SAND PLANET《外伝》~忘れられた惑星(ほし)~

るなかふぇ

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第一章 二人きりの惑星

6 拒絶 ※

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(ここは……)

 目だけを動かして周囲を見れば、間違いなく自分の寝室だった。
 全身がひどくだるい。体じゅうの水分が抜けきっているようだ。口の中までぱさぱさで、まるで自分が干からびた枯れ木かなにかのように思えた。が、幸いにも、先ほどまで自分を襲っていたあの熱はどうやら引いているらしい。

(……やれやれ。どうにか回復したか)

 少し頭を動かすと、額から何かがずるりと落ちた。ぬるい水の入った袋である。身動きがしにくいのは、どうやら体の上に山のように掛け布やら衣類やらが積み上げられているからであるらしい。間違いなく少年の仕業だろう。
 ギシギシと音をたてそうな関節を叱咤しつつ、ごそりと寝返りをうとうとして、男はハッとした。
 すぐそばに、自分とは違う体温がある。
 自分の体に、ぴたりと抱きついている者がいた。

(な……。まさか)

 愕然として、腕の中にいるその相手を見下ろす。
 それは、ついさきほどまで夢に見ていた少年だった。
 彼はなぜだか、一糸まとわぬあられもない姿をしている。男の体に抱きついたまま、すやすやと静かな寝息をたてていた。

(何をやってるんだ、こいつは……!)

 男は慌てて、しとねの中から抜け出そうとした。が、少年の腕ばかりか両足までもが体に絡みついていて、存外にうまくいかない。あまり激しく動いたのでは、少年が起きてしまうだろう。こんな状態で目を合わせるのは、心底勘弁してもらいたかった。
 いや、理由は分かるのだ。ひどい悪寒に襲われていた自分のことを、少年は温めようとしてくれたのだろう。それは純粋に、この少年の優しい心の為せる業だ。

 男は一度、枕に頭を戻して少年の寝顔をそっと見た。
 寝ぐせでもしゃもしゃになった髪。閉じられた両目をいろどる、金色の長い睫毛。
 まだ少年らしい顎の線。若者らしいうすい胸。
 そこにぽっちりと存在する桃色の飾り。
 滑らかそうな若い肌──。

 気がついた時には、男の手はそろそろと少年の頬を撫で、親指で唇をなぞっていた。ぷるりと濡れて少し開いたその場所の魔力。それには、到底抗えなかった。
 気がついたときにはもう、男は吸い込まれるようにして、そこに自分の唇を重ねていた。





「ん……」

 なにやら不思議な感覚がして、少年はぼんやりと目を開けた。
 朝の時間帯になればAIが適度に明るくするはずなのだが、まだ部屋は暗かった。
 自分の肌の上を、なにか濡れた柔らかいものが移動しながら触れていく。
 くちゅりと胸の尖った場所を刺激されて、少年の腰はぴくんと跳ねた。

「あっ……ん」

 先ほどよりもしっかりと目を開けると、男の体が自分に覆いかぶさっているのが分かった。
 片手を少年の体のあちこちに滑らせ、愛撫し、首から鎖骨、胸や脇腹へと唇や舌で触れている。少しくすぐったいけれど、触れられた場所がじんと熱をもち、ぽわぽわと気持ちがよかった。

「パ……パ?」

(よかった──)

 どうやら体調は戻ったらしい。そう思って、まずはほっとする。
 どうしたの、と訊こうとしたら、唇で口を塞がれた。

「んう……?」

 歯列を割って、ぐちゅりと舌を絡められる。次には唇で、ちゅうっとそれを吸い上げられた。
 男の吐息が、ひどく熱くて荒い。よくわからないけれど、何かものすごい熱をもった固くて大きなものが、自分の太腿のあたりにぐいぐいと押し付けられている。
 かり、と首筋に歯を立てられて、少年の体はぴくんと反応した。

「あ……パパ……?」

 どうして。
 なぜ、男は自分にこんなことをするのだろう。
 いつもなら、同じベッドで寝ていれば優しく抱きしめて、背中や頭を撫でてくれるだけなのに。それがとっても気持ちよくて、自分はすぐに眠ってしまうのだけれど。
 今のこれだって決して気持ち悪くはないけれど、なんだか少し怖かった。

 これは多分、自分がまだ知らない行為だ。
 男の呼吸がさらに荒くなる。
 と、少年の体を撫でていた男の手が、臍のあたりからつつっと足の付け根をたどって、両足の間にあるものへとのびた。

「ふっ……あ!」

 そこを握りこまれて、完全に覚醒した。男の手はそのまま、小さな少年のそれをゆるゆると扱き始めている。ずくんと腹の奥から熱をもった強い刺激が湧きあがってきて、少年は慌てた。
「んっ……ん、パパ、やっ……パパ!」
 男の手が巧みに扱くのに反応して、その部分をめがけ、どんどん体中の熱が集まっていく。少年は男の両肩を思い切り押し戻した。
「まっ……いやっ、パパ……!」
 が、男は止まらない。
 次第しだいに、少年の胸にどす黒い恐怖が生まれはじめる。
 この人は、あのひどい熱でおかしくなってしまったのかもしれない。いや、きっとそうだ。今の彼は、いつもの自分の大好きなあの「パパ」ではなくなっている。
 足の間に男の太い腰が割り込んできて、ぐいと思いきり開かされている。足の間からぐちゅぐちゅと水っぽい音がして、見れば自分の先端からつつうと雫が溢れているのが分かった。男の指が、それで濡れて光っている。

「ふあっ……!」

 先端を強めにつんと突かれて、少年の腰はまた跳ねた。ゆるゆるとそこを扱いていた男の手が、その根元の柔らかな場所をいじり、さらにその後ろへとのびていく。
 ぬぷりと変な感触がした。

「な、パパ……やめて、なにを──」

 何を言っても無駄だった。侵入してきた男の指がぬぷぬぷとその場所を犯している。
 そこは何かを出す場所であって、何かを入れる場所ではないはず。どうして男は、こんなことをしているのだろう。
 頭の中が混乱しきって、どうしていいか分からない。
 男の指は性急で、まったく余裕がなさそうだった。吐息がさらに荒くなる。がっと少年の首筋に歯を立てるようにして、男が覆いかぶさってきた。と同時に、奥まったその場所に凄まじい熱量のものが押し当てられてくるのを感じた。

「いっ……!」

 めりめりと、巨大な物が押し入ってこようとしている。
 少年はすっかり恐慌状態になった。

「い、いや……痛いっ、いやっ、いや、いやああああっ!」

 少年はもう、必死でもがいた。
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