ベビーシッター先でラブラブな家族生活はじまりました

波木真帆

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必ず君を守ってみせる!  6

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明日からの二連休のため。
私の頭の中はそのことでいっぱいだった。

まずは目の前の仕事を終わらせなければ明日からの二連休はない。
怒涛の勢いで卓上に置かれた書類の山に手をつけていく。

一心不乱に作業に没頭していると久瀬くんの声が聞こえた。

「社長、そろそろ軽食をご用意いたします」

時計を見ればもうすでに午後一時を回っている。
どうやら数時間も集中していたようだ。

明日からの仕事に向け仕事が忙しくなることを見越して昼食を摂る時間もないかもしれないと思って、今日の弁当は断ったのだが、それは当たっていたようだ。

終わった分の書類の山を運び出してもらい、その空いた場所にサンドイッチとカップに入ったスープを置いてもらった。
集中していたから気づいていなかったが、食事を見ると腹が空いてくる。
サンドイッチを片手に書類をチェックしていると、傍にあるパソコン画面にポンとメールの通知が入った。
差出人は<磯山昇>

明日の決行を前に最終の連絡だろうか。
私は持っていたサンドイッチを口に放り込み、おしぼりで手を拭いてからパソコンのメール画面を開いた。

ターゲットである羽柴はしば時也ときやには、情報屋と接点を持たせることに成功。
羽柴の標的である友利遥が明日の十一時にショッピングモールに現れることを今夜伝えることになっていると書かれていた。

今回の囮作戦を必ず成功させるために、遥くんと琳くんにも調査をいれ、琳くんが必ず足を止める花畑をショッピングモール内に設置したらしい。そこを必ず通るように駐車場からの動線もしっかりと指示されていた。

すごいな。この計画のためにショッピングモール内まで改装したとは……。
しかもその時間帯、その場所には数十人の警察関係者を配備手配済みとのことで何かあれば即座に捕まえられる状況を作ってくれるようだ。

ここまで万全の体制が整えられているが、磯山から私に課せられている指示がある。
奴が遥くんに近づく隙を与えるために、一時的に遥くんと琳くんだけになるように私と碧斗がその場を離れなくてはいけないのだ。

――決して離れないように。私が二人を守るから……

遥くんには再三伝えていたのに、このタイミングで私が二人のそばから離れれば遥くんも何かおかしいと察するに違いない。しかも碧斗だけ連れて二人を残してその場を離れる……。

仕事の電話がかかってきたからと言っても、碧斗だけを連れていくのもおかしな話だ。
さて、どうするか……。

「社長? どうかされましたか?」

パソコン画面を見ながら、顎に手をついて考え込んでいたからだろう。
食器を下げにきた久瀬くんが声をかけてきた。

久瀬くんには今回の計画の詳細は話していない。
全てを知るものが多いのは、時として危険にもなりうる。
遥くんと琳くんの安全確保のためにもそれは大事なことなのだが、ここは同じ子どもを持つものとして意見を聞きたい。

「久瀬くん。例えば……そうだな、奥さんと双子の子どもたちにサプライズをするとして、上の子と少しの間、その場を離れるとなった場合になんて言って離れる?」

「えっ? サプライズ、ですか? それは自分だけが知っていることですか?」

私が頷くと久瀬くんは少し思案して口を開いた。

「それならば、まずは長男を味方につけます」

「長男を? だが、まだ幼いだろう?」

「それでも計画にはしっかり乗ってくれますよ。三人を驚かせたいからといえば協力してくれるはずですから」

そうか……なら、碧斗も味方につけるか。
これから先、遥くんと琳くんを悪い奴から守るため、そしてずっと一緒に暮らせるようにするために協力して欲しいと頼めば碧斗もきっと頑張ってくれるだろう。

碧斗が協力してくれるなら……碧斗をトイレに行きたいと言わせるのはどうだろう?
調査では琳くんは花畑を見つけると十分はそこを離れないと書かれていた。
それなら碧斗がトイレに行きたいと言い出しても、花に夢中な琳くんは一緒に行くとは言い出さない。
私が碧斗をトイレに連れて行ってくるからといえば、きっと遥くんは琳くんとその場にとどまるはずだ。

よし、これで今夜碧斗に話をしてみよう。

「良い意見をありがとう。参考にさせてもらうよ」

「いえ、社長のお役に立てたのなら光栄です」

私は急いでサンドイッチを食べ、全て了承というメールを送り残りの作業に取り掛かった。

そうしてあっという間に終業時間。
予定していた仕事は全て終わらせることができた。

「社長、お疲れさまでした。明日から二日間はどうぞ私どもにお任せください」

「ありがとう。久瀬くんがいてくれて助かるよ。それじゃあよろしく頼む」

頼りになる部下がいるというのは本当にありがたいことだな。
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