69 / 203
どうしたらいい?
しおりを挟む
碧斗くんと琳のために小さなお弁当を二つ作ったけれど、僕はなんだか食欲がない。
残ったご飯でおにぎりだけ作って、一緒にテラスに行った。
「わぁー! おいしそー!! あれ? はるかちゃんのおべんとーは?」
僕がおにぎりだけを持っていたからだろう。碧斗くんがすぐに見つけて声をかけてくれた。
その声に反応するように、琳がお弁当を差し出してくる。
「りんのたまごやき、はんぶんずっこするー?」
「あおとのからあげも、はんぶんあげるー!!」
もしかしたらおかずが足りないと思ったのかもしれない。
二人が心配そうに声をかけてくれた。
「大丈夫。このおにぎりにおかずが入ってるから。碧斗くんと琳はお弁当食べて」
「そうなのー? じゃあ、たべよー!!」
琳は素直に僕のいうことを信じて、お弁当を食べ始めた。
碧斗くんはちらっと僕をみたけれど、そのままお弁当に目を向けた。
二人とも優しいなー。
僕は一人で勝手に落ち込んだり、何しているんだろう……。
買い物リストを頼むときも間違えちゃったし、ああ、もう……っ。自分で自分が嫌になる。
なんとかおにぎりを一つ食べ切った時には碧斗くんと琳はお弁当をすっかり食べ終えていた。
すぐにお昼寝するかなと思ったけれど、二人は絵を描くのに真剣だ。
こんなに集中するなんて、一体何を描いているんだろう?
二人だけの秘密っぽいし、なんだか一人取り残された気分。それでも仕事だけは手を抜きたくない。
頭をスッキリさせるためにもキッチンをピカピカにして達成感に気持ちを浮上させた。そして今度は玄関の水拭きでもしようかと雑巾を手に玄関に向かった。お掃除ロボットくんが床は掃除してくれているから埃ひとつないけれど、水拭きはしたいと思っていた。
二人が絵に夢中になっている間にやってしまおうと膝をついたところで、突然ガチャリと玄関の鍵が開いた音が聞こえて顔を上げる。
えっ? なんで?
もしかして、泥棒? なわけないよね。マンションの下からここまでのものすごいセキュリティを突破できるわけがない。
でも、もし琳を奪いにきたあの男だったら?
何をしでかすかわからないからって、西条さんも言っていたし。絶対にないとも限らない。
どうしよう、どうしたらいい?
頭の中が混乱し始めたのと同時に玄関がゆっくりと開いていく。
「わぁーっ!!」
なんとか中に入ってこないようにしたいけれど、あまりの恐怖に大声をあげることしかできない。
「わっ、遥くん? どうしたんだ?」
膝をついたまま動けなくなっていた僕に飛び込んできたのは西条さんの顔だった。
「えっ……」
茫然としていた僕に西条さんが駆け寄ってくる。
「えっ? どう、して……しご、仕事は?」
「大丈夫、落ち着いて」
混乱しまくっていた僕を落ち着かせるように優しい言葉で語り掛けられる。
「あの、さぃ……悠臣さん、どうしてここに?」
「仕事で近くまで寄ったから、おやつを持っていくってスマホに連絡したんだが。まだみてなかった?」
「えっ? す、まほ……?」
慌ててポケットに入れていたスマホを取り出すと、確かにメッセージが来ていた。
「すみません、掃除に夢中で気づかなかったみたいで……」
「いや、それだけ真剣にやってくれているということだろう。気にしないでいいよ。驚かせて悪かったね。もしかして泥棒と思った?」
申し訳なく思いつつも、僕は頷いた。
あれだけのセキュリティを突破できるんだ。西条さんだと思えば驚くこともなかったのに。
どうも今日の僕は全然頭が働いていない。
「美味しいケーキを買ってきたから、おやつにしよう」
「は、はい。あっ!」
優しい声をかけられて安心して立ちあがろうと思ったら、足に力が入らない。
「どうした?」
「すみません……腰が、抜けちゃったみたいで……」
勝手に泥棒だと勘違いした挙句、恐怖で腰を抜かすなんて間抜けすぎる。
恥ずかしすぎて顔を赤くしていると、西条さんは僕の前に跪いた。
えっ?
何事?
そう思った時には西条さんの腕に抱きかかえられていた。
「あ、あの……」
「動けないんだろう? リビングまで運ぶだけだから安心して。落としたりしないよ」
落とされるなんて思ってもないけれど、西条さんが近すぎてどこをみていいか困ってしまう。
抱きかかえられたままリビングに入ると、
「わぁー!! はるかちゃん、またおひめさまになってるー!!」
と楽しそうな声が響いた。
残ったご飯でおにぎりだけ作って、一緒にテラスに行った。
「わぁー! おいしそー!! あれ? はるかちゃんのおべんとーは?」
僕がおにぎりだけを持っていたからだろう。碧斗くんがすぐに見つけて声をかけてくれた。
その声に反応するように、琳がお弁当を差し出してくる。
「りんのたまごやき、はんぶんずっこするー?」
「あおとのからあげも、はんぶんあげるー!!」
もしかしたらおかずが足りないと思ったのかもしれない。
二人が心配そうに声をかけてくれた。
「大丈夫。このおにぎりにおかずが入ってるから。碧斗くんと琳はお弁当食べて」
「そうなのー? じゃあ、たべよー!!」
琳は素直に僕のいうことを信じて、お弁当を食べ始めた。
碧斗くんはちらっと僕をみたけれど、そのままお弁当に目を向けた。
二人とも優しいなー。
僕は一人で勝手に落ち込んだり、何しているんだろう……。
買い物リストを頼むときも間違えちゃったし、ああ、もう……っ。自分で自分が嫌になる。
なんとかおにぎりを一つ食べ切った時には碧斗くんと琳はお弁当をすっかり食べ終えていた。
すぐにお昼寝するかなと思ったけれど、二人は絵を描くのに真剣だ。
こんなに集中するなんて、一体何を描いているんだろう?
