SAND PLANET《外伝》 ~はじまりの兄弟~

るなかふぇ

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第一章 ひめごと

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 最初の夜は、あのアジュールでさえもちょっとおっかなびっくりだった。
 でも、それ以上にフランの方がテンパってしまっていて、一体自分に何が起こっているのやら、ほとんど理解できていなかった。

「ん……ん。アジュ──」

 いつものように抱きしめられてキスをされ、舌を絡められる。歯の裏や上顎の内側を舐められているうちに、脳がじいんと痺れてきてぽうっとなった。
 そのうちアジュールの手がもどかしげにフランの夜着を脱がしにかかる。
「ん、なに? なんで脱がすの」
 素肌が空気にさらされてひやりとし、フランは驚いて兄の体を押しやった。
「バカ。脱がさないでどうやってやるんだよ」

 アジュールは構わずさらに脱がしながら首筋あたりにキスをする。

「ん……や、だ。くすぐった……」
「うるさいよ。お前は」

 そのままぐいと肩を掴まれ、寝台に押し倒される。アジュールが腰のあたりにのしかかってきて、フランは目を上げた。

「な、なにするの……アジュール」

 語尾が震える。
 ほぼ同じ体格の双子の兄だけれど、こうしてあらためて見上げると少しだけ恐怖を覚えた。兄は性格的な部分で、遥かに自分よりも押しが強い。能力的にも、ものを破壊したり移動したりといった物理的な方面で優れているし、咄嗟の判断力や決断力も上だ。

 フランはどちらかと言えば傷ついた動植物を治療したり保護したりといった能力に秀でている。さらに、相手の精神や記憶を操作する精神感応の能力もある。ただしこれは兄に対しては無効のようで、相手が人間でなければ意味をなさない。
 いずれにしても、フランの腕は兄のように大きな刃に変わるなんてことはない。これまで何度もあれこれ試してみたけれど、爪がぴくりと変形することさえなかったのだ。
 教育係であるAIは「手元にナイフなどがない時のため、少しぐらいなら変形可能」と言っていたように思うのだけれど。どうも自分には、そっちの才能がまるでないらしい。

 畢竟ひっきょう、互いの立ち位置はどうしても「兄が積極的で攻撃的」、「弟が消極的で保守的」な方へとどんどん傾くことになった。
 だからこんな場合でも、相手を押し倒して力づくでどうにかしようとするのは圧倒的にアジュールだ。フランはフランで、それに対して強く反抗したことがない。と言うよりも、「する必要を感じなかった」というのが正確なのだろうが。
 けれど、この兄を怒らせるのが何となく怖かったのも事実だ。

「あっ……!」

 服の隙間からするりと手を差し入れられ、脇腹から胸のあたりへと撫で上げられて声がでる。柔らかな毛に覆われた生きものを可愛がるときのように、ただ優しく撫でているのとはどこかが違った。
 つらくはない。むしろ、ぞくりと怖いような気持ちいいような、そんな不思議な感覚が肌を伝ってじわじわと広がっていく。

 と、兄の指先が胸の先にあるものをこりこりっといじくった。
「ぶはっ……」
 思わず吹き出してしまう。
「うっひゃひゃひゃ! ちょ、やだっ……!」
 くすぐったい。フランは身をよじって大笑いしてしまってから、滲んだ涙を浮かべた目で兄を見た。

(……あ。しまった)

 兄はものすごく怖い顔でこちらを睨んでいた。
「あ。ごめ……」
「いいから。黙ってろ」
 言って兄は行為を再開した。

「な……なに? なにしてるの、アジュール……っ」

 相変わらずフランの舌を吸い上げ、耳やうなじを舐めてみたり甘噛みしたりしながら、アジュールの手はフランの足の間のものをもてあそび始めている。彼の手でいじられているうちに、そこにどんどん体液が集まっていくのがわかった。
 ぞくり、ぞくりと肌が粟立つ。背筋にぴりぴりっと不思議な波動が駆けめぐる。

「はうっ……!」

 思わずびくっと尻を跳ねさせると、アジュールが首筋のあたりでくすっと吐息を洩らした。それにすら反応して、また体が震えてしまう。
 そこを握って擦り上げられているうちに、ちゅぷちゅぷと股間から水音がし始める。驚いてそうっと覗いてみたら、自分の先端からどんどん蜜みたいなものがあふれ出しているのが見えた。
 アジュールの指がそれを先端に練り込むように巧みに動く。
 フランの腰が、兄の指の動きのままにびくびくっと跳ね上がった。

「ひっ……い!」

 腰の奥に、炎でできた蛇がとぐろを巻いて膨れ上がっていくようだった。それはどんどん大きくなり、フランの肌の感覚を研ぎ澄ましていく。
 やがて蛇は、突然フランの先端へとどっとなだれ込みそうになった。

「あっ……あ!」

 今にもそれが先端から飛び出ようとしたとき、アジュールがぐっとフランの根元を戒めた。
「んうっ……! や、あ……!」
 フランは必死で首を横に振る。
 どうにかして欲しい。その蛇を、解放して欲しくて堪らない。
 単純に尿意を我慢しているときの数倍、数十倍のもどかしさで、フランはどっと涙を零した。

「やっ……アジュ……いや、それ、やだっ……!」
 腰を振ってイヤイヤをし、必死でおねだりをするが、アジュールの手は緩まなかった。
「ダメだ。後ろを先に柔らかくするからな」
「え……?」
 そこを戒められたまま、今度はもう片方の手がさらに奥をまさぐっているのを感じて目を見開く。
 ぬちゅ、とその奥まった場所からも淫猥な音がした。
 アジュールは一度ぺろりと自分の唇を舐めると、その場所にぬぷりと指を突き入れた。

「あんんっ……!」

 フランは甘く蕩けた声を上げ、背中を弓なりにのけぞらせた。
 

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