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1. 異世界デビュー
町歩き3日目 スタート
しおりを挟む今日やる事は決まっている。
朝っぱらから花街行ってやる訳ではない。その『やる』ではない。昨日5回もイったとは思えない。既に元気はつらつ。俺の体は、こっちの世界でかなり活性化してしまったようだ。
有り難い。実に素晴らしい。気分も爽快だ。そうかい? ありがとう。
……
自分独りでも出来るけど、花街行った方がより楽しめるけど、それも悪くはないけど、そういう生活は、何もしなくても所謂、不労所得なるものががっぽがっぽ入ってくる体制を整えられてから。
そうすれば、ナニもしなくてもナニしたくなる。ナニがとは言わないが。男なんてそんなもの。
そんな日が来るのかどうかは、勿論、俺次第。行商人やってる内は難しいだろう。ネタがない。
抜く為のネタなら、かなり膨大な量の動画が保存されているのに。脳内メモリーに。当然か。だからあまり人の名前を覚えられないのかもしれない。
そんな事ばかり考えてるから簡単に騙される。これ、経験則?
かと言って誰かを殺る訳でもない。やる事はいつも1つ。とは限らない。そんなに甘いものじゃない。独りなんだから、何でも自分でやらないといけない。
ここが独りの辛さでもあり、面倒な所。この世界での独り身の自由は、時間の不自由でもある。代わりにやってもらうにも、それなりに金が要る。それは何処の世界でも同じか。
携帯電話なんて物は無いから、その分足を使って動く必要がある。誰か作ってよ。あれがない生活は、本当に不便です。錬金術師さん。頑張って。仕組みも構築の仕方も知らないけど。
まあ、俺はまだマシなんだろうけど。独りなんだから。電話帳の登録件数0。寂しいね。実際に家族も仲間も居ないし、恋人なんて、……
暫くは、この両手が、……
町に行けば、お店が……
簡単に情報が得られないのも厳しいと思うけど、皆そうだから仕方ない。便利過ぎる生活に慣れてただけに、このギャップはきつい。
お店を予約するのも、アポイント取るのも足を運ぶ必要がある。やる方もやられる方も堪らない。
これが標準なんだけど、文化に依ってはそういうお国もあったけど、基本は、ビジネスは礼儀があってこそ。そんな教育を受けて育ったから、これは慣れるのに時間が掛かりそう。頑張ります。
人が雇えるようになって、こういう所を任せられるようになると嬉しいけど、当面は独りで動くつもりだし、そんな簡単な事でもないから、健康の為にもしっかり歩きます。
メタボよさようなら。そう考えて動くしかない。これはこれで有りかも。でも、自転車とまでは言わないけど、ローラースケートとかは欲しいかも。
でも、地面が平らじゃないし、滑らかでもないから余計にきついか。残念。
明日にはこの町を発つ予定だから、今日中に準備を整える必要がある。料理の買い足しと、西へ向かう商団があるかの確認。
危険の有無は勿論だけど、仕事の依頼があるかの確認も。そして、エルフの夫婦、グリーンリー夫妻がやってるポーション専門店に行かなくちゃ。
顔を出す約束してたし、必ずまた来てちょうだいねとまで言われてたし。待ってるわよ。なんて嬉しい言葉を添えられて。
人妻じゃなければ恋に落ちてた案件。顔だけで判断しちゃいけないけど、男なんてそんなもの。先ずは顔。そしてスタイルと続き、最後は性格を確認して行く。
性格に関しては、前者の2つでかなり補正も入るから当てには出来ない項目。男は辛い。俺だけ?
あっという間に商業ギルドに到着。そうでもなかったか。
商業ギルドは、受付けに力を入れてないようだ。非常に残念だ。冒険者ギルドは、大概可愛い受付嬢を揃えてるってのが定番なのに。確認してないから実際の所は知らないけど。
もしそうなら、所属ギルド変えちゃうぞ。なんて。そんな度胸もないくせに、ちょっと強がってみました。ごめんなさい。
でも、今日は野郎しか居ないようだ。なんでやろう。野郎だけに。
……
掲示板の確認するだけでいいや。と、速攻でやる気をなくす俺。それも仕方ない。男の原動力なんて、半分以上は女に関係してるもの。あとは金か地位かその他の欲望か。碌なもんじゃねえ。
その原動力を削がれてしまっている以上、ここに長居は無用。
西へ向かう商団は、……。おう。無いみたい。東なら明日あるんだ。そうか。東かあ。
なんか違うな。この勘が役に立たない事は知っている。まだ何の検証も出来てないのに、勘が当たるかどうかなんて。
それこそ何百回も繰り返し検証してこそ見えて来るものがあるかないか分かるもの。それでも見えるかどうかすら分からない禅問答。深い。
変に仕事を請けるよりは、まずは気楽に旅しながらの行商人生活を送りたい。だから、やっぱりここはスルー。スルーするー事にします。横棒が1つ多かった。
可愛い奴隷の女の子達限定で、しかもイチャイチャしながら隣町までの輸送依頼。報酬はお気に入りの子を1人プレゼント。そんな依頼があったらいいのに。
あったら既にここには貼ってないか。残念。
特に魔物なんかの注意喚起もなさそうだ。いつまでも平和であって欲しい。
よし。ここにはもう用は無い。実際に雰囲気を味わえた事でよしとしよう。結局テンプレは何もなし。行商人のテンプレって何だ?
