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襲撃返し
しおりを挟むうおおりゃああ~!
「ウォーター! フロー! ウォーターウォール! ジェットウォーター!」
消火は時間が大事。スカウトに転職したお陰で動きもスムーズに。ゴブリン、ありったけの水魔法で下層を水浸しにしてやった。
でも、ウォーターバードだけは止めといた。マンションにダメージ与えちゃダメだから。俺、それくらいの分別はあるゴブリン。
これで暫くは延焼も大丈夫だろう。魔道士を舐めるなよ。どうせならちんこ舐めてね。勿論、可愛い雌ならな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
「よし。コボチャン、スイチクン。このまま裏から進んで周りを索敵してくれ」
「ガウッ!」 ダダッ
「はいっ!」 サッ
うん。やっぱ、はええな。2人共。コボチャンの方が速いけど、スイチクンもなかなか。俺も早くああなりたい。頑張るぜ。
「よし。ファイチクン。こっちもやるぞ!」
「はっ! 御意!」
そしてファイチクンを前面に押し立て、俺は気配を殺して盾の陰に潜んで様子を窺うゴブリンに。
これは卑怯じゃない。戦略だ。魔法の盾の跳ね返しを見てみたいと単純に願ってる純粋なゴブリンであったりもする。『魔法返しの盾』。これは本当なら俺が使いたいけど、盾役なんて御免です。俺、そういうゴブリンです。
でもやる気も殺る気も満々で、それを純粋と言えるのかはさっぱり分からないゴブリン。都合の悪そうな事は気にしない。しかもそんなゴブリンです。ぎっぎゃっぎゃっ。
さっきから体が軽い軽い。だから思考もよく回る。
どれくらい軽いかって言うと、階段を1段飛ばしじゃなくて、3段飛ばしにチャレンジ出来そうな気がして、でもちょっと怖いからやっぱ止めとこうって感じになっちゃうくらい軽い。
要はヘタレだな。でも、元が重たい感じだったから大違い。いや、段違い。おっ。股上手い事思い付いたぜ。階段とも掛かったな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
でも勘違いも無駄なチャレンジもしないゴブリン。やられたらやり返すぜ。待ってろよ。頭はもっと軽いからな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。ん?
いざ! ファイチクン。頼んだぞ。
サササッ
「ファイチクン。この先に人間が2人居る。他の気配はしないが、もっと離れて様子を窺ってるのかもしれない。油断はせずに、まずはその2人を倒すぞ」
「はっ。御意」
「その2人は魔法使いの可能性が高そうだが、その盾があれば大丈夫だ。2対2なら負ける気はしない。俺は魔法で盾も作れるから、ファイチクンは自分の防御を優先するように。いいな」
「はっ。で、ですがよろしいのでしょうか。兄貴様をお守りするのが我が使命の 」
「ああ。それでいいんだ。先に言っておいて良かった。俺にダメージがあったとしても直ぐに自分で回復できるが、ファイチクンが離れた所に居たら間に合わない可能性もある。敵を目の前にして難しい場面もあるだろうしな。
だからファイチクンは自分の身を守る事に専念してくれ。それが結果として俺の為にもなる。分かったな」
「は、はっ! 御意に。考えが足らずに申し訳ございませんでした」
ふっ。嬉しい事を言われ掛けたが、被せて遮ってやったわ。ゴブリン、雌のが好きだから。それは皆もか。でも、しっかり言っておかないと、下手にダメージ食らって死なれても困るしな。
いくら盾になるのが役目でも、それはここじゃない。ってな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。そんな時がいつ来るのかは知らんがな。
いつ来るの? まだでしょう!
まだ不安そうな様子だな。俺を舐めていいのは認定した雌だけだぞ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
「ふっ。安心しろ。即死じゃなければ必ず回復させるつもりでいるからな。あいつらを倒して、愛する雌の元に帰ろうな」
「っ! ぎょ、御意っ!」
やはりゴブリンにはこれが1番効くだろう。俺もだし。早く出してえよな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
っ! 不穏な気配!
「ファイチクン! 魔法が来るぞ! 盾に力を入れろ!」
「はっ!」
シュバンッ! …… ふあぁんっ …… バッシュン!
…… ドンッ!
っ!! なっ!!
ぜ、全然見えんかった~~っ!! ぐぎゃあ~っ!!
魔法が飛んで来たのは分かった。多分ファイヤー系。
それが、特に衝撃もなさそうに跳ね返されてった?
それは分かった。威力は同程度? 童貞度?
