家族ごっこ

ハルノヒ

文字の大きさ
上 下
18 / 18

新しい玩具

しおりを挟む
「っんん、ン…はぁ…やめっ…んッ」
グチュグチュと音をたてながらまるで喰われているかのような、激しい口づけを広重アキラはされていた。

授業が始まったからか辺りは静かになり遠くの方から教師が話す声と黒板にチョークが当たる音が微かに聴こえた。

アキラは礼央の胸をグイグイと押して突き離そうとする。
だが礼央はガッチリとアキラを掴んで離そうとしなかった。

「はあっ……ヤダ……やめっ……」
アキラの口から飲み込みきれなかった唾液がツゥッと伝った時、ようやく礼央は唇を離した。

アキラはハァハァと肩で息をしながら呼吸を整える。
そしてキッと礼央を睨むと、すぐさま右手で拳を作りその拳を相手の左頬に打ち込もうとした。

しかしペタンと床に座りこんでしまう。

(え…なんでだ?)
アキラが戸惑っていると

「ははっ。腰にきちゃった?もしかしてキスするの初めてだったとか?」
と礼央が小馬鹿にするように床にへたり込むアキラを見下ろしながら笑った。

アキラの目からポロリと涙が落ちる。


「ひっく……うっ……ヒック」

次々と涙が溢れ泣き出すアキラを見て礼央はぎょっとした。

「え?なになになになに??」


「いきなりこんなコトするからだろっ!この変態!キス魔!あっち行けよ!!」
アキラは泣きながら声を荒らげた。

泣きじゃくるアキラを暫く真顔で見ていた礼央だが、段々と口角が上がり瞳も楽しそうにキラキラし始めた。

そして「ふーん」とニヤつきながらアキラの前にしゃがみ込む。

「…ホントは〈みどりさん〉としたかったよね?」

アキラは下を向いたまま何も答えない。

礼央はアキラの顔を覗き込むと、頬を伝う涙を人差し指で拭った。

そのしぐさにアキラはビクッとし反射的に礼央の顔を見てしまった。


礼央は人差し指を舐めながら
「ごめぇ~んね?」
と最高の笑顔でアキラに言った。

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

肉便器エンド!? それって最高じゃん

BL / 連載中 24h.ポイント:809pt お気に入り:2,111

ご主人様のオナホール

BL / 連載中 24h.ポイント:262pt お気に入り:452

サッカー少年の性教育

BL / 連載中 24h.ポイント:475pt お気に入り:185

奴隷を使った実験録。

BL / 完結 24h.ポイント:134pt お気に入り:47

人の心、クズ知らず。

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:261

玩具にされた子供

BL / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:141

平凡で特徴なんて何一つもない俺が総攻めなワケ

BL / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:443

完結■罪滅ぼしをエンジョイする陽キャ

uni
BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:54

お兄ちゃんと内緒の時間!

BL / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:59

小5のショタはお兄さんに誘拐されてしまいました

BL / 連載中 24h.ポイント:177pt お気に入り:357

処理中です...