人類を滅ぼすのが使命みたいなんですが種族がゴブリンってのはないんじゃないでしょうか

復活のおたけさん

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狩りと収穫?

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 雌親と雄ガキがコンビニに入って行った。

 駐車場には他の車はないし、ここから見える範囲では、他には客も居ないようだ。こいつらが客なのかは微妙だが、他には居ない方がありがたい。俺の生存率が上がるから。

 店員も、1人って事はないかもしれないが、居ても2、3人だろう。それくらいなら殺れるはず。奇襲からの投擲と魔法。そして怯んだ隙にもう1人。そんな感じのシュミレーションだ。

 実際には臨機応変。出たとこ勝負。その場の状況に合わせて動いてしまうとは思うが、ヤバイと思ったらお逃げって選択肢も忘れない。

 商品棚に隠れてからの気配遮断。そんな俺を見付けられるかな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 あっ。店内なら匂いで見付かるか。くせえから。ぎゃっぎゃっぎゃっ。危ねえ危ねえ。やっぱり殺るか殺られるか。そっちの覚悟の方が必要そうだな。


 タバコ臭いクソ野郎は、当たり前のようにその場にポイ捨てすると、火も消さずに車に乗り込んだ。

 こいつもさっきの奴と同じ輩。いや。それ以上か。

 それやると、タバコの逆襲を受けるんだぞ。知る訳ねえか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 こいつも軽傷では済まさない。警鐘に耳を傾けるような奴でもないだろう。確実に殺す。それだけだ。

 車内に1人なら余裕だぜ。多分な。


 取り敢えず、更に低く身を屈め、サイドミラーに映らないように注意して近付く。所謂、死角ってやつだ。俺は刺客。お前を殺す資格を持つ魔物だ。なんてな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


 捨てられたタバコが可哀想だぜ。まだもうちょっとは吸えるだろうに。勿体ない。

 だが、結構きりきりまで吸う派だったようだな。見掛けに依らず勿体ないって感覚は持ってんだな。意外だぜ。

 せこいのか、エコなのか、健康的なのか。それは意見が別れるだろう。今はどうでもいいが、そもそも吸わないのが1番だ。特に俺の前ではな。

 タバコの火はなかなか消えねえからな。マジでこれで火災になる事もあるんだぞ。以後気を付けな。以後はねえだろうがな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 白い煙が線香のようにも見える。良かったな。これから自らの逝く先を示してくれてるぞ。なんてな。上に逝くとは限らんか。真っ逆さまかもな。


 ゴブリンにとっては調子くれたシャコタン車はありがてーな。窓も全開で片肘出してやがるから余裕で中も確認できるし手も届く。


 いきなり「ゴブリンカッター!」

 シャンッ! スパンッ!

「いあっ! なっ!」

 ドバッ どばばばば~~

「あっ、あっ、あ、あああぁ~~っ!」

 クソ野郎。勘違いしそうな悲鳴を上げんじゃねえ。

 頸動脈を切断できたようだな。良かったぜ。流石に骨までは行ってねえと思うが、やはりこれ位なら切れるよな。ゴブリンカッター舐めんなよ。

 危うくきったねえ液体浴びる所だったぜ。このクソ野郎。どうせ浴びるなら雌汁にしてくれってな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 そろそろいいか。おっ。逝ったか?

 目が死んでるってのは、この事を言うんだな。実際死んでるなら当然か。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 赤い血もきったねえなあ。こいつに似てどす黒いぜ。お似合いの死に様だ。これも餞別だ。取っときな。釣りは要らねえぜ。お前の吸ってたタバコと、

 ぽいっ

「ゴブリンフレイム!」
 
 ブワッッ! ……ボワッ!!

 車内に色んな物資が積まれてるようだから、これもよく燃えるだろう。俺は萌えないがな。あばよ。

 次だ。急げ。

 店内に駆け込む。すると目の前でナニやらお取り込み中のようだった。お陰でこっちには気付かれなかったようだ。来客チャイムは鳴ったがな。

 先ずはクソ女郎か。こっちに背中を向けてる女郎の延髄に向けての投擲から、応対中の店員にはゴブリンファイヤー。そして、その奥に居た目が合った気がするクソ雄ガキには、お試しのゴブリンブラストの3連撃。

 ドシュッ!!