違うな。少しは落ちたのだろうか。俺のファイヤーよりは威力がなかったような。言わば、ゴブリンファイヤー並?
それでもすげーな。その盾。やっぱ欲しいな。今は要らんけど。全然関係ない方向に飛んで行きやがったしな。近所迷惑もいい所だぜ。殲滅しといて良かったな。良かったのか? ぎゃっぎゃっぎゃっ。
「ファイチクン、大丈夫か? 痛みは?」
「は、はいっ。全く痛みはありません。大丈夫です」
「そうか。よし。ならこのまま前進するぞ。相手が2手に別れたらこっちも動くからな」
「はっ。御意」
心配するならヒール掛けろよってな。でも相手に魔法使いが居るとは知らせたくはない。さっきの感覚で少し分かった。敵が魔法を撃つ時の不穏な気配。
あれを向こうに感じさせる訳にはいかないぜ。決して、ファイチクンが雄だからじゃない! ラナなら速攻で使っただろうけど。
だが、何とかなりそうじゃん? やっぱ装備って大事だな。ありがとよ。いつかの選択者さん。有効活用させてもらってるぜ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
じりじり近付く俺達に対して、向こうはまだ動きなし。ゴブリンだと思って油断してるのか、魔法が跳ね返されて驚いてるのか。分かる訳がないゴブリン。
まだ距離があるから投擲でも届きそうもない。全力なら行けるかな? いや。外すと格好悪いから投げないぜ。ファイチクンが居るからな。俺は格好よさを追求するゴブリン。それは仕方ない。
「そうだ。ファイチクン。また魔法撃ってくると思うが、可能なら撃って来た方向に跳ね返せるように盾の方向を意識してみくれ。訓練は必要だろうが、相手にとっては脅威となるはずだ。焦らずにやって行こう」
「は、はっ! 御意!」
俺って偉いのか? そんな気がしてしまう返答は悪くない。出来ればこういう奴等に囲まれて生きて行きたいぜ。はっ! そ、それが権力者?
くつ。俺も白い巨塔まっしぐら? 黒い巨根の方が嬉しいが、俺には無理だ。そこまででかくなる自信はない。黒くする自信はあるのにな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
多分できるはず。黒くじゃなくて、魔法の本人返し。ファイターからソルジャーに転職したファイチクンなら。あれ? ……
それが出来そうなのは、盾職か。ガーディアンなら行けるかもな。今更だけど。訓練は必要だって言っといたから大丈夫だな。出来なきゃファイチクンの訓練不足って事になる。はず。俺のせいじゃない。そうだよな。
俺の精では黒くなる一方か。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
その後も、単発で火の弾が飛んで来てるけど、ファイチクンによる盾捌きの訓練してくれてるのかと思う程に弱い。
おいおいおい。マジで何の変哲もない魔法攻撃かよって思ってしまうゴブリン。これも只の牽制かもしれないけど、もしかしたら俺よりレベル低いのか? とも思ってしまうゴブリン。
流石にファイヤーバードとか撃たれたら跳ね返せないかもって思ってたけど。そしたらどうやって逃げようかって考えてたけど。どうやらそんな心配はなさそうだな。まだまだ様子見かもしれないが。
戦闘パターンもそれぞれだ。初っ端から最大攻撃を放ってくるか、徐々に高めて行くか。それも状況に依るだろう。人の考えなんて読めないし、気分にも依るだろう。
そんな心境の遣り取り、駆け引きは嫌いじゃないが、それはゲームだからこそ。実際の命の遣り取りしてる現場では、そんな余裕はない。ゴブリンだけに、痛い思いは一切せずに終わらせたい。
さあ。どうすんべ。そろそろか。俺の射程に入りそうだぜ。あんな舎弟は要らないが。やはり雄だった。しかも2人共。ちっ。匂いだけでなく、声でも分かった。
ここまで来ると、奴等の叫び声がはっきり聞こえる。だが、魔法撃つ度に魔法名を叫んでくれるからありがたい。
あほやろう。そんな大声出さなくとも撃てるはずなのにな。散々叫んどいてなんだけど。俺はゴブリン語。聞かれても全く問題ナッシング!
