待望異世界でネタスキルを選んで屁理屈と妄想でチート野郎になって思うまま好き放題に楽しく過ごして行きます(略)

復活のおたけさん

文字の大きさ
18 / 44
1. 異世界デビュー

町歩き スタート

しおりを挟む

 現在時刻は14時30分。

 っと、つい時刻を気にしてしまう。時間に追われている訳でもないのに。これと言った仕事をしたり、人と待ち合わせをしているのでもないのに。

 日が昇れば起きて、沈めば眠る。流石にそこまでではないけど、それに近い世界。ならば時間を気にし過ぎるのもナンセンス。

 この、動物の身体にとってはストレスでしかない時間の束縛から1日も早く解放されたい。と思いつつ時間を気にする俺。慣れるまでは治療が必要そうです。

 意識すればするほど逆に気になってしまう矛盾。人間て、……

 なんだろうな。



 思った程時間は経ってない。

 ユニークスキルの検証は思ったより順調で有用だったから、こんな感じで済んだのか。

 独り飲みって、思ったよりも時間が経過しないんだよね。これもあるある? 俺だけか。


 いつまで経っても長く感じてしまう習慣。本とか読んでればあっという間なんだけど。ゲームなんかやり出したら日が登ってる事もあったけど。これもあるある?

 エリクサービールのお陰で体調はすっかり健康。なんならこれから仕事をばりばり始めるって気合いを入れてもいい位。

 しないけど。

 でも、天気もいいし、時間も早いし、ちょいと町ブラ行って来ようかな。折角だし。


 この町に居られるのも3日。別に追加料金を払えばいいのだけど、それはよっぽどの事がないと負けた気がするからしたくない。決めたことは守りたい。今はまだ?


 町中はそれなりに安全だろうけど、それは暗くなる前の話。流石に日が暮れて来れば、夜になれば危険は増える。特に俺は独りだし。

 暗くなってからやる事も特にないって訳じゃないけど、夜のネオン街も行きたいけど、ネオン街に行ってイきたい。が正しいか。

 ……


 それにも調査が必要だし、いきなり来た町で、何の情報もなくそんなお店には行けません。何度ぼったくられた事か。

 いや。それは日本に限らず、他の国でもそうだったし、危険な店も多いから。この理論はどんな世界でも通じるはず。例えそれが剣と魔法のファンタジーの世界でも。

 ポン引き、立ちんぼ要注意。強引な勧誘とかしつこい客引きなんて問題外。出来れば即処罰してやりたいレベルの話。

 くっそう!

 落ち着け。

 立つのはちんぽの方。

 ……


 店選びは、言ったら宿選びよりも気を使う。

 成功するかしないかは、やっぱり俺次第。性交しに行く場所なんだけど。交わるのは上半身だけって店もあったりして。

 店名だけで決めて後悔した事も、逆にどはまりして通った事もあったけど。ネットのお陰でそんな店は直ぐに公開されてオーナーは後悔するケースも多くなったけど。

 実際は雇われ店長が変わるだけ。あと店名も。サービスも?


 奥が深くて不確定要素も多い夜の大人の遊び。それが下のネオン街。

 あくまでも個人的な感想と偏見です。

 だから情報収集。これ基本。

 さあ。行くのだ!

 抜くのだ! イクのだ!


 宿屋の受付け、フロントで鍵を預けて外へ出る。さっきの可愛い猫耳ちゃんは居なかった。

 別に何かを期待してた訳じゃない。ちょいと見て癒やされようと思ってただけなのに。ちょっと残念。交代の時間だったのだろうか。

 同じけも耳でも、可愛い女の子と野郎とじゃ大違い。それをしっかり認識させてくれてありがとう。もしかしたら父娘かもしれないし、特に思う所はなかった。

 受付けも専属だったらいのにな。なんて思っただけ。



 この町では、特に迷子になる心配はない。それなりに広いけど、町の中央には大きな時計台があり、建物を避ける事が出来れば大概目に入る。

 そこを中心部として大通りが東西南北に伸びているので、目当ての区画には迷わず行くことが出来る。そこから先はまた別の話だけど。

 細かい店の情報は看板を見れば分かるし、透明度は低いがガラス張りになってるお店もあるので、それこそ見れば分かる。という寸法だ。


 商業区へ行くつもりだったのだか、中央に向かって歩けば必然的にギルドの建物が並んでいる。どれもでかいし、目立つ。折角だから商業ギルドに寄って行く事にした。

 冒険者ギルドと違ってテンプレが発生する要素は少ないと思われるが、それはそういう物語が少ないからであって、実際には行ってみないと分からない。


 念の為に身体強化の発動と、光魔法の身体能力向上、耐性向上の補助魔法も掛けてある。

 最初にそれぞれに魔力を使うけど、後は継続させたければ魔力を注ぎ続けるだけ。それも少量の。

 レベルが低いのもあるけど、ヒーリングリングの微回復効果があるから、必要とするのは微々たるもの。

 魔力もあるし、特に他に使う予定もない。ならば使うしかないだろう。なんなら、エリクサービールを飲めば全回復してくれるのだし。これでも経験値が稼げるなら、誰でも使うだろう。


