ウブで真面目な理学療法士の初恋のお相手はセレブなイケメン敏腕秘書でした

波木真帆

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会長の頼み

土曜日帰宅後から、日曜日の朝方までたっぷりと愛し合った私たちは、日曜日は尚孝さんのお世話も含めてほとんどの時間をベッドの上で過ごした。

食事のお世話はもちろん、トイレもお風呂も、昼寝をする時ももちろん一緒。

尚孝さんの肌をたっぷりと堪能していると、会長から連絡が入った。

休日だというのにわざわざ連絡が来たということは、尚孝さんにも知らせたい内容に違いない。

手を伸ばし、スマホを取ってメッセージを見るとその内容に思わず声をあげてしまった。

「唯人さん、何かありましたか?」

私の声に不安げに見上げる尚孝さんを抱きしめる。

「いえ、火曜日に一花さんと直純くんが会うことが決まったようです」

「えっ……! 本当に? こんなに早く?」

「ええ。一花さんの希望だそうですよ。尚孝さんと話をして直純くんが一花さんに謝りたいと言ったのを伝えると、すぐに会いたいと仰ったそうです」

「よかった……本当によかった……」

「ええ。直純くんは許してもらえなくても謝りたいと言ってましたが、一花さんなら直純くんの気持ちを拒絶することはないでしょうし、会えたらきっと仲良くなれますよ。これも尚孝さんが直純くんに勇気を与えたおかげですよ」

「そんな僕は何も……。でも、直純くんと一花くんのためになれたのなら嬉しいです」

「尚孝さん……このまま、もう一度抱いても?」

「えっ、でも……」

「大丈夫です。一花さんの精神的な負担を考えて、直純くんと会う日までリハビリはお休みになるそうですから。今日もたっぷり愛し合えますよ」

「唯人さん……っ。本当は、僕ももっと欲しかったんです……」

「――っ!! 尚孝さんっ!!」

可愛い尚孝さんを胸に抱き、深く甘いキスをして、そのまま尚孝さんの奥深くまで身をつなげた。

尚孝さんにだけはとめどなく欲が溢れる。今まで微塵もなかった欲望が、尚孝さんにだけは抑えられない。

もう何度尚孝さんの最奥に蜜を注ぎ込んだかもわからない。けれど、その度にどんどん欲しくなる。

それが自分だけの欲望ではなく、尚孝さんも望んでくれているものだから余計だ。
そして、今日も意識を失うまで尚孝さんを愛し続けた。

尚孝さんとの濃厚な週末を過ごして月曜日。

尚孝さんをベッドに残し、万全の準備を施して仕事に向かった。
もちろん部屋の至る所に見守りカメラを配置して。

「会長、おはようございます」

「ああ、おはよう。今日も幸せそうだな」

会長はすぐに私の変化に気づく。まぁあれだけ濃密な時間を過ごした後だ。それも仕方がない。

「はい。今日は一人でお留守番をさせているので、昼に少し自宅に戻ります」

「ああ、仕事をしっかりとやってくれるなら問題はない。それに少し頼みがあるのでな、今日は早く帰っても構わないぞ」

「会長の頼みとは何でしょう?」

「悪いが、明日の一花と直純くんの対面でキャンピングカーを使うことになった。志摩くんには運転手として磯山家についてきてもらいたい」

「なるほど、そういうことですか。確かにお二人の対面にはキャンピングカーが一番良いかもしれませんね」

貴船邸、もしくは櫻葉邸に直純くんを呼ぶのは彼の精神的なことを考えるとまず無理だ。
とはいえ、動けない一花さんを移動させるにも限度がある。

あのキャンピングカーは一花さんを無理なく移動させるために、会長が特注したものだからたとえ長時間になっても快適に過ごせるだろう。

だが、一花さんだけを座席に残し、会長が運転なさるのは不安要素も多い。
それなら事情も全てわかっている私が運転するのが一番だろう。

「尚孝さんも一緒でもよろしいですか?」

「それも考えたが、その後磯山先生のご自宅で話をすることになるかもしれない。あまり大勢で押しかけるのも良くないだろう」

「それは、そうですね……。わかりました。それでは私だけでお供いたします」

「無理を言ってすまない。頼むよ」

そこから今日と明日の分の仕事を急いでこなし、昼に一度自宅に戻った。

「尚孝さん」

すぐに寝室に向かうと、うとうとしていたのか少し寝ぼけた表情で私を見る尚孝さんと目が合った。

「ゆい、とさん……」

「すみません、起こしてしまいましたか?」

「ううん……」

やはりまだ寝ぼけているらしい。
可愛く顔を振りながら、私に両手を伸ばしてくる。

すぐに駆け寄って抱きしめると、

「ゆいとさんのにおい……すきです」

と可愛いことを言ってくる。

もう本当に尚孝さんは私を興奮させる天才だ。
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