人類を滅ぼすのが使命みたいなんですが種族がゴブリンってのはないんじゃないでしょうか

復活のおたけさん

文字の大きさ
94 / 143

襲撃者 2

しおりを挟む

 魔法による攻撃を受けたようだった。

 直ぐに頭を覚醒させて外を確認したから分かった。見えたのは2人。2つの影がマンションから離れた場所で動き、そこから魔法が発動されていた。

 早速、スカウトの『遠目』がいい仕事をしてくれた。俺の選択は間違ってなかったと思ったのは後からだったけど。


 先ずは1階から順に狙っているようだ。ベランダ側の窓ガラスが割れ、大きな音と共にマンションを揺らしていたのだと分かった。延焼も視野に入れた魔法攻撃のようだった。

 こん畜生。家具とか回収しておいて良かったぜ。燃える物は極力少なく。これ、延焼を最小限に抑える基本だ。

 構造によってその後の違いは出るが、基本は基本。やはりマンションを選んでおいて良かった。まんとションは別物だしな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 って。


【皆! また敵襲だ! だがまだ動くなよ! あの攻撃はヤバイ! 当たれば1撃で死ぬぞ! 窓際から離れてくれ! 俺が対処するから暫く待機だ! いいな!】

 一斉念話で指示を出し、俺だけ動こうとしたのだが。

「ガウガウッ、ガウウッ!」

 コボチャンも一緒に行きたいようだった。流石にさっきの振動でびっくりして起きたようだ。そんなコボチャンも可愛いぜ。

 コボチャンに念話は伝わらないはずなのに、俺の気持ちまで伝わってしまうとは。愛犬万歳。

 さっきは先にイっちゃったからな。俺の方が早かったけど、結果としては俺は落ちてない。ゴブリン優越感。数は力だ。


「分かった。コボチャン。今回も頼むぞ」

「ガウガウッ!」

 よし。寝起きもふもふも堪らんちん。次はファイチクンだな。


【ファイチクン! 出るぞ! 今回は俺と一緒に出撃だ!】

【はっ! 御意!】

 やはり起きてたか。ソルジャーになったファイチクンは更に頼れる戦士。あっ。へいって呼ぶのを忘れてた。ちっ。

【よし。扉を開ける時には特に注意してくれ。前面の敵だけじゃないかもしれないからな。俺も直ぐに出る。それまでは待っていろ】

【はっ! 御意!】

 うん。めっちゃやる気になる返答をありがとう。やるな。ファイチクン。やってただろうに。この対応の早さ。流石に学んだか。回数制限いっぱいまで出しちゃダメってな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


【スイチクン! 今回はスイチクンも出動だ! 前面の敵以外の索敵を頼むぞ! 出来るな?!】

【は、はいっ! 兄様。頑張ります!】

 よし。こっちも起きてたな。当然か。こんだけ騒がしけりゃな。

【そんなに緊張しなくて大丈夫だ。いくら強力な攻撃でも当たらなければどうということはない! スイチクンなら出来る! 愛する雌の為にも集中して動くんだ!】

【は、はいっ! 頑張ります!】

【よし。俺が合図をしたら出動だ】

【はいっ!】

 よし。何の根拠もない激励。これを焚き付けとも言う。1度言ってみたい台詞も言えたし、俺は満足だ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 ん?

「ご、ご主人様! ラナは、ラナは、……。い、いえ。ご主人様の言い付け通りに致します。ご武運を」

 くっ。少し震えてるのか。それも天使過ぎ。ラナ、超天使。そんな目で見ちゃいやん。

 ガバッ ぎゅっ

「ラナ。ありがとう。気持ちは伝わった。心配するな。まだまだラナには俺の子を産んでもらうつもりだ。安心しろ。俺は簡単には死なない。ラナの為にも、皆の為にも、俺はやらなきゃならない。行ってくるぞ」

「あっ。は、はいっ。ありがとうございます。ご主人様」

 ぎゅう~っ

 くうぅっ。堪らんちん! この態勢でもぶち込める自信はあるが、今は止めておこう。後のお楽しみ。

「ガウガウッ。ガウッ!」

 ガバッ

「おっと。コボチャンもありがとう。嬉しいぞ」

 ぎゅう~っ、もふっ

「ガウウ」

 いつまでもこうして居られる自信もあるが、それは愚者の選択。ゴブリンにはぴったりだが、俺は違う。

 ぴったりフィットのちんことまんこは気持ちいいけど、それは落ち着いてから。お膣射てから。それじゃあ既にやってるな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。

 よし。やはりこの思考は落ち着ける。

 さあ! 盛り上がった所で一斉念話だ。ドガン、ドゴンうるせえが、まだ下の階層っぽい。もうちょっとくらいは大丈夫だろう。


【皆聞け! さっきの殲滅で皆のレベルも上がってるだろうが、この攻撃は段違いでヤバい!