 決して俺がチキンだからじゃない。これも自己防衛。出来る事はやっておく。後悔は後でするから後悔であって、先に出来る事があるならやっておく。それだけの話。

 大袈裟だと笑われようが馬鹿にされようが気にしない。痛い目に遭いたくないのは基本だけど、そうなった時には痛みは最低限に抑えたい。ならば当然の措置だろう。

 それをチキンと言うなら言えばいい。独りの俺には届かないだろうけど。後で部屋で反省すればいい。黒歴史はこうして紡がれて行くもの。

 よし。

 一応、気合いを入れて、いざ、中へ。

 ちなみに、エリクサービールは簡易アイテムボックスの中にはストックされてるし、何時でも口の中に製造出来るように心の準備はしてある。

 用心深いと言って欲しい。


 ……

 ……


 やや重たい抵抗を感じて扉を開けると、そこには大きなホールがあった。名のあるホテルの高級ロビーとも言える大広間。

 清潔感はあってそれなりに調度品が置かれて飾られてもいる。生け花なんかも置いてある。

 ほのかに良い香りがするような。落ち着くけど頭がすっとするような。これまで嗅いだ事のない種類の香りって事だけは分かる。あの花からの香りなのだろうか。

 花なのに、柑橘系? いや、ウッド系? いや、ファンタジー系。もうそういう事にしておこう。こんなん気にしてたら前に進めない。


 よく見れば、内部の構造は、よく観て来た冒険者ギルドっぽい感じがする。手前には大きな掲示板があって、奥には受付けカウンターがある。

 だが、個室となるように区切られたブースもそれなりにある。そこが個別の打ち合わせ場や買い取り窓口にもなってるようだ。

 それと、更に奥には雰囲気が居酒屋じゃなくて喫茶店。

 案内表示が解体場でなくて荷馬車置き場、商品受け渡し場。

 ってなってる所が違いかも。あと、訓練所とか資料室とかも無いみたい? 少なくとも案内表示は無い。俺の知識にある冒険者ギルドと比較しても仕方ないけど、なんとなく。


 扱う物が違うだけで、利用者、ギルドに所属してる人達が違うだけで、商業ギルドもギルドはギルドだ。大概の、大枠の上での仕組みはどこも一緒なのだろう。だから何だと言われても仕方ないけど、これもなんとなく。



 同業者同士の組合を1つにして纏める組織。それがこの世界の商業ギルド。部門毎に窓口は違うが、まずは総合窓口へって事になっている。

 でもその前に、折角だから掲示板の確認をしておく事にする。他の人もそうしてるようだからってのもあるけど、内容も気になるから。


 特に絡んで来る先輩商人は居ないようで安心した。でもちょっとだけがっかりしたような。1度は体験しても良かったかもしれないテンプレ展開。そんな複雑な気分で掲示板を見てみる。


 入って直ぐの大きな掲示板。各組合、この町の店、その他常時買い取り出来る品物の一覧と、その値段が表示されていた。今月との期限付きで。

 勿論、こちらが買い取れる品物の一覧もある。ここで大方の仕入れも出来る。


 基本的には、生活必需品や消耗品、小麦なんかの主食は値段の上下が少なくなるように、国内一律で同じ額で調整されている。

 その分、悪徳商人によるぼったくりや、過剰な値下げ合戦なんてのも起こり難いのだろうが、どっちが幸せになれるのか。それはやっぱりその時の立場、状況、その人の考え方に依るのだろう。

 商人としては微妙な気もするが、利益だけを求める資本主義とは違った経済活動の基盤を垣間見た。気がする。慣れてないから仕方ない。

 勿論、良くもあり悪くもある制度だと思う。俺がどうこう言える立場じゃないのも知っている。ただそう思っただけ。


 決められたルートで各地の町や村を回る行商人の募集、単発の荷運び依頼、臨時作業員の募集なんてものもあった。

 各方面への、週毎、月毎の定期便の日程まで貼り出されているとは思わなかった。

 盗賊とかが見たら襲われない? なんて思ってしまうけど、勿論その分護衛も居るし、それなりの人数にもなるので逆に安心出来るとも言える。


 俺も移動するならこれに合わせた方が安全なんだろうけど、規模とか人付き合いとか決まり事とか、それなりに面倒事も増えると思うので、多分利用する事はないかもしれない。

 途中まで金魚の糞みたいに付いて行く事はあるかもしれないけど。そういう奴もそれなりに居るのだろうし。俺は気にしない。糞は誰でも必ず出る物だから。

 付いて回るかどうかは、……。人次第? 環境にも依るだろう。あれは水中だから、……

 止めます。


 アイテムボックスのレベルに応じた求人、仕事もあった。

 容量拡張レベルが3以上必要とか。
 時間調整レベルは無関係とか。

 俺のは『簡易』が付くアイテムボックスなんだけど、何処にも『簡易の場合の要件』は見当たらなかった。

 まあ、ちょいと劣化版のアイムボックスって認識で間違ってないはずだか、なんか寂しい気持ちになった。両方共レベルは5だから、多分ここの依頼は請けられる。はず。

 こんな金額じゃ請ける気はないけど。


 この掲示板の依頼を利用して行商するもよし、情報を集めて品薄商品を狙って稼ぐもよし、そんな事は気にせずに適当に日用品や消耗品を売り歩くもよし、高価な装飾品や魔道具なんかを取り扱ってもよし。

 それは本人の自由。勿論、全て自己資金、自己責任の上での事。リスクを取って儲けを増やすか、細々稼いで食い繋ぐか。それも自由。商売って怖いよね。


 自由の反対語は、不自由? 束縛? 専制? 統制? ……

 考え方も人それぞれ。生きる自由は死ぬ自由。これも受け止め方次第。自由には不自由が伴うもの。

 安全に生きて行く為には、所属する国の法律は遵守する。だけじゃない。最低限社会のルールには従い、組織の決まりは守り、人としての尊厳、道徳も意識する。

 こう考えるだけでも窮屈になるけど、必ずしも絶対ではない所もある。時もある。

 難しく考えずに、なるべく命の危険が無い範囲で、それでいて楽しめそうな方向で進んで行こう。


 なんてがっつり考え込んでしまったけど、取り敢えずいい加減に受付けに行こうかな。なんとなく視線も気になるし。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...