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俺のダンジョン
しおりを挟むダンジョン・メイクはちょー楽しい。どれくらいかって言うと、セックスくらい。もっとかな。セックスは相手にも依るし、体調やシチュエーションにも依るだろう。何回目とかもな。
しかし! このダンジョン・メイクは、そんな不確定要素の多いメイク・ラブとは違って、DPさえあればと言う前提はあっても、妄想し放題。
それはセックスも一緒だが、作りたい放題。自分の思い描いた通りのダンジョンが出来上がって行く。子供じゃそうはいかんだろう。いくら孕ませ放題であってもな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
妄想が形になるんだぜ。実際に現場を見ながらでも出来るし、ダンジョン・コアに触れながら、モニターを操作するだけで出来て行く。こんなゲームもあったけど、それが目の前で展開されて行くんだぜ。これはセックスとは違った興奮、遣り甲斐がある!
それが、ダンジョン・メイクだ!
双方いいもんである事は間違いない!
セックスも! ダンジョンも!
はい。次の階層です。
地下2階。湖。
こここらが本格的なダンジョンだ。
階段を潜った先は湖の中。下に下りたはずなのに、浮かんだ先はかなり上になる。水深15メートル。出来たんだからありだろう。そんなファンタジー仕様も素敵だね。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
レベルを上げてれば肺活量も上がるだろう。かなりヤバイとは思うが、俺には無理だろう。甘くはないが、海女さんなら余裕かな。
そんな深さにしてみた。酸素ボンとか、潜水用の魔道具があれば簡単かもしれないが。やっぱりDPは高かった。くっそう。
魔物もDPで買えるから、当然この湖の中には嫌らしい魔物が居る。ぎゃっぎゃっぎゃっ。当然じゃん。クリアさせる気なんてねえんだからな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
言っても、ワニとかピラニア、電気鰻系。それと、ダーツみたいに飛んで行く細長い魚も居たから、大量に設置してみた。
こういうところはケチっちゃダメ。それくらいは分かるゴブリン。容赦なんて一切しねえぜ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
勿論、それぞれに狂暴で、共謀も出来る。この細長い魚なんて、刺さるし鱗もおろし金みたいになってて触ると削れちゃうよって奴。名前はもう忘れた。ゴブリンだしな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
俺って優しいじゃん。なぜ湖にっていうのは関係ありません。だってここはダンジョンなんだから!
設置するのは魔物、出来たんならありって事さ。ダンジョン・マスターが作る世界。
それが、ダンジョンだ!
で。直ぐ上に上がると島があって、そこにはパルテノンの神殿みたいな建物が。
中に入ると台座があって、そこには腕輪が1つだけ置いてある。
『次層への転送腕輪』って説明プレート付き。なんて優しいゴブリンなんでしょう。分かり易さも必要じゃん。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
この腕輪の外側には、それらしくナニかをはめられる窪みが4つあって、内側にも1つ小さな窪みがある。
そのナニかを探してこの階層を探索せよって感じだね。分かり易い!
でも、そのナニかは、この島にはない。あるのは、この危険な湖を渡った先に見える陸地だ。しかもそれぞれに分断されていて、一々湖に入らないと渡れないようになっている。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
面倒くせえよな。俺なら諦めて帰るだろうな。帰るのも大変だとは思うけど。ぎゃっぎゃっぎゃっ。あー。面白い。
このフロアは拡張させており、結構な距離がある。中心の神殿のある島からそれぞれの陸地まで、5方向に3kmはある。それぞれの陸地もそれくらい離れている設定。
しかも、ちゃんと中ボスのワニも設定してるぜ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。それを倒すと宝箱が現れて、中に『宝玉ちっくなガラス玉』が入ってる。
落とすと割れるぜ。当然だろう。日が変わらないとリポップしないから注意だぜ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
玉のカラーリングは勿論変えてみた。ゴブリンに玉はないからどうでもいいな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
宝箱には罠も設定済み。これも当然だ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。誰が簡単に物をやるかってんだい。俺はせこいゴブリン。金目の者はナニもやらん!
罠にも拘って、毒ガスなんかは当たり前。蓋を開けても作動しないけど、『ガラス玉』を取り出すと起動。
ちなみに、起動させないと取り出せない仕様。だから毒ガスを必ず食らう必要がある。ポーションとか聖魔法が使えれば大丈夫だがな。即死の猛毒なんて、DP高過ぎてゴブリンには無理! ちっ。残念。
だが!
なんとか無事『宝玉ちっくなガラス玉』を5つ集めても、当然それで終わりじゃねえんだな。これが。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
どこにどうはめてもいいけど、1つだけちょいと小さい黒いガラス玉は腕輪の内側にはめる仕様になっている。他は皆同じサイズだからどこでもいいって訳よ。
で。これで次の階層に行けると思うじゃん?
ところがどっこい。甘いな。海女さんか?