 だが、あれを倒せば皆のレベルはもっと上がるはずだ。その後の戦闘では皆を頼りにするだろうから、今回までは堪えてくれ。

 今回は、俺とコボチャン。1番隊の隊長ファイチクン、斥候のスイチクンだけで対処する!

 いいな。これは命令だ。俺がいいと言うまで動くなよ】


 一斉念話だから皆からの返答はないが、ラナの表情で分かる。惚れてるな。俺もだぞ。後でしっかりやろうな。股落ちるまで。ぎゃっぎゃっぎゃっ。


「コボチャン! 行くぞ!

 敵は2人だけとは限らない。コボチャンとスイチクンで前面の敵以外の索敵を。俺とファイチクンで前面の敵を迎え撃つつもりだ。殺れそうなら殺ってくれていいが、くれぐれも無理だけはしないようにな」

「ガウガウッ!」

「よし! ゴーだ!」

「ガウッ!」


 ◇ ◇ ◇


「おい。本当にまだあのマンションの中に魔物が居るんだろうな。これで無駄撃ちなら許さないぞ」

「はっ。俺の索敵能力を舐めるなよ。スキルレベルは上げてある。大きな反応があるからまだ数十匹は残ってるはずだ。間違いない。どの部屋に居るかまでは分からないが、あのマンション内に居るってのは分かる」

「はんっ。ならいいが、数匹程度なら大した経験値にならないからな。2人で割ったら更に少なくなるってんだから、勘弁して欲しいぜ」

「ふん。仕方ないだろうが。これだけの事態を招いた魔物が居た場所だ。それなりのレベルの奴が混ざっててもおかしくないと考えるのが普通だろう。俺はまだ死にたくないからな。だからお前を呼んだんだ」


「ふっ。そうだったな。俺だってまだ死にたくはないが、こんだけ外から撃ってちゃ効くものも効かないだろうによ。

 それに、全然燃えてねえじゃねえか。古いマンションならそれなりに燃えるはずたとか言ってなかったか? ああん?」

「あ、ああ。確かに言ったが、人が住んでりゃ燃える物もあるだろうから燃えるはずだと言ったんだ。変に変換するじゃねえよ。だが、確かに思った程燃えてないかもな」

「ちっ。使えねえ。入居者が少なけりゃ物もないだろうがよ。それくらい分かるだろうが」

「ああ。だから分かったはずだがな。ほとんどの部屋にカーテンが付いてるんだ。1番上の部屋だけだろうが、空き部屋っぽいのは」


「ちっ。しゃーねえか。古いマンションだ。なかなか燃え広がらないのかもしれねえな。よく分からんけど」

「まあいいじゃないか。これで2階部分まで全て撃ち込んだ事になる。既に焼け死んでるのも居るかもしれないが、そろそろ出て来てもおかしくないだろう。無駄話は止めて集中するぞ」

「はっ。分かったよ。折角ここまでやったんだ。確実に全滅させてやるぜ。くそ魔物どもめ。いつまでもいい気にさせねえぞ」

「その通りだ。俺達が来たからには魔物なんて1匹も逃さない。確実に殺ってやる」


「ああ。この魔道士の俺が入れば楽勝だろうがな」

「ああ。頼りにしてるぞ。魔道士様。俺はまだまだマジシャンだからな」

「ふっ。分かってるじゃないか。その、なんだ。俺も頼りにしてるぞ。その索敵スキルのお陰でいつも楽させてもらってるからな」

「ふっ。そうだな。お互いに命あってこそだ。これからもよろしくな」

「あ、ああ。そうだな。よろしくな」


「っ! なっ!? 火の手が弱まった?」

「何っ! た、確かに、下層の火の手がなくなって行く?」

「スプリンクラーか? ちっ。それもあったか。しょうがねえな」

「ちっ。大した設備もなさそうなマンションなのにな。スプリンクラーならしょうがねえか」


「ああ。だが、警報のベルの音はしてないよな? これだけ周りに人気もなければ聞こえてきそうだが」

「あ、ああ。確かにそうだな。さっきまでは俺達の攻撃音で気付けなかったが、そんな音はしてないな」

「なら、……、あれは魔物が、 」

「っ! 何か出て来たぞ!」

「はっ! な、何いっ! あ、あれは、……、盾?」

「はあっ?!」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写と他もすべて架空です。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

処理中です...