「ぎゃっ!! ……」


 バシュン!! …… ドンッ!!

「あぐっ!! ……」


 ブワッ! ………… ドンッ

「うわっ!」

 ふっ。クソ女郎と店員は1撃必殺。奥のクソ雄ガキは空気に押されて軽く吹っ飛んだ感じだ。子供だから効いた感じの威力だが、体勢を崩して座り込んでいる。

 その弾みで包丁は手離したようだ。所詮はガキ。初戦ではなかったようだが、ここまでだ。容赦はしない。

 止めを刺すべく駆け寄って、ゴブリン怒りの棍棒を振り下ろす。今度はいい親の元に産まれられるといいな。あばよっ。

「っ!」

 グジャッ! ビチャッ どさっ

 はい。3丁上がり!

 人を殺るって事は、殺られる覚悟も必要だぜ。ガキんちょよ。殺ってはなかったのかもしれないが。もう遅い。


 他の店員は? ……

 奥か? まだ居るぞ。雄の匂いで残念極まりないが、気は抜かない。一気に殺る! 通報される前だとありがたい。

 バックヤードに1人居た。全く気付いてないようで助かった。結構な音はしたと思うけど、ご老人が1人。オーナーか? まあいい。これが最後のお勤め。お疲れ様でした。

 ゴッガッ! グジャッ どさっ

 よし。他は居なさそうだな。

 コンビニ経営なんて大変なお仕事。ありがとうございました。勿論、勝手な思い込みだけど。

 今回は未遂だったが、そのうちきっとここもまた、食料品や日用品目当ての人間の襲撃を受ける事になるだろう。それもあるあるだ。

 人間に殺られるか魔物に殺られるかの違いだったんだ。どっちも不幸だな。笑えない。

 まあ、結果としては元人間、今魔物の俺が襲撃した事になる訳だが。こんな幕引きも良かったのかもよ。良かあねえか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。お疲れ様。


 さて。一応、防犯カメラの録画装置は処理しておくか。どうせ見付かってもどうしようもないとは思うが、それでも俺の脅威は秘匿すべきだろう。胸囲なんて測ってないけどな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 機械なんてもんは、物理的破壊、アンド水浸し。これが1番さ。

 棍棒からの、ゴブリンフロー。しっかり奥まで浸かってくれた事だろう。奥まで届けてこそだしな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 なかなかいいじゃないか。ゴブリンフロー。俺も見倣おう。奥までじんわり浸してやるぜ。こんなに出せるかな。なんてな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 フローはフローでも、不労なんていい響きだけど、浮浪は嫌だな。絶賛浮浪してますが。あっ。マジシャンに就いてんだった。しかも正確にはフロウだし、全然違うわな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


 おっと。流石にここまでやっときゃ大丈夫だろう。さあ、急げ。警察とか他の客が来る前にお逃げだぜ。

 だが!

 基本は飲み食い要らずだけど、酒とつまみ、缶詰類の回収だけはしておこう。祝杯は魔物になってもいいもののはずだ。俺の中の人間性が叫んでる。たまには飲もうぜってな。玉はないのにな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 そんなの関係なしで落ち着いたら1杯やりたいぜ。そしていっぱいやりたいぜ。ってな。


 飲み物なんかは箱ごと裏で冷やしてくれてるからありがたい。これは報酬だ。俺、お疲れ様さん。

 選んでる時間はないから適当に。異次元収納空けといて良かったぜ。

 まるっと棚ごと。まさかこんな大人買い、じゃねえや。大人回収が出来る日が来ようとは。雇用してもらえそうだよな。この能力。こんなゴブリン雇いたくねえか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


 あっ。お菓子と甘味も頂いておこうかな。そうだな。あっても困るもんじゃねえし、下手な店より旨かったんだよな。俺の味覚では。値段も手頃だし。

 期限切れてもゴブリンなら簡単に腹は壊さないだろう。そこん所どうなのかな。まあいいか。毒味する奴も居るしな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

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