全部はめて魔力を流しちゃうと、黒いガラス玉から毒針が飛び出す仕様なんだな。これが。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
黒いのはフェイク。最後の罠な。まさか中に毒針が仕込んであるとは思うまい。ぎゃっぎゃっぎゃっ。わなわなすればいいってか。罠だけに。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
鑑定でもすれば気付くだろうが、1人くらいは引っ掛かって欲しいぜ。頼むで、しかし。敢えて黒くしたんだからな。見難いように。醜いゴブリンだけに。ぎゃっぎゃっぎゃっ。ぐぎゃあ~
しかも!
この腕輪は1人用。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
そう。次の階層に行けるのは、1人ずつってか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。あー。楽しい。
ちょーーー面倒だろう? ぎゃっぎゃっぎゃっ。ゴブリン、笑い死にしそうだぜ。こんなん最高じゃん。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
パーティで攻略するなら、皆の分を1から集め直し。また湖を渡り直しってか。必要なガラス玉はランダム再配置だから、かなりの確率で黒の外れ玉を引く事になるだろうな。俺からすれば大当たり。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
しかも、腕輪も中ボスワニも、日付けが変わってからしか再設置されないから、先に行った奴は暫く次の階層では1人で過ごさないといけないって訳だ。何日掛かるか知らんけど、当然簡単にはイけんわな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
そんな事は俺のダンジョン内ではさせないぜ。専用スペースと俺以外はな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
どんな職業の奴かは知らんが、文字通り逝くって事になるかもな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。嫌らしいダンジョン設計大好きゴブリン。こんなの序の口だぜ。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
時間がないから次だな。
ここは要の階層でもあるから、ポイントが貯まったら魔物をいっぱい配置しよう。そうしよう。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
地下3階。砂漠。
勿論、ここも拡張しまくりの大砂漠。しかも全壁面は鏡張り仕様。永遠に続くと思っちまうってか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
あ。上から転送される奴は、勿論ランダムだぜ? どこに転送されるかは分からない。だから、無事に合流できるかも分からない。あー、なんて過酷な砂漠地帯。
戦闘力だけでなく、異次元収納とかないと辛いかもな。ずっと猛暑の砂漠だし、夜は真っ暗で、勿論氷点下。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
凍死も辛いよな。DP投資もそれなりに掛かっちまったぜ。ゴブリンみたいに無制限で掛けられればいいのにな。残念だ。それは俺の精子の話か。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
それっぽいピラミッドは幾つか作ったけど、その中には宝箱なんてなし! あるのは魔物と汚物だけってか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
それぞれにスタンプ・カードとスタンプは置いてあるぜ。全部回ってスタンプ押さないと次の階層には行けない仕様。勿論、1人ずつな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。あー。嫌らしい。
スタンプ・カードは何処かのピラミッドに1枚しかないぜ? そしてスタンプは持ち出せないぜ。当然だろう。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
ここでも運が試される。うーん。ナイス!
今はポイントが足りないからピラミッドにまでやべー罠は設置出来ないけど、そのうちスタンプ押したら崩落するって罠を仕掛けてやるぜ。スタンプ・カードの期限は3日以内とかな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。あー。楽しみだ。
魔物は勿論盛り沢山。だって安いし、バーゲンセール中じゃないけど、ボーナスタイム中だから割引き中。ならば買うしかないでしょ。今!
ワーム系、ムカデ系、マミー系。蝙蝠なんかも居たから買っといた。
蝙蝠は、上空から状態異常の超音波を出せる魔物。あと噛み付き攻撃もある。血ぃ吸われるぞ。俺は無理。
大した威力はないみたいだけど、昼夜関係なく弱った体で浴び続ければ? ちょっとずつでもダメージを与え続けられれば?
やっぱそれなりに効くんじゃないのかな。俺はそう思ったから買ってみた。
ここで1人ずつ皆殺しにする階層。俺に挑んで来た奴を逃がすつもりはねえ。危険な奴は早目に処理するのが1番だろう。
バンクンにも見せてあげたいが、買った蝙蝠を持って行かれる事はないと思いたい。頼むで、しかし。
ここにこそ、ボス級の魔物が欲しいが今は無理。残念過ぎるぜ。股に期待だな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
地下4階。洞窟の大迷路。
ここも拡張しまくり。拡張しか脳のないゴブリンじゃありません。罠をすっげー沢山設置した。俺が使えるスキル、魔法なら安いからってのもあったけど、罠って結構安かった。ダンジョンの基本だからかな。
強制最下層転送なんてもんは流石に高かったし、そんな絶対的強者な魔物は買える訳ないから設置しないけど。いつかはやってみたい罠ではあるな。
魔物部屋、モンスター・ハウスなんてのもあったけど、そんなの要らねえ。地道にこつこつ削ってく方が嫌だと思うから。食料問題とか、終わりの見えない大迷路とか、俺なら勘弁して欲しい。
気候も弄れるから、数時間おきに温度差を付けたり、雨や嵐、雪なんかも降らせちゃう。外で見てる分には楽しそうだけど、実際に食らったら死ねる自信がある。迷路だけでも嫌なのに、更に気候で攻める。
ここには魔物はレイス系のみ。迷路にレイスって、嫌じゃね? 壁なんて関係なしに襲われるんだぜ。俺だけか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。お化けは怖いよな。ぐぎゃあ~
勝手な妄想で、貧弱な聖魔法使いがここまで生き残れるか。それかそういう効果が付与された武器がなければ厳しいだろう。あとお化け耐性な。俺は無理!
