ベビーシッター先でラブラブな家族生活はじまりました

波木真帆

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頭からなかなか離れてくれない

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「はるかちゃん、おなかすいたー!」

いつの間にか、お昼時間になっていたみたい。

「ごめんね、今用意するね」

二人のラブラブな様子を見守りすぎてお昼ご飯の時間なことも忘れてしまっていた。

さて、何にしようか。
朝も昼も夜も変わり映えしない生活は碧斗くんも琳も飽きてしまうだろう。

せっかくだから同じ食事でも趣向を変えてみよう。

確か……あそこに小さな入れ物があったはず。

ああ、あった!

琳のはあれを使えばいいから問題ない。

よし。やることが決まればあとは楽だ。

海苔で顔をつけた小さな三角おにぎりに、花の形に切ったソーセージ。
そして、ハートの形の卵焼き。琳の大好きな唐揚げと彩りで入れたレタスとミニトマト。

朝、西条さんにも食べてもらったオレンジとイチゴを別の器に入れて、完成!

碧斗くんのお弁当箱代わりのタッパーを琳のお弁当を包んでいたハンカチで包み、琳のお弁当はそのままランチバッグに入れた。

「碧斗くん、琳。今日のお昼はお揃いのお弁当だよ」

「えっ? お弁当?」

「そう! 今日はテラスに敷物敷いてお昼を食べよう!」

少し外の景色を見ながら、風を感じながら食べるだけでも楽しい気分になれる。

使ってなさそうなブランケットをテラスに敷かせてもらって、二人を座らせると琳はもちろん、碧斗くんがものすごくはしゃいでいた。

「あけていーい?」

「いいよ」

僕の声に二人は嬉しそうにお弁当を敷物に置いて蓋をあける。

「わぁー!! りんくんといっしょのごはんだー!!」

碧斗くんはまだ保育園に通っていないから、こうしてお友だちと一緒に食べることもなかったんだろう。
想像以上に喜んでもらえてすごく嬉しい。

ウェットティッシュで手を拭かせて食事の時間。

「いただきまーす!」

琳が声をあげると、碧斗くんも嬉しそうに声をあげていた。

琳がおにぎりに手をつければ碧斗くんも同じものを手に取る。
卵焼きもソーセージも唐揚げも全部お揃いを選んで食べていく碧斗くんの様子に思わず笑ってしまう。

碧斗くんがこんなにも琳のことを好き好きオーラを出してくれて嬉しいし、なんだか琳も満更じゃないみたい。
さっきはあまりにもラブラブっぽくてちょっとびっくりしたけど、仲がいいことは悪いことじゃないもんね。

「あー、はるかちゃん! てぃっしゅー!」

ティッシュと呼びかけられて一瞬であの光景が頭に浮かんでくる。
あれは忘れるんだ! 必死に頭を横に振っていると、琳が僕の手を掴んでいた。

「はるかちゃん? どうしたのー?」

「えっ、あ、ごめん。なんだった?」

「とまと、ぴゅーって」

みると、琳の服に小さなタネがついた汁がところどころについていた。

「後で洗うからそのままで大丈夫だよ」

「おきがえあるー?」

「あ、そっか……大丈夫。多分もうすぐ乾くはずだよ」

そよそよと風に揺られている洗濯物をみて答えると、碧斗くんが声をあげた。

「りんくん。あおとのふく、きていいよー!」

「わぁー! ありがとうー!!」

琳は喜んでいるけど、勝手にきていいんだろうか?
とりあえず西条さんに報告して、ちゃんと洗濯して返そう。

ご飯を食べ終わって、碧斗くんと一緒に琳の服を選ぶ。
僕が選ぶよりも先に碧斗くんがこれ! と決めたのを渡された。
碧斗くんのっぽくてシンプルだけど可愛い服。琳はひと目で気に入っていた。

生地もすごくいいし、高そうだ。
琳には汚さないようにと言いふくめて、着替えさせると

「りんくん! すっごくにあうよー!! かわいい!!」

となぜか碧斗くんが大はしゃぎしていた。

琳は琳で碧斗くんから褒められてすごく嬉しそうだし、本当に急激に仲良しになったな。この二人。

お昼ご飯のあとはお昼寝。
絵本を読んであげるとすぐに眠りについた。
琳は当然のように碧斗くんにくっついて、碧斗くんも嬉しそうに琳を抱きしめて寝てる。

二人が眠っている間に西条さんに、碧斗くんの服を借りたことの報告がてら、二人がテラスでお弁当を食べていたところと二人のお昼寝の様子を写真に撮って送った。

かくれんぼの様子も撮っておけばよかったと後悔したけれど、あの時はそれどころじゃなかったし……。
気づけばあのことを思い出してしまう。

西条さんが……うわっ、ダメダメ! 思い出しちゃダメだってば!

一気に火照ってしまう顔を仰ぎながら、それを必死に頭から追い出すように料理を作りまくった。

一時間ほどで碧斗くんと琳くんを起こし、二人を遊ばせながら洗濯物を片付けてアイロンまで終わらせていると、突然玄関チャイムが鳴った。

「あっ、ぱぱだー!!」

碧斗くんが嬉しそうに声をあげる。
帰宅時間には早いけれど、今朝早く出かけたからかもしれない。

いつも通り、普通に。
何度も自分に言い聞かせて、碧斗くんと琳と三人で玄関にで迎えにいくと、西条さんは大きな紙袋を五袋も持って中に入ってきた。
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