……
どっちかって言うと、襲われる側? そして主人公に助けられる側。う、うん。それしか知らないかも? 今思い付かないだけかもしれないけど。
それか、逆に俺がやっちまえばいいのか?
おっさんだけに、若くて独りできょろきょろしてる奴とか見掛けたら、ちょっと声を掛けて脅しちゃう? 注意喚起の為にも、今後の為にも。
好みの女の子を連れた2人組みでもいいのか。ぐへへへへとか言いながら近寄って行けば事態は勝手に進展するはず。
そしてこてんぱんにやられる俺。そんな役回りを演じてみようかな。時間はあるし。
ふむ。
やる訳ないじゃん。痛いの駄目だし、格好悪いし。
そんな好みの女の子が居たとして、そんな方法で手に入れたい訳じゃない。昨日金を払ってやっておいてなんだけど。それに、入れたいのは息子。手も入れてみたいけど。意味と場所が違う。
さ。更にアホな事を本気で考え出しちゃう前に次行きますか。
初日に通った道順を進んで行く。夜と違って怖い雰囲気はないのだが、目的地までの最短コースなのだからそうしてるだけ。まずは目的を片付ける。これ基本。寄り道は許容範囲。
偶に何が目的だったか忘れる事もある。それは玉にナニが目的だったか聞いてるようなもの。これも禅問答?
道すがら、旨そうなのを売ってる屋台に関しては、取り敢えず購入の方向で。このマジックポーチの限界を試したい。今のところ底は見えていない。実際に底も見えないし。
マジックだけに、どんな反応を示すのか。ぱんぱんになって入らなくなるのか、それとも形状はそのままに突っ込んでも入らなくなるのか、何かしらの意思を持ち主に伝えてくるのか。
使用者制限と時間停止機能まで付いてて、ポーションなら300本は余裕で入るのと聞いてたけど、詳しい事は使って確かめてって言われたけど。
今向かってるポーション専門店で買ったのが初級、中級、上級合わせて249本。持ってた分が初級、中級の12本。合計261本入っていて、更に広場の屋台で買ったお肉類もそれなりに入っている。勿論、調理済みの温か状態で。
簡易だけどアイテムボックスもあるから、二重使いで便利に使ってる訳だけど。ポーションや食料なんかを中心に収納しておこうと思ってるのだけど、もしかしたらこのポーチ、とんでもない容量があるのかもしれない。
なんてあるある設定だったらいいな。なんて思いながら絶賛収納中。旅の途中で食べるのが楽しみだ。
お店から棚を突き出して並べられた果物なんかもあったから、おやつとか、移動しながらの間食にも良さそうだから、ついでに色取り取りのリンゴっぽい果物も購入。
色に依って少し味が違うのがポイントのアップルゴ。アップルとリンゴが混ざった感じ? もうリンゴでいいと思う。見たまんまリンゴだし。
赤、青、黄色、緑、ピンク、薄紫。各10個ずつ。するとオマケが各1つずつ付いてきちゃう親切設定。この売り子さん。お姉さんって言葉に弱かった。本当はお……
お、おお。やっぱり綺麗なお姉さん。その昔はって事にしておこう。妄想は自由だ。ありがとう。
やって来ました、ポーション専門店。店名がないからこう呼ぶしかない。
ポーション専門店だけに、お客もそれなりに。やはり需要はあるようだ。冒険者っぽい方達や、子供もご来店?
ああ。荷物のお届け依頼か。薬草とか運んで来たのだろうか。麻袋や木箱なんかも2人ずつで持ってる。
なんか微笑ましい。こんな子供達も頑張ってるんだ。俺も頑張らなくちゃ。1度くらいは冒険者ギルドを覗いてみようかな。なんて思わせてくれる。
大きくなっても、そこの厳つい兄ちゃんのようにはなって欲しくない。そんな願いは届くのだろうか。
忙しそうだな。今日は受付けは1人でやってるのか? あれは、……。あの話し方は、旦那さんの方か。
身長の違いがあったので、2人が並んでいれば直ぐに分かるのだが、ぱっと見た感じだけだと、正直どっちか分からない。それくらい雰囲気が似ていた。
それはエルフだからか、似た者同士だからか、夫婦になって似てきたのか、そこは分からないけど話し方で分かる。
あれは間違いなく旦那さんのケビンさん。
丁寧で優しく語り掛けてくるかのような心地よさすら感じさせてくれる。あんな男ならモテるのも理解出来てしまう。悔しいとか言う以前の完敗ってやつ。これを分かってくれる奴等と乾杯したい。
一方の奥さんのクリスティさんは、最初は普通に感じの良い店員さんかと思ったのに、丸薬タイプ、錠剤タイプのポーションの話をした途端に変わったのか、それが素だったのか。
営業仕様を忘れる程に興味のある対象にスイッチが入ってしまったのだろう。急に距離を詰めて来られた感じで、綺麗な顔してるから全然嫌じゃなかったけど。
時にはぶっきらぼうになったり、時には器量のいい女将さんちっくになったり、所々にツンデレ入れてみたり、それはそれは本当に旧知の仲のような対応をされた。
俺もそれなりに楽しかったけど、容姿の整った綺麗な人達と、誰もが美しいと思うであろう女性と遠慮もなく間近で話す事が嫌いな人が居るだろうか。
居るか。苦手な人は相手が誰であれ話すのは嫌だろう。失礼しました。俺も、ぐいぐい来る感じの人は苦手だ。美しかったから堪えられただけ。
で。違いは大違い。だから分かる。あれは旦那さん。
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