だが、奴等の言葉が分かる俺にとっては飛んで来る魔法が事前に分かるからありがたい。まあ、直ぐに対処できなきゃヤバイのは変わらないが。
それでも分かるってのはアドバンテージだぜ。まさか、自分達で自らあほな事やってるとは気付けないんだな。そのあほさ加減、ゴブリン並じゃね? ぎゃっぎゃっぎゃっ。
特殊なスキルでもなければ、俺達の言葉はグギャグギャにしか聞こえないだろうし、大声で指示を出しても大丈夫だろう。俺からなら念話もあるし、尚戦略的に戦えちゃう。
それくらいのアドバンテージは欲しいゴブリン。出来ればもっとくれぐぎゃあ~
「いい加減に死ね! ファイヤー!」
シュバンッ! …… ふあぁんっ …… バッシュン!
…… ドンッ!
「うわああっ!」
「くっそっ! 危ねえなっ!」
おっ。ナイスだ。ファイチクン。この短時間で盾使いが上手くなったな。もう少しで当たったのにな。残念。
「やるな。ファイチクン。この1本道なら挟撃はない。後ろは俺に任せてこの調子で進んでくれ」
「はっ。御意」
ふっ。戦闘地形も大事な戦略要素だが、この盾があれば、こんな1本道なら魔法使いなど敵じゃねえ。
索敵もしてるが、今の所この2人だけみたいだ。前後で挟まれるかと思ったが、それはラナとコボチャン以外にはさせないぜ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
それに、コボチャンもスイチクンもまだ探ってくれてるから、よっぽど大丈夫だろうがな。やはり戦いは数なのだよ。ベッドでの戦闘もな。ゴブリン舐めんなよ。雄には舐めさせないぜ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
「くっそおっ! このままじゃ不味いな。十字路まで下がって挟み撃とう」
「あ、ああ。仕方ない。あんな盾、反則だろうがよ」
「そ、そうだな。まさかあんな物を持ってる魔物が居たとは」
「くっ。だが、奴は1人だ。俺達2人なら殺れるはずだ。これは戦略的退却だ」
「ああ。そうだな。それに、あの盾が手に入れば心強い。確実に仕留めるぞ」
「了解」
おっ。じりじりと後退して行くな。まさか交代要員が居るとでも? ふむ。この1本道が不利だと悟ったか。おせえよ。
ならば!
【スイチクン。今いいか?】
念話だ。情報戦こそ最重要戦略の1つ。これ基本。
【は、はいっ。兄様。大丈夫です】
うん。スイチクンでもびっくりするよな。索敵中だしな。
【敵の状況はどうだ? 他にも人間は居たか?】
【は、はい。人間は少し居ましたが、問題ありませんでした】
お、おう。なんかスイチクンが逞しい。やはりレベルで人格まで変わって行くのだろうか。ラナの弟だけに、雄とはいえ無碍に出来ない存在。天使ではない。
【そうか。なら、こちらの2人の仲間は居ないのかもしれないが、引き続き索敵を頼む。無理はしないようにな】
【は、はいっ。分かりました】
あっ、そうか。スイチクンには『すんなり解体ナイフ』を持たせてあるんだった。普通の人間であれば少数なら問題ないんだな。よしよし。順調だ。
コボチャンと念話できないのが残念だが、寝ん話はしてるしな。ぎゃうんぎゃうん言われてるだけだけど。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
さて。
どうやら、この先の少し開けた十字路で迎え撃つ作戦のようだな。俺の存在に気付いてるかどうかは気になるが。まだナニもしてないし、盾のお陰で大丈夫だと思いたい。
不意打ちこそゴブリンの真骨頂。こっそり毒ナイフをプレゼントしちゃうぜ? ぎゃっぎゃっぎゃっ。
【ファイチクン。どうやらこの先で動いて来るようだ。2手に別れて攻撃してくると思うが、ファイチクンは右手に展開した奴を対処してくれ。
俺は左手に展開した奴をやる。いいな。俺の方は気にしなくていいからな。あくまでも右手の奴に集中してくれ。背中は俺に任せろってやつだ。魔法も通さないつもりだから安心してくれ】
【は、はっ。御意】
ふっふ~ん。念話は便利だな。いきなり盾の後ろでグギャグギャ言ってたら怪しまれるだろうし。
本当は、もっと格好よく言いたい台詞だったけど、俺には無理だった。仕方ねえよな。ゴブリンだし。
さっきまでの魔法なら、土魔法のクレイウォールを展開させれば防げそうな威力だったし、水魔法のウォーターウォール、ジェットウォーターもある。多分、何とかなるはずだ。
それにヒールもあるしな。ダメ元で言ってみた。だから格好よく言い切れなかったんだろう。背中は俺に任せろ! と。ゴブリン正直者。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
さて。イメトレ完了。ゴブリン VS 魔法使い。字面にしたら、負けそうだぜ。
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