そもそもゴール自体も隠してるしな。次の階層なんて、ヒントはないとダメらしいから、それなりに各所に散りばめたけど、謎を解かないと掘り起こす場所は特定できないはずだ。
だってそういう仕様だから。ぎゃっぎゃっぎゃっ。頑張って掘って欲しい。雄同士じゃなくてな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。そんな機材持って来てるかな。土魔法はレジストされるぜ? 教えねえけどな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
地下5階。草原と岩場。
ここには、俺の軍団を待機させる事にした。階層の置き換えも出来るし、増やした時の階層指定も出来る。だから今はここ。
これからも増えて行くだろうから、村っぽいものを作ってみた。ゴブリン集落だ。そのうち町に発展するだろう。やる気満々だし、まんまんも増やせるみたいだから。
ゴブリンやったぜ。
雌も買える。いや。言い方がよくないな。結果は同じでも、DPで設置できるって事だ。やる事は変わらんか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
DPで設置した魔物がダンジョンから出るには、それなりにレベルを上げないといけないらしいが、対外決戦手段、『ダンジョン・スタンピード』なる事が出来るようだ。久し振りだけど、ヨーダじゃない。最早、懐かしい。
ダンジョン・スタンピードは、知ってる人は知っている、お決まりの魔物の行動。モンスター・パレードなんて言い方もあるようだが、パレードて。って突っ込みたくなるゴブリン。
華やかでもないし、お祝いでもないっつーの。そんなにいいもんじゃねえだろうがよ。魔物目線なら知らんけど。
やっぱ日本語は難しいな。おっさんには理解に苦しむ造語がどんどん受け入れられてくぜ。まあいいな。そんな人類は滅んでしまえばいいぜ。おっさんを馬鹿にするなってな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
あほは死んでも治らない。ゴブリンに生まれ変わっても下衆は下衆。ぎゃっぎゃっぎゃっ。ぐぎゃあ~
あれ。何だっけ?
ダンジョン・スタンピードを実行すれば、レベルに関係なく、DPで設置したばかりの魔物でも外に出せるらしい。
その代わり、2度とダンジョンには戻れない。片道切符の大行軍。成果があるかどうかも、やってみないと分からない。それがDS。ゲームじゃねえってか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
勿論、俺や地上に生まれた魔物は、俺の指先1つでダウンだぜ? 違うか。それも出来るけど、俺がマスター・ルームから指示すれば、結構自由に行き来できる仕様。
部外者の出入り口は1つだが、俺の部下達には裏口もある。ダンジョンの出入り口から半径1kmなら何処でもオッケー。俺が適当に指定できる。念話も使えばより便利に。
外で仲間にしたゴブリンなら、それこそ出入りは自由自在。なんて便利な拠点。まさに手に入れるべき施設だった。これがなきゃやってられねえって思える程のものだと思う。知ってしまったら尚更に。
だからより強固に、嫌らしく、狡猾に、このダンジョンを育成して行くのだ。それがダンジョン・マスターの使命だ!
指名も出来ちゃうダンジョン・マスター。飽きたら他のゴブリンにやらせてもいい。それが、ダンジョンだ!
俺、飽きっぽいからな。外でひゃっはー出来るのはボーナスタイムだけかもしれないが、ここで引きこもるのもありかもしれないが、色々とやりながら考えようと思う。
既に不可侵時間が迫ってるじゃ、あーりませんか。そりゃそうか。
これでも結構早いと思うけど、常日頃から妄想しといて良かったぜ。俺がダンジョン作るならどうするか。漢なら1度はやった事があるはずだ。
俺は1度なんて事はなかっただけのゴブリン。まだまだ構想はあるが、DPと時間が足りねえな。あとはじっくり進めよう。
マスターはダンジョンから出られないって事はなくてほっとしたけど、流石に『コア』は持ち出せない仕様。これをただ置いて出て行くなんて事が出来て?
俺には無理!
さっきから無理むりゴブリン。それも俺。
だってこれを壊されたらお仕舞い。魔力で敵軍に上書きされてもお仕舞い。暫くは再攻略できないみたいだから、それは嫌!
俺は、俺のダンジョンを守って拡張させて、更に快適空間にするのだ!
そして、やる!!
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