墜落レッド ~戦隊レッドは魔王さまに愛でられる~

るなかふぇ

文字の大きさ
86 / 227
第五章 和平会談

16 心と心

しおりを挟む
「はあ……はあ、ふう」

 快楽の証を放出して、しばらくリョウマは荒い息をついていた。それでも魔王の膝の上からどこうとはせず、首に両腕を回してだきついたままだ。ともすればずり落ちそうになるリョウマの体を、魔王の腕が支えてくれている。
 互いの精で汚れた体や床の上を魔王の指がさらりとなぞると、そこはきれいに元通りになってしまった。

「……おお。すげえな」
「まあ、このぐらいはな」

 素直に感嘆したら、魔王はまた嬉しそうに微笑み、ちゅっとリョウマの頬にキスをくれた。
 それは「これで終わり」の合図だろうか?
 そう思ったら、急に魔王の体から離れがたくなった。それで、さっきよりもっと力を込めて彼の体に抱きついた。

「あの……あのさ」
「うん?」
「最初の、あの時さ」
「最初?」
「うん。その……もうちょっと、したじゃん」
「もう少し──ああ。あの時はかなりそなたに無理をさせてしまったものな」
「いや、ちがくて。そ、その……準備、ってえかさ。そーゆーの、したじゃん」
「準備?」

 魔王が不思議そうにこちらを見つめてきた。
 リョウマはすぐに次の言葉を発するのを躊躇して、しばらくもごもご言った。

「えっと。えっと……だから! 準備っ。う、うしろのっ……」
 「うしろの」と言った瞬間、体がまたかあっと熱くなった。
「……ああ」

 ようやく合点がいったのか、魔王が目を丸くした。非常に驚いているらしいのが、表情ばかりでなく気配からもビンビン伝わってくる。
 もう恥ずかしくてどうしようもない。身の置き所がなくてしょうがないが、それでもこれはどうしても言いたかったのだ。

「ほ、本番……の、ためには、ちゃんと準備が要るって。それ……しねえの?」
「……リョウマ」
「てか、あんたは……したくねーの?」
「…………」

 魔王は完全に驚いた目になっている。しばし言葉もなくして何度か瞬きをし、リョウマを凝視してきた。

「そなた……本気で言っているのか」
「アホか。冗談でこんなん、言えるわけねーだろ」
「……うむ」

 そうだな、すまぬ、と言って魔王はしばし目線を落とした。何事かを考えているらしい。
 それから意を決したように目を上げた。

「正直申して、ずっと前からそうしたかった。だがそなたは私よりもずいぶん体躯が小さいし──いや、怒らないでくれ。事実を申しているまでのことだし」
「わかってーよ。それはしょーがねえもん」
「ゆえに、本当にきちんと準備をせねば……そなたを傷つけてしまうゆえ」

 つまりそれは、彼がリョウマの体を思いやってくれていたから、ということだ。それだけ本気で、リョウマを大切に考えてくれていたからなのだ。
 ようやくわかった。この男は本当に本気で、自分を愛してくれている。

「ん。だからさ。準備しよ?」
「リョウマ……」

 リョウマは「ふんすっ」と胸を張った。

「もう、こうなったんだからさ。俺だってちゃんとしてえ。俺ぁもう腹くくったぜ。いっつも俺ばっかキモチよくなって、あんたはそこまでじゃなかったろ? ……そんなん、イヤだ。ぜってーヤなんだ」
「そんなことはない。私はリョウマとこうしているだけでも、もはや天にも昇る心地なのだから」
「昇んなや! そんなんで昇んなやあ!」
「リョウマ」
「んえっ?」

 突然、ぎゅっと力いっぱい抱きしめられて息が詰まった。

「愛している。リョウマ」

 耳に流し込まれてきたそのセリフに、じん、と全身が震えた。

「バーカ。俺だって愛してんよ。バカエルケニヒ」

 言ってちゅっと唇にキスしてやったら、魔王は一瞬、ほんの一瞬だけ、くしゃっと泣きそうな顔になった。が、すぐに笑いだした。

「ふふ……はは、はははははっ」
 なんとも明るい笑顔だった。
「うっひゃひゃひゃひゃっ」
 リョウマも一緒になって、顔じゅうで笑い返した。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

オメガ転生。

BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。 そして………… 気がつけば、男児の姿に… 双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね! 破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!

小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)

九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。 半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。 そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。 これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。 注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。 *ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

騎士が花嫁

Kyrie
BL
めでたい結婚式。 花婿は俺。 花嫁は敵国の騎士様。 どうなる、俺? * 他サイトにも掲載。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

処理中です...