春画を売ったら王子たちに食べられた

四季

文字の大きさ
30 / 49

3ー8

しおりを挟む
「陛下の多くの側室や妾などに頼めばいいだろう?」

「はっ! あの者たちは自尊心が高く、面白みのない石ころだ。そして性行為は神聖な物と勘違いしている。
 下着を着たままベットに横になっているだけだ。

 メリーナなど一番最悪だった。私が長く愛撫したにも関わらずに喘ぎ声も一つも言わずに、あそこは全然濡れない。綺麗なのにそれがかえって味気のにものにした。人形に突っ込むようで全然気持ちよくならなかった。

 本当は入れるのも嫌だったが、『お役目をきちんとしてください』と脅されて仕方なくローションを使ってした。
 だからレイーシャに彼女との婚姻をすすめるのは気が重かったんだが」

 メリーナさまは、あの噂のマグロですか? マグロは石ころと言われているのだろうか? 

(えっ? 石ころって、私、マグロじゃない石ころだよね?)

「ただメリーナはレイーシャのことを好きだから、おまえとだったら上手くいくのではと思ったんだが。どうだ?」

「一緒になったころに何度か試みましたが……同じです。そして私もメリーナを見て、あの、その、立たないのです……。
 それで他の女性としようと試みましたが、メリーナに阻害されて、あの、その、三年ほど、その、あの、性行為はしていません……。
 てっきり私は自分のことが不能と思っていたのですが、リーナに会った時に……」


(もういいです! もうエロ漫画ネタはお腹いっぱいです。イケメン王子たち、乱れた×××の裏事情はもういいーーです。もう王子たちが下ネタ話しているスチールなんて乙女を幻滅させるだけです!)

「立ちました」

「「……」」

 しーん、しーん。

 Sランクピコピコに認められたように、今こそただの石ころに変身できた瞬間だった。

「ちょっと聞きにくいが……」

 って、今までもバンバンいろいろ言えない下ネタばっちり聞いていた陛下が、今更聞けないないようってなんだろう。
 もうこれ以上、里奈のことを羞恥死させないのなら、ちょっと聞きたいかも。

「そのだな……。シーオンもレイーシャも……つまり、そのだな……二人は幼児性愛者なのか」

「ぶっ、ち、違います!」
「はっ、な、なにを言われますか? 私はリーナが好きなのです」

 陛下はラスボスだった。最後のカンターアタックが命中して、里奈のライフが赤い警告を鳴らす前にゼロになった。
 もうマグロの石ころでいいから、捨て置いてください。

「そ、そうか。しかし、リーナを妃にすれば、次々に未成年の少女たちを側室にと宛てがわれるだろうな……」

「……お、俺はきちんと跡継ぎの子どもを作ったから、もう側室を持つ必要はない。俺は一生リーナだけを愛すると誓う」

 シーオンさまの台詞は、一体どう言う意味なんだろう。不安な気持ちの中に、ポッと温かい気持ちが芽を出した。

「シーオン兄上。リーナは私の子ども妊娠する予定だったのです。シーオン兄上は、他に誰か愛する女性と出会える未来があります。
 責任のためにリーナを妃にして一生愛するなど軽はずみなことを言わないでください」

 シーオンさまのい「愛する」は、性的なことだろう。決してラブじゃない。

「ち、違う! 先にレイーシャがリーナと結ばれたとしても子どもが出来たなど、そんなことはない。
 リーナのお腹の子どもは俺の子どもだ。俺はリーナに触れている時に、今まで感じたことのない心地よさを感じる。幸福感に包まれる。

 子どもができたと言うことは、神様が俺たちの愛を認めたと言うことだ。
 だから、神様の認めた俺たちを引き裂く真似はやめろ」

 またシーオンさまに飛びかかろうとしたレイーシャさまを、ジョンリー陛下が間に入り止めた。

「メリーナ嬢はどうするのだ? レイーシャも気づいていただろう? 彼女がおまえに取り付く女たちを排除していることを? まあ、メリーナが直接していないかもしれないが、彼女を崇拝している者たちがしている」

 レイーシャさまがなにか言おうとして、止めた。そして元の位置に座った。

「ヤレヤレだ。レイーシャ、シーオンの言う通りだ。リーナ嬢がやっと我々王家の子どもを妊娠した。ただでさえ、メリーナの実家ルデェル辺境伯は第二の王族として力を持っている。我々本家と違い、あの家は多くの王族の魔力を保持する男が多い。

 ここ何世代も我々本家と代替わりをしようとしている」

 陛下の言葉にレイーシャさまもシーオンさまも頷いた。

「十年前、私はとある田舎の村である平民娘と恋に落ちた。彼女は魔力が少なかったが、私の子どもを妊娠した……」

「っ! そ、それは!?」

「シーオン、最後まで私の話を聞いてくれ。結界魔法をもう一度かけ直す、『シールド』」

 部屋が一瞬淡い光で包まれた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

黒騎士団の娼婦

イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーレムです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

処理中です...