人類を滅ぼすのが使命みたいなんですが種族がゴブリンってのはないんじゃないでしょうか

復活のおたけさん

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進行と出会い

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 施設のスタッフは皆事務所に居たようで、その他の入居者に関しては、相手が相手だけにフロアを制圧するのにそんなに時間は掛からなかった。

 言っちゃ悪いが、それも今更だ。子供のゴブリン程度の身体能力って感じだろうか。所詮は足腰の弱ったじじいとばばあって事だった。

 姿形も、色さえ塗り替えれば俺達と見分けが付かないんじゃないかって個体が居たかもしれない。よく見れば違うだろうが、しっかり見ないと分かり難いレベルではあったと思う。

 誰がとは言わないが、どれだけ居たのかも言えないが、雄雌の判別も難しい年頃だけに、それも仕方がないのかもしれない。俺も長生きしてたらああなったのかもな。

 ……

 微妙だな。

 ゴブリンは端からそんな姿形してんだからな。すげーだろ。ん? 嬉しくねえな。取り敢えず笑っとくか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。ぐぎゃあ~


 本当に今更失礼だとは思うが、人生の大先輩方に対して申し訳ないとも思うが、人生には引き際も肝腎だと思い知らされたよ。ありがとうございます。

 お礼にその引き際をプレゼントさせて頂きました。お返しは要りません。ゆっくりあの世で過ごして欲しい。天国か地獄か。それはあなた方次第です。ってな。

 間違ってもゴブリン退治には来ないで欲しい。元じじばば勇者とか勘弁して欲しいぜ。ゴブリン特化型のスキル持ちとか出て来たりしてな。対ゴブリン補正特大とか。臭い耐性極大とか。

 ……

 そんなん無くても余裕か。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


 耳が遠いっていうのもあったかもしれないが、外の様子に関心すらなかったのかもしれないが、特に騒ぎにもならずに着々と殲滅を進められた。

 ビバ、老人ホーム。他のこういった施設も率先して襲撃しよう。他の魔物に取られる前に。ゴブリンのレベル上げには最適かも。同じ様な感じだし、途中で見分けが付かなくなったりしてな。夜なら特に。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


 俺が3階に上がった時には、コボチャンは4階へと続く階段を駆け上がって行こうとしていた。スピード・スターの称号をあげたくなった。

 俺に気付いたコボチャンが立ち止まり、俺を見詰めてこちらの状況をうかがっているようだったから言っておいた。

「俺は大丈夫だ。コボチャンも大丈夫そうだな。そのまま上へ行ってくれ。俺はこのフロアの制圧を確認してから上がるから、上は全部任せるぞ。出来るか?」

「ガウッ!」

「分かった。任せたぞ。コボチャン」

「ガウッ!」

 マジ有能。コボチャン最高かよ。全身真っ赤になってるから、更にスピードが上がったようだ。

 それは血じゃない。そういうカラーリングだ。そう言い聞かせる事で笑顔で居られた気がする。ゴブリンそういう知識があって良かった。

 全く問題ないって感じで嬉しそうにして行ってしまった。そんな顔してイってくれるといいよな。って感じだった。

 尻尾もふりふりで駆けて行った。走ったら揺れるのは当然か。俺も揺れながらラナに掛けてやりたいぜ。なんてな。

 称号も、赤い彗犬のコボチャンにしよう。きっと分かってくれるよね。そうだといいな。また会えるかな。

 いかんいかん。今はここの制圧だ。


 おっと。

 しっかりこっち側の獲物は残してくれていた様だ。やるな。血の痕で分かるっていうのもすげーよな。あっちは大惨事。こっちは綺麗なまま。これ大事件。

 そんな気を使わなくてもいいのに。律儀なのかお前もしっかり働けと言われているのか。まあ、後者だろうな。ゴブリン遅いしな。それは仕方ない。あと少し。気は抜かずに頑張るか。

 戦闘の興奮もあるからか、出来れば1発抜きてえが、ばばあ相手にそりゃねえか。ん? それもやってみないとか? ……。

 ないな。


 いや。あった。会ってしまった。

 年齢なんて関係ないんだな。美しいものは美しいと言えるゴブリン。それが俺。

 どんな年の取り方をすればこんな笑顔で居られるのだろうか。その辺しっかり聞きたい所だが、難しいか。俺ゴブリンだしな。

 出す事は出来ても意思の疎通は出来ないか。残念だ。


 そこは車椅子が置いてある部屋だった。他でもあったけど、すっきりと整えられた個室は、どこかいい香りすらして来そうな雰囲気に包まれていた。

 そんなセレブが入居するような施設じゃないのにな。外観も、内装も。

 だが。おっとりとしていて品がある。こんなお姉さんは好きですよ。以前はそんな趣味はまだなかったが、これは大お姉さん? 大々お姉さんか。

 いや。色んな所が縮んでるから小々お姉さん? まあいいや。客観的にはばばあだな。間違いない。

 だが!

 俺は一瞬で思ったね。

 こりゃやれる。

 これならやってみる価値はある。

 ゴブリンに言われたくないだろうが、そう思ってしまったのだからしまったぜ。既に生殖能力はないだろうにな。そんなおかしな感覚を持ったゴブリンは嫌いですか?

 そもそもゴブリン好きは居らんやろう。ぎゃっぎゃっぎゃっ。ぐぎゃあ~

 ちっ。

 ジャージなんか着て来なけりゃ良かったぜ。脱ぐのが面倒だからな。このひと手間がもどかしい。

 それでも一瞬で脱げるけど、爪には注意しないと危ねえからゆっくりと。入れる前にダメージ入れたら笑えない。それでも俺は笑うがな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 そんな事を妄想してて固まってる俺に告げられた。


「あら。なんですか。可愛い生き物ですね。少し顔色は悪いようですけど。それに、そんなに汚れてしまって大変でしょうに。こっちへいらっしゃい。おばあちゃんが綺麗にしてあげますよ」

「……」

 俺は思ったね。

 こいつイカれてるのか? ボケてんの? 逝ってんの?

 言葉が通じると思ってるのだろうか。俺ゴブリンだぜ? 

 はっ。そう言えば、話し掛けちゃうのは俺もだった。他にも掛けるけど。

 ファイチクンの時も、選択者の時も、コボチャンの時もやってたな。同じ様に話し掛けてたわ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。同類か?

 だが!

 あっしは血みどろの不法侵入者でやんすよ? 兄貴。それはファイチクン。元気してるかな。

 ゴブリン見てそれか?

 まさか知らないのか。ゴブリンを。ふっ。すっかりアイドル気取りだったようだぜ。ゴブリンもまだままだだったようだ。もっと頑張らないとな。

 でも、嫌じゃないんだろうか。この淑女。なんて優しいんだろうか。初対面のはずなのに。早く人間になりたい。なんて風貌してる自覚はあるのにさ。

 はっ。思わず、雌じゃなくて淑女なんて思ってしまったぜ。言っても淑雌だったぜ。しまったあ! だだボケてるだけもしれないのに。

 どうやらナニも分かんねえらしいから、和姦希望者なんだろう。そう思う事にした。

 そして、長考の末、つい、足が出てしまった。ちんこはまだだ。

 ふらふらと、ペタペタと、誘われるままに歩いて近付くゴブリン。それは俺。

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