二人だけの秘密っぽいし、なんだか一人取り残された気分。それでも仕事だけは手を抜きたくない。
頭をスッキリさせるためにもキッチンをピカピカにして達成感に気持ちを浮上させた。そして今度は玄関の水拭きでもしようかと雑巾を手に玄関に向かった。お掃除ロボットくんが床は掃除してくれているから埃ひとつないけれど、水拭きはしたいと思っていた。
二人が絵に夢中になっている間にやってしまおうと膝をついたところで、突然ガチャリと玄関の鍵が開いた音が聞こえて顔を上げる。
えっ? なんで?
もしかして、泥棒? なわけないよね。マンションの下からここまでのものすごいセキュリティを突破できるわけがない。
でも、もし琳を奪いにきたあの男だったら?
何をしでかすかわからないからって、西条さんも言っていたし。絶対にないとも限らない。
どうしよう、どうしたらいい?
頭の中が混乱し始めたのと同時に玄関がゆっくりと開いていく。
「わぁーっ!!」
なんとか中に入ってこないようにしたいけれど、あまりの恐怖に大声をあげることしかできない。
「わっ、遥くん? どうしたんだ?」
膝をついたまま動けなくなっていた僕に飛び込んできたのは西条さんの顔だった。
「えっ……」
茫然としていた僕に西条さんが駆け寄ってくる。
「えっ? どう、して……しご、仕事は?」
「大丈夫、落ち着いて」
混乱しまくっていた僕を落ち着かせるように優しい言葉で語り掛けられる。
「あの、さぃ……悠臣さん、どうしてここに?」
「仕事で近くまで寄ったから、おやつを持っていくってスマホに連絡したんだが。まだみてなかった?」
「えっ? す、まほ……?」
慌ててポケットに入れていたスマホを取り出すと、確かにメッセージが来ていた。
「すみません、掃除に夢中で気づかなかったみたいで……」
「いや、それだけ真剣にやってくれているということだろう。気にしないでいいよ。驚かせて悪かったね。もしかして泥棒と思った?」
申し訳なく思いつつも、僕は頷いた。
あれだけのセキュリティを突破できるんだ。西条さんだと思えば驚くこともなかったのに。
どうも今日の僕は全然頭が働いていない。
「美味しいケーキを買ってきたから、おやつにしよう」
「は、はい。あっ!」
優しい声をかけられて安心して立ちあがろうと思ったら、足に力が入らない。
「どうした?」
「すみません……腰が、抜けちゃったみたいで……」
勝手に泥棒だと勘違いした挙句、恐怖で腰を抜かすなんて間抜けすぎる。
恥ずかしすぎて顔を赤くしていると、西条さんは僕の前に跪いた。
えっ?
何事?
そう思った時には西条さんの腕に抱きかかえられていた。
「あ、あの……」
「動けないんだろう? リビングまで運ぶだけだから安心して。落としたりしないよ」
落とされるなんて思ってもないけれど、西条さんが近すぎてどこをみていいか困ってしまう。
抱きかかえられたままリビングに入ると、
「わぁー!! はるかちゃん、またおひめさまになってるー!!」
と楽しそうな声が響いた。
2,520
あなたにおすすめの小説
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
婚約破棄をしておけば
あんど もあ
ファンタジー
王太子アントワーヌの婚約者のレアリゼは、アントワーヌに嫌われていた。男を立てぬ女らしくないレアリゼが悪い、と皆に思われて孤立無援なレアリゼ。彼女は報われぬままひたすら国のために働いた……と思われていたが実は……。
姉の代わりに舞踏会に行ったら呪われた第三王子の初恋を奪ってしまった
近井とお
BL
幼少期、ユーリは姉によく似ていることから彼女の代わりに社交の場に出席することが多々あった。ある舞踏会の夜、中庭に姿を眩ませたユーリに誰かがぶつかってくる。その正体は呪われていると噂の第三王子であったが、ぶつかられたことに腹を立てたユーリは強気に接し、ダンスを踊った後、彼を捜している気配を感じてからかいながら立ち去る。
それから数年後、第三王子は初恋の令嬢を探し始めたが、それはユーリに違いなく……。
初恋の相手を捜す第三王子×軽口令息
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
婚約者の心の声が聞こえるようになったが手遅れだった
神々廻
恋愛
《めんどー、何その嫌そうな顔。うっざ》
「殿下、ご機嫌麗しゅうございます」
婚約者の声が聞こえるようになったら.........婚約者に罵倒されてた.....怖い。
全3話完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる