待望異世界でネタスキルを選んで屁理屈と妄想でチート野郎になって思うまま好き放題に楽しく過ごして行きます(略)

復活のおたけさん

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1. 異世界デビュー

クエスト結果と反省

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 あんなに長かったクエストまでの準備だったのに。覚悟も決めて、妄想フル活用で気合いを入れたのに。

 やっぱり町中。暗くてもそれなりに安全だったのですね。重度の臆病者でごめんなさい。

 入町料払ってるだけの事はある。警備隊員の皆さん。ありがとう。今後は喜んで払っちゃう。


 まあ、裏道を使わずに、近道とかも考えず、大通りでも端を歩かず、周りを気にせず静かに息を殺して速やかに歩いて来たのも良かったのだろう。

 チキンだからこそ出来た技。生きてるもん勝ち。無傷無血帰還クエスト、達成です。やったね。


 ぶっちゃけ、何だかんだで、直ぐに着いちゃった。宿に。

 そりゃそうだ。人通りも無いし、迷う事もなかったのだから、大人の足ならこんなもの。ちょっと薄暗くて怖かっただけ。

 子供の頃の、身内でやったお墓での肝試しを思い出しただけ。怪談を散々聞かされた後で。あれは怖かった。今も昔も決して粗相はしていない。いっぱい出しといて良かった。


『寛ぎの宿 猫の尻尾亭』の看板を見た時には、正直者泣けて来そうだった。泣いてなんかないけど。しつこいけど、息子も泣いてない。

 ただ、宿で店番やってた店主のおっさん猫に、「気持ちは分からんでもにゃいが、にゃんて格好してやがるんだにゃん」

 なんて言われてしまった日には、つい、唖然としてしまった。お前が言うなー!

 勿論、心の中で叫んだだけ。あの可愛い女の子だったら嬉しかっただろう。現実はこんなもの。


 やはり過剰装備だったみたい。町中だし。夜中だし?

 でも、流石に『黒鋼の魔戦棍』を担いでたのがいけなかったみたい。あまりにも軽く感じたし、棒術:LV3のお陰で、棍がこんなに手に馴染むとは思わなかった。こんだけに。

 俺の相棒、息子とも言う戦棍並みに馴染んだね。しごいてはない。


 仕事でもそうだけど、準備が全てって時もある。事前調査、事前打ち合わせ、準備準備。これだけしっかりやっておけば、後は動くだけ。ね。そんな事もあるでしょう。

 まさにそれだった訳です。いや~。良かった良かった。

 こんな黒歴史なら安いもの。命って大事。同じ過ちを繰り返さぬよう気を付けよう。

 さ。寝よう。

 安らかに。


  * * *


 朝日が眩しい。

 この世界での筆下ろしを無事終えたせいだろうか。命の温かさを感じているからだろうか。満足だ。

 朝食は相変わらず薄味過ぎたが、これも生きてる証拠。食べられるだけでも有り難い。ありがとうございます。

 俺は謙虚に生きて行こう。勿論、出来るだけ。という添え言葉が付くが。


 そして、朝から仕出かした。事もないのだが、ちょっとだけ恥ずかしい思いをする事になった。

 この宿の可愛らしい猫耳受付け嬢に言われてしまったのだ。

「おはようございます。あれ。何か良い香りがしますね。香水? 石鹸? 甘い感じがしていいですね」

 なんて。

 これはあれだ。あれ。まさしく『ソープ・オブ・ソープ』のソープだ。結構いい石鹸使ってるって言ってたし。クリーンは掛けてくれたけど、香りまでは取ってない。

 強めに掛ければ取れるのだが、嫌じゃなかったし、この香りに包まれて眠るのもまた一興。そう思ってそのままにして来たんだった。

 そこで思い出したのが、昨晩のクエスト。この匂いでバレちゃうじゃん! 実は駄々漏れだった件! 体隠して匂い隠さず。やっちまったか。

 いくら認識阻害されようとも、気配を隠しても、匂いは消せてない。俺ってアホやね。


 そこでも恥ずかしかったけど、可愛い猫耳受付け嬢に風俗行ってたって言う訳にもいかないし。5回も出しちゃった。って、テヘペロする訳にもいかないし。

 この娘にも舐めて欲しかったけど、誤魔化すのがとっても恥ずかしかった。行商人やってて良かった。色々商談してたからって事で乗り切った。乗って来て欲しかった。


 当然、昨晩店番やってた店主は分かってたのだろうが、そんな事は言ってこなかった。猫だけに、鼻も人間よりはいいのだろう。

 あれ。猫が優れてるのは、聴覚だっけ? 嗅覚は犬。聴覚は猫。だったような。

 ま、まあ、人間よりは優れてるのは間違いない。猫人族だけど。似たようなもんだ。女の子だけが可愛く見えるのが違うだけ。


 気を取り直して、ファウステンシステンの町の町歩き。スタートです。



 ~~ サイド:??? ~~

 この町の花街には、客に紛れて定期的に巡回警備する組織があった。裏の組織とまではいかないが、花街に関わる者の総意によって作られら自警団のような組織。消防団よのうなもの。

 花街の治安の維持こそ自らの商売に直結する重要案件として行動していた。

 独特のものなので、この世界の『一般教養・一般常識』には無い知識。


 実際に、モルトが感じていた視線は、その組織に属する者達からのものもあった。そうではない者達からのもあったのだが。

 夜の遅い時間になると、受付け終了時間になってくると特に多く配備される事になる。逆に、花街を外れた方が危険な位だった。


 警備隊員も巡回はしているが、町の規模もある事から、遭遇する頻度は圧倒的に少ない。だから、そこを突いた物取りなんかも居るには居る世界。

 酔っぱらいを狙ったり、無用心な独り歩きを狙ったり、女子供を狙ったり。目的は様々だが、隙が有れば襲ってくるような輩は何処にでも居る。特に裏路地や貧民街には注意が必要だ。

 それは知っていたので、怖がってはいたが見事に回避した結果となった。


 ちなみに、モルトの行っていた武装、スキルの発動は、身体強化、光魔法の補助魔法まで発動させていたのだから、中級の冒険者のそれに当たるレベルの代物だった。

 装備に関しては、どれも魔法付与付きの特製品である為、一般的に売っている武具よりもレベルは高い。


 モルトの身体レベルは、年齢としては一般的だが、もしもそんな輩に遭遇していたとしても、びびり過ぎて動けない。なんて事にならなければ、その武力で圧倒していた事だろう。

 所詮そのレベルの輩ばかりなのが町中のごろつき。本当にヤバイ連中は、町には入れない。


 そんな連中に気配遮断術:LV3を見破れる訳がないのだが、確かに匂いは漏れていただろう。風俗店特有の甘~い香りが。

 だが、更に結界石まで使っていたのだから、薄暗闇の中でモルトを発見出来る者など、余程のレベルの冒険者、警備隊員、匂いに敏感な獣人族くらいしか居なかっただろう。

 目的を持って、良い匂いが動いている事に疑問を持つ者がその場に居たのなら、だが。


 だから、護り石のペンダントも何も反応しなかった。危険となるような不穏な気配が感じられなかったから。下の危険はあったのかもしれないが。主に花街で。

 実際に、自警団のメンバーも、モルトがそれらを発動させた時点で認識出来なくなっていた。

 スキルレベル5。これがこの世界で一人前と言えるレベルの指標。諸説有り。

 
 あれを冒険と言えるかどうかは置いておいて、そんな状態で町中を歩いていたのだ、無傷無血は当たり前。つまずいて転んだりしなければ。

 実際は、ミッションでもクエストでもない。大人の夜のお使いレベル。過剰防衛付きという所も同じだった。行った先の目的に年齢制限が掛かる話であっただけ。致した内容も。

 ~ ~ ~ ~
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