人類を滅ぼすのが使命みたいなんですが種族がゴブリンってのはないんじゃないでしょうか

復活のおたけさん

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情報収集

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 さて。俺は大事な情報収集の時間だな。

 ありがたい事にここにはテレビもある。ならば点ければいいだろう。そして見ればいい。聞けばいい。当たり前ゴブリン。

 昼のワイドショー。情報番組のチェックです。

 ぽちっとな。

 リモコン押すのには爪は便利かも。

 ナニなに。俺のナニがどうしたって。言ってねえか、そんな事。

 いきなりゴブリンが映ったから焦ったぜ。これまた違ったタイプのちっちゃくて弱そうなゴブリンだった。子供だろうか。既に産んだ奴が居るのか? そんな強者が?

 違うか。あの状態でポップしたのだろう。多分。

 ……

 あっ。殺されてんじゃん。集団リンチ。人間に囲まれてボッコぼこ。そして暫くして消えてった。

 殺ってくれたな。よくも同族を。あれは東京か。ならば行けんな。行けん県。違った。行けん都ね。

 ちっ。

 これは放映上ありなんだな。人間じゃねえし、愛護すべき動物でもねえってか。そりゃそうか。魔物だし。どんな流れでこの映像が使われてたのかは知らんが、多分色々と被害に遭った結果って事なのだろう。

 俺はそう理解する。そしての被害地っぽい惨状も写し出された。

 森林火災跡のような、ダムに沈んだ村のような、津波被害地のような、大地震跡のようになってる場所も写し出されて行った。


 全国各地での出来事だが、大規模なものはまだ数ヶ所のようだ。じゃなきゃこんな放送できねえわな。他人事のように言ってやがるし。これをやったのがああいった魔物だとも言いやがった。

 嘘を言え。そんな惨状をゴブリンが出来る訳ねえじゃねか。それをゴブリンに押し付けるんじゃねえ。もっとやべえのが居るだろうが。そいつも映しやがれ。胸糞悪い。

 こんな流れで映されたら、ゴブリンに対する敵意が増すじゃねえか。しかも比較的簡単に倒せる魔物っぽい事も言ってやがったし。

 そこは間違っちゃいねえが、ゴブリンだけにコメントするんじゃねえ。こん畜生。それは俺か。こん魔物。

 あのコメンテーター。見掛けたらぶっ殺してやるぜ。ごしゃっとな。無理だろうけど。こんな所にゃ来ねえわな。

 ちっ。

 あっ。皆見てんじゃん。そりゃそうか。板の中に殺すべき対象の人間が映ってりゃな。

 しかも同族まで映ったし。殺される場面までばっちりと。言葉は理解できなくても見れば様子は分かっただろう。深刻な顔して無言だしな。

 ふむ。丁度いいか。


「分かったか。今見た通りだ。油断したり、1人で居るとああなるぞ。人間を舐めて掛かるなよ。そして同族を見掛けたらなるべく救うぞ。あんな武装した集団に囲まれてたら逃げるがな」

「へ、へい。兄貴。よく分かりやした。あっしもまだ死にたくねえですから、兄貴の言う通りに動いて同族の仇は討ちてえと思いやす」

「ぼ、僕もよく分かりました。姉さんと皆を守る為にももっと強くなります。よろしくお願いします。兄様」

「は、はい。僕もよく分かりました。頑張ります」

「ご主人様。無理はなさらないように。私も出来る限りの協力は致したく思います。同族を、仲間を、家族を、よろしくお願い致します」

 ふっ。これもいい刺激になったようだな。ありがとよ。人間共。お前達も同族を殺られて怒ってるだろうけど、俺もその殺された1人だったけど、しかも真っ先に。

 だが、今の俺はゴブリンだ。魔物だ。人類殲滅軍だ。

 殺られたら殺り返す。倍返しは無理だと思います。俺ゴブリン。出来る範囲で殺ってやりたいと思います。

「おう。お前達。共に戦おうぞ」

「へい。兄貴」
「はい。兄様」
「はい。兄貴」
「はい。ご主人様」

 ふっ。つい言葉遣いが変になるな。これも仕方ない。


 死んだ魔物がナニかを落としたとか、魔石に変わったとかは分からなかった。

 敢えて伏せてるかもしれないし、興味がないのかもしれない。そういう情報はSNSで確認した方が早そうだな。それはまた後で。


 チャンネルを変えつつ確認して行くと、とある情報番組では、俺達ゴブリンの事は『小鬼』って言ってたな。ちんこも見てねえくせによく言うぜ。あっ。見たからそうなったのか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 他にも各地に異なる魔物が広がって居て、

 コボルトは『小犬』
 オークは『中豚』
 オーガは『大鬼』
 トロールは『大豚』
 ミノタウロスは『大牛』

 って呼んでた。他にも居るんだろうが、ゲームやった事がある奴とか、ファンタジー好きなら誰でも判別できるだろうって魔物が並んでた。やっぱり居たんだな。

 羨ましいような微妙なような。ゴブリンには言われたくないだろうが、中豚はないな。チャーシューみたいで旨そうたけど。あれで臭かったら俺達より酷くね? 50歩100歩か。ぎゃっぎゃっぎゃっ。まあいいや。

 こんなん見てたら切りがねえ。突然霧に包まれた町があるみたいだったけど。それも魔物だろうか。

 そんな力があったら格好いいよな。俺もそんな魔物に生まれたかったぜ。もう遅いしどうしようもないけどさ。ぐぎゃあ~


 こんな番組ってさ、本当に貴重な情報源だよな。こっちにとっても。分かっててやってんのかもしれないけど、立て籠り犯に向けた生放送とかもあったよな。その昔。

 まあいいか。

 ローカル番組で、とある町のスポーツ用品店で原因不明の火災があったってやってた。それ俺な。見れば分かる。見なくても店名でも分かる。

『爆発音がしたとの情報から、ガス爆発が原因ではとの見方も……』なんて言ってたけど。
 
 アホか。わざとか? 商品もそれなりに無くなってたはずだし、遺体も残ってただろうに。頭の割れた状態で。

 まさか、すっかりこんがり焼けちまったのか? そんな都合のいい話はないやろう。頭蓋骨なんて割れてりゃ検死なんかしなくても分かるだろうに。

 まあいいか。それどころじゃねえか。屋根が落ちて頭に当たったとか思われてるのかな。見事に店が潰れてやがった。それも俺。ゴブリンファイヤーとフレイムの威力を舐めるなよ。ってな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


 どこもかしこも魔物だらけの番組になってたな。そりゃそうか。こんなんが町をうろついてりゃな。

 警察や消防、自衛隊まで動き出してるようで、政府もてんやわんやって感じみたいだった。


 テレビ見てたらやりたくなっちゃった。間違えた。殺りたくなっちゃった。

 そりゃ1発やってからでもいいけど、既にやったしな。俺もサービスタイム中に経験値をしっかり稼がないといけないって実感した。

 だからちょいと偵察も兼ねてひと仕事。町ぶらへ。服は着るけどパンツは履かない。ちんこもブラブラさせて町ぶらへ行って来やす。1人でな。

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