がしたけど、やっぱり『全身に受けるダメージを固定化『1』にする。火ダメージは『2』』には勝てなかった。
腰布だけど我慢する事にした。装備も効率良く使ってこそだし、ファイターのファイチクンが使った方がいいだろう。最前線に立つ訳だから。
でも、正直、体力を回復させてくれるとか、力が増すのも羨ましいけど、それより魔法を返しちゃうってのはやってみたいよな。俺でもそう思う。ちょーかっけー映像が期待できそうじゃん。って思うから。
いいんだいいんだ。ファイチクンも喜んでくれてるし、余計に尊敬の眼差しが強くなってる気もするし、更にレベルも上がったようで力も湧いて来るようだって言ってるし、戦果で応えてくれればいいんだよ。戦果でな。早せんか。ってな。
……
やはり俺の盾となり死んで行け。違うな。俺の盾となって頑張って逝こうぜ。かな。行こうだった。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
真のゴブリンファイターの誕生だ。良かったな。
ちぇっ。
っ!
「ファイチクン! 近くに雌が居るぞ! それと、雄も居るみたいだ。戦闘準備!」
「へ、へい! 兄貴! 分かりやした!」
いつまでも浮かれてる場合じゃなかったぜ。油断してるつもりはなかった。ずっと警戒はしていたさ。あんな事があったばかりだが、こんな世の中だ。もう何があっても仕方ない。って思うしかない。
風向きが変わったと言うか、ふわっと香った。
屋外でもしっかり感知はしてくれたみたいだ。雌感知からの雄感知。カップルなら尚更ぶっ殺す!
だが、なんだ? この匂い。悪くない?
「ファイチクン。警戒はしつつも手は出すなよ。今度は2対2だ。より慎重に。打ち合わせ通り先制攻撃は俺がする。それと、無理だけはしてくれるなよ」
「へい。分かりやした」
よしよし。ファイチクンも新装備で早く戦いたいだろうが、しっかり従ってくれるのはありがたい。死に掛けたばかりだしな。
でも、俺が囮になれって言ったら、喜んでやってくれそうだな。こりゃ。言わないけど。その時にならなければな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
ん?
ぼんやりとだが、人影が2つ。人か? 子供?
ゆっくりとこっちに近付いて来るな。やる気か? 殺る気?
青姦と戦闘。この違いは大きいぜ。
どっちも譲るつもりはないけどな。やらせるかよっ。てな。
「あっ。ありゃ、同族だ」
「へ、へい。そう言われるとそんな感じがしやすね」
フォルムもそうだが、匂いの違い。ここにあり。ゴブリンの雌はいい匂いがする!
これまた新発見! カップルってのが気に入らないが、それはひとまず置いておこう。仲間を増やすって決めたばかりで嫉妬で殺ってちゃイカンよな。遺憾です。気を付けよう。
ちっ。それにしても上玉の匂いがするぜ。これがゴブリン性か。堪らんな。人間の雌とは大違いだぜ。この雌郎。
俺達2人は戦闘体勢のまま。同族だけに罠って事はないと思いたいが、操られたり、もっと違うタイプの存在があるかもしれない。油断はしない。
あんないい匂いのする雌とやれるまでは死にたくない。
さあ。君達の名は?
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