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嬉しいような微妙なような
しおりを挟む相変わらず全く心地良くない音が耳を通り過ぎて行っている。
見ないようにして、これはラナのまんこからの音だと妄想してもダメみたいだ。既に見てしまったからなんだろう。まんだろう?
……
ダメだな。これでもダメなら仕方ない。次行ってみよう。
そんなコボチャンのおやつ中に、周りを警戒しながら念話を発動。
これなら聞きたくない音は聞こえない。事もないけど大分違う。家を背にしてるし、こちらからの視界は良好。警戒は気配察知と鼻ですればいい。
これは雑音だ。気にしたら負け。そう言い聞かせて意識を半分だけ集合させる。
【ファイチクン。俺だ。今いいか?】
【っ! へ、へい。兄貴。だ、大丈夫でやんす】
やはりまだ慣れないよな。慌てた感じがよく分かる。
【そっちはどうだ。異常はないか?】
まずは相手の様子を確認する俺。なんて優しい兄貴だろうか。この惨状を意識しないようにする為だなんて言えません。
【へ、へい。異常と言うかなんと言うか、この前ほどではなかったでやんすが、突然力が上がった気がしたでやんす。それが異常と言えば異常かもしれやせん】
【ほ、ほう。突然力が、か。それはファイチクンだけなのか? それとも他の皆もか?】
【へ、へい。それが、他の皆もそれぞれに違った感じはあったようでやんす。詳しくはそれぞれに聞いてやって下せえ】
覚えられなかったって事か。まあいい。問題はそこじゃない。
【そうか。分かった。悪い変化じゃないんだな】
【へ、へい。悪いものではないと思いやす。部屋で話をしている時に突然だったんで驚いてたでやんす】
【ふむ。それは皆同時だったのか?】
【へ、へい。同じような時だったと思いやす】
ふむ。
【他には何か思い当たるような事はしてないか?】
【へ、へい。それ以外は何もしていないはずでやんす】
【それは他の皆も同じか?】
【へ、へい。他の皆も一緒でしたから同じはずでやんす】
ふむふむ。
【そうか、分かった。ありがとう。ファイチクン。引き続き戦闘時の連係なんかもよく話し合っておいてくれ。一旦切るぞ】
【へ、……】
あっ。早く切り過ぎた。まあいいや。切りがないからな。切ったけど。
ふむ。コボチャンの場合は前足とは言わないんだよな。基本は二足歩行だし。
指が長くないからか、毛のせいなのか、両前足を使って踏み踏みしなが器用に食べてるように見えるんだよな。犬だから?
まあいいや。今はそっちじゃなかった。
ふむ。ナニもしてないはずって言ったから、誰かナニしてたのかと思ったが、それならぶっ飛ばしてやろうかとも思ったが、そうではないらしい。良かったな。
俺だけ死にそうになってる時に自分達だけやってたなんて知ったら俺もやっちゃうぞ。殺っちゃうか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
恐らくレベルアップの効果だろう。パーティとして認識されて俺の経験値がそっちに流れたか、ゴブリン同士の特性かもしれないな。そう考えるのが妥当だろう。
そうだと嬉しいが、勝手に経験値を持って行かれるのは許せんが、俺に勝手に入って来るなら嬉しいな。俺なんてそんなもの。これも検証が必要な事案だな。
【ラナ。俺だ。今いいか?】
【は、はい。ご主人様。勿論でございます】
おう。天使の声がする。ラナだった。ファイチクンとは大違い。癒やさせるぜ。ちんこにも響いてきそうな心地良さ。これも堪らんちん。
【ファイチクンから聞いたが、ラナにも変化はあったのか?】
【はい。私は1日に使える魔法の回数が増えたのと、新しく軽い状態異常を回復させる魔法が使えるようになったみたいです。効果は試せていませんが】
ほう。回数増加と新魔法か。そこは同じ仕様って事でいいみたいだな。ヒーラーだけに覚えるのは回復系の魔法なんだろう。いいね。
俺の頭の異常も回復できないかな。軽いって言ってるからまだ無理か。もう無理か? ぎゃっぎゃっぎゃっ。
流石、ラナ。決して俺が1人ずつ確認するのが面倒だっただけじゃない。しっかり皆の変化も共有してる所が素晴らしい。序でに聞いちゃった。
レベルだけならこっちでも分かるけど、詳細までは分からないから仕方ない。どうせなら雄より天使と話していたい。これ普通。
野郎の方は、それぞれの職業に合わせた変化って事だった。そのまま逞しく育って欲しい。
まだレベルが低いからかもしれないが、皆上がったって事は、それなりの経験値のはず。
選択者を倒して皆よりはレベルの高いファイチクンも一緒のタイミングだったのは、本当に偶々だったのだろう。玉々はないのにな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
もしかしたら等分とかじゃなくて、それぞれに割り振られるのかもしれない。ゴブリンだけに、そうだといいな。
そんなに上手い話はないと思うけど、そんなに旨かったのか、腹が減ってたのか、まるっと1体いきやがった。ペロッとか。ちょっと小柄だったからかな。そうだといいな。
骨まで残さず食べて偉いな。バリボリ言ってたもんなあ。証拠隠滅も出来て一石二鳥だな。染みは酷いけど。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
それに、そんな真っ赤な舌は見せなくていいぞ。コボチャン。俺の癒やしが台無しだ。言わないけど。
【あー。それならもうちょっと狩りをしてから戻る事にしてみる。これからまた変化があるかもしれないけど、多分こっちの経験値が反映されてるだけだと思うから心配しなくていいよ。それはいい事だからね】
【は、はい。よく分かりませんが、ご主人様がそう仰るなら心配致しませんし、皆にもそう伝えます。ご無理はなさらないようにとだけ】
くう~。やっぱ天使。早く戻ってやりたいが、検証も大事。今後の動きに影響大だから。
【分かった。ありがとう。ラナ。よろしくな。戻ったらまたやろうな】
【は、はいっ! 嬉しいです。またお願い致します】
股お願いだなんて、なんて分かり易い表現を。ラナったら。マジ天使。
【おう。股な】
【はいっ。お気を付けて】
「……」
「ガウ」
そんな顔して見るんじゃない。どうしたのって感じが伝わってくる。
満足感そうだけど、まんも足りたのかは分からないけど、そうじゃない。
「まずはその血みどろの汚れをなんとかしようか。コボチャン。流石に汚いぞ」
「……、ガウ?」
俺には言われたくないって? そんな事は言ってないか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
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