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新たな……
しおりを挟む「おい! そこで止まれ!」
大声は出しちゃダメ。でも届く範囲で軽く威嚇も込める。
「「っ!!」」
すんなり止まったか。やはりゴブリン2人。もう匹なんて数えないぞ。多分。
「見る限り同族のようだが、何しに来た。さっき近くで戦闘してたのは知ってたか?」
一応、確認を。仲間かどうかを探る前の前哨戦。
「あ、あのお、……。ずっと見てました。そ、それで、私達には戦う力がないので、隠れてました。ごめんなさい」
「ご、ごめんなさい」
ん? そうかのか。見てただと? どこからだ? まあ、公園なんだから、見ようと思えばどこからでも見えるのか。全然気が付かなかったな。そういう能力か?
いきなり謝られると気が抜けるな。これも戦略か?
雌が初めに話し、続いて少し小さな雄が。ふむ。姉弟か? ファイチクンとは違ったフォルムだな。
ちょいと距離はあるが、それくらいは分かる。細身の雌と、更に小柄の雄だ。雄の方は俺とお揃いの腰布だが、雌の方は残念ながら片掛けタイプの布を着ているようだった。本当に残念だ。
あれ?
「おい。武器も何も持ってないじゃないか。戦う力がないって、盗られたのか? 落としたのか? そんなんじゃ簡単に人間に殺されるぞ」
隠してる訳ではなさそうだ。疑問に思ったから聞いてみた。2人共手ぶらじゃん。手でブラジャーしてる訳じゃない。雌なら許されるが雄は許さん。
「……。えっと、戦うならこの爪くらいしかありませんけど、そもそも何も持ってなくてですね、盗られても落としてもいませんよ? 力も弱いので、直ぐに殺されてしまうと思うで、ずっと隠れたり逃げたりしてました。ごめんなさい」
「ご、ごめんなさい」
ん? そうなのか? あっ。ボーナスタイムの殺られキャラって感じの位置付けのゴブリンか。それなら納得?
そんな弱気な魔物なら、武器もなければ簡単に殺れそうだしな。やれやれ。同族が殺られキャラってさ。そりゃゴブリンなんだからあるあるだけど、うるうるだぜ。くっそう。
「あー。取り敢えず分かった。同族同士は争えないからな。信用はするが、他の奴とは接触した事はないのか?」
更にもう1つだけ。これで状況を確かめたい。流石に初日で特殊な能力持ちとか、面倒な搦め手とか勘弁して欲しいが、そこまで警戒しなくて大丈夫だと思いたい。思いたいのだよ。
「あ、はい。接触はしていません。今回が初めてです。ずっと2人だけでこの森の中に居ました」
「……。居ました」
なぜ繰り返す。まあいいか。信じるも信じないも。俺次第だな。
「ファイチクン。どう思う。なんか怪しい所はないか? 思う所でもいいぞ」
「へい、兄貴。あの雌は飛びっきりに可愛いと思いやすので、兄貴の妾にしてやってくだせえ。それともう1人の方は、暫くは使い物にはならないかと思いやす。まだ小さ過ぎやすから」
お、おお。そっちで攻めて来たか。やるな。ファイチクン。やるのは俺だぞ。それで妾ってか。嬉しい事言ってくれるじゃねえか。てやんでえ。
「そ、そうか。そう見るか。そうかもな。ありがとうよ」
「とんでもねえです。兄貴」
ファイチクンもこう言ってる事だし、警戒を解いて接触する事にした。まだ挿入はしない。
「分かった。取り敢えず4人で身を隠せる所に移動しよう。ここじゃ人間に見付かるかもしれないからな」
「は、はい。ありがとうございます。それならあっちにそういう場所があります。案内します」
「あ、案内します」
ずっと2人だけでこの公園で隠れたり逃げたりしてたって言うなら知ってるか。森じゃねえけどな。森っぽい所も多いけど。まあいいか。
すると、すっと向きを変えて歩き方出す2人。全く警戒なし。こっちにはか。弟と思われる方が周囲を警戒してか、ずっとキョロキョロしながら歩いてるな。
それをお姉ちゃんが確認しながら進んでるって感じだろうか。ふむふむ。いいスタイルしてるじゃねえか。そっちじゃねえか。
残り香もヤバいぞ。こりゃ。直ぐにでもやりたくなってくる。戦闘後で興奮してるのもあるかもしれないが、それとはまた別の、股別の? いい香りがして来るぜ。楽しみだな、こりゃあ、おい。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
ん?
「どうした、ファイチクン。何かあったか?」
顔に出てたか? 俺の根っからのいやらしさが。
「い、いえ。兄貴。あの雌は本当に上玉だと思いやして。早く種付けしてやってくだせえ。それでどんどん仲間を増やして行くのも兄貴の役目かと思いやして」
ほ、ほう。これまたいい事言うファイチクン。そうか。そうだよな。それこそ俺の役目。そんな役目ならいくらでも。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
「分かっている。任せておけ。だが、一応双方合意の上で孕ませるのが理想だ。人間への警戒もあるし、長い目で見た時に余計な争いを避ける為にもな。
今後はファイチクンにも雌を宛てがうと思うが、無理矢理は止めておけよ。特に暫くはな。戦力が整うまでは、そっちに回す余力はないと思うからな」
まわすなら、輪姦すのもありだけど、それはまだまだ先の話だろう。そんな未来が来るといいな。
「へ、へい。承知しやした。そこまでお考えで。流石でございやす」
ちょっと嬉しそうにしやがって、ちょっとがっかりもしたみたい? それでも最後はしっかり納得もしてくれる。大丈夫だよな。欲望に負けて俺より先に孕ませるなよ。なんてな。
俺なんて直ぐに負ける自信がある。多分、この後直ぐにでも? ぎゃっぎゃっぎゃっ。
それでも、妊娠期間、出産後の面倒、子育て、育成、これはこれで手が掛かるし、防衛力も要る。暫くは厳しいだろうな。真に残念だが。
人間相手ならいいかもしれないが、産んでくれるかどうも分からないし、流石にずっと監禁するなんて難しいだろう。
誰かは付きっきりになる必要があるだろうし、食事の手配、下の世話、体調の管理、……。
考え出したら切りがない。出すのは楽だけど、その後がな。そんなのやった事ねえから知らないけど、簡単じゃない事くらいは分かる。ゴブリンの生態を知らないゴブリン。それが、俺だ。
それも雌が居るんだから確認すりゃいいか。股跡でな。違った。また後でだった。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
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