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番外編
もし、あの時ひかりと出会わずに待ち合わせ場所から離れていたら…… 4
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「うわぁー、すごい! ミンチになってる!」
それだけで大喜びしてくれるのが可愛い。
時間のある時にストックしておいた飴色玉ねぎを冷凍庫から取り出し、解凍してミンチ肉を入れたボウルに入れる。
牛乳に浸したパン粉と卵などを加え、クラッシュ氷と一緒に練るように混ぜていく。
氷が溶けるまで練り混ざったら肉ダネの完成だ。
イリゼホテルの缶詰スープシリーズのクラムチャウダーを取り出し、鍋で温めながらハンバーグを焼いていく。
一人でゆっくりワインを飲もうとバゲットを買っておいて正解だったな。
「美味しそう……」
いい匂いがしてきたから、いよいよお腹が空いてきたんだろう。
ひかりくんがフライパンを覗き込むように身を乗り出す。
フライパンの蓋を開けて、ふっくらといい感じで焦げ目のついたハンバーグを見せてやる。
「わぁー! こんなおっきなの初めてー!」
くっ、これはハンバーグに向けての言葉だ。
勘違いするな。
いつもならこんなバカな勘違いなんてしないのに、この子の言動にはすぐに心を乱される。
必死に冷静をよそおい、焼き上がったハンバーグをグリル野菜をのせた皿に盛り付ける。
さっとソースを作ってハンバーグにかけて出来上がりだ。
クラムチャウダーをカップに注ぎ、少し温め直したバゲットと一緒にハンバーグプレートをひかりくんに出してやると目を輝かせてくれた。
「そういえば、ひかりくんは成人しているんだったね」
「は、はい。先月二十歳になりました」
「それじゃあ食事をしながら少しお酒を飲もうか。飲める?」
「えっと……多分、少しなら……」
この感じだと弱いのかもしれない。もしくはまだ飲んだことはないのかも。
「それじゃあ弱いのを持ってこよう」
翌日も仕事がある日は軽めの酒にしているから、一応アルコール度数が低いものも我が家にはある。
その中でも一番飲みやすそうなものをチョイスして持ってきた。
さっとワインを開け、二人分のワイングラスを持ってひかりくんの元に戻った。
「せっかくだから乾杯しようか」
グラスを持たせて、そっとグラスを重ねる。
「ひかりくんと出会えた夜に、乾杯」
「かん、ぱい……」
ひかりくんはうっとりとした顔で私を見つめながら、グラスに口をつけた。
恐る恐ると言った様子で口に入っていく。
「あ、美味しい」
「良かった。これなら飲めそうだね」
量を飲ませなければ、酔っ払って眠ることはなさそうだ。
「ハンバーグも食べてみて」
「はい。いただきます!」
ひかりくんがナイフを入れると、ジュワッと肉汁が溢れ出す。
「わっ、わっ! すごい! 肉汁がジュワッって……!」
興奮しながら、嬉しそうにハンバーグを口に入れるひかりくんをみているだけで満足している自分がいる。
「んー! んーひぃー!」
私の作ったものをこんなにも美味しそうに食べてくれるなんて……
あっ!
ひかりくんの唇の端からソースが垂れるのをみた瞬間、身体が動いた。
手を伸ばし、指でひかりくんの唇に優しく触れる。
「えっ……」
「ソース、ついてたよ」
驚くひかりくんをみながら彼の唇に触れた指を自分の口に運び、舐め取った。
そのソースは今まで味わったことのないほど、極上の味に感じられた。
私は最高の幸せを味わっていたが、ひかりくんは私の突然の行動に驚きを隠せない様子だ。
無理もない。少し暴走し過ぎてしまったようだ。
「ごめん、イヤだったかな?」
「えっ、そんなっ! イヤだなんて! ちょっとびっくりしちゃっただけで……東京じゃ、普通のことなんですよね? 僕、田舎者だからわからなくてドキドキしちゃって……」
私がひかりくんのソースを舐め取ったことで顔を真っ赤にしてドキドキしてくれるなんて……私に好意を持ってくれているのは間違いないな。
ただ気になるのは、成瀬が言っていた言葉、
ひかりくんがかなり切羽詰まった状況に陥っているということと、それがセンシティブな内容だということ。それにより心が傷ついている状態だということ。
これを聞かないうちは何も動けない。
知らない間に私が彼を傷つけてしまったら困るからな。
ただ、今の私の行動はひかりくんを特別だと思っているが故のことだというのははっきり伝えておかなくては。
「普通じゃないよ。ひかりくんだからしたんだ。ひかりくんじゃなきゃ、あんなことしないよ。君が特別だからやったんだ」
真っ直ぐに見つめながら伝えると、ひかりくんは茫然と私を見つめたまま動かなかった。
それだけで大喜びしてくれるのが可愛い。
時間のある時にストックしておいた飴色玉ねぎを冷凍庫から取り出し、解凍してミンチ肉を入れたボウルに入れる。
牛乳に浸したパン粉と卵などを加え、クラッシュ氷と一緒に練るように混ぜていく。
氷が溶けるまで練り混ざったら肉ダネの完成だ。
イリゼホテルの缶詰スープシリーズのクラムチャウダーを取り出し、鍋で温めながらハンバーグを焼いていく。
一人でゆっくりワインを飲もうとバゲットを買っておいて正解だったな。
「美味しそう……」
いい匂いがしてきたから、いよいよお腹が空いてきたんだろう。
ひかりくんがフライパンを覗き込むように身を乗り出す。
フライパンの蓋を開けて、ふっくらといい感じで焦げ目のついたハンバーグを見せてやる。
「わぁー! こんなおっきなの初めてー!」
くっ、これはハンバーグに向けての言葉だ。
勘違いするな。
いつもならこんなバカな勘違いなんてしないのに、この子の言動にはすぐに心を乱される。
必死に冷静をよそおい、焼き上がったハンバーグをグリル野菜をのせた皿に盛り付ける。
さっとソースを作ってハンバーグにかけて出来上がりだ。
クラムチャウダーをカップに注ぎ、少し温め直したバゲットと一緒にハンバーグプレートをひかりくんに出してやると目を輝かせてくれた。
「そういえば、ひかりくんは成人しているんだったね」
「は、はい。先月二十歳になりました」
「それじゃあ食事をしながら少しお酒を飲もうか。飲める?」
「えっと……多分、少しなら……」
この感じだと弱いのかもしれない。もしくはまだ飲んだことはないのかも。
「それじゃあ弱いのを持ってこよう」
翌日も仕事がある日は軽めの酒にしているから、一応アルコール度数が低いものも我が家にはある。
その中でも一番飲みやすそうなものをチョイスして持ってきた。
さっとワインを開け、二人分のワイングラスを持ってひかりくんの元に戻った。
「せっかくだから乾杯しようか」
グラスを持たせて、そっとグラスを重ねる。
「ひかりくんと出会えた夜に、乾杯」
「かん、ぱい……」
ひかりくんはうっとりとした顔で私を見つめながら、グラスに口をつけた。
恐る恐ると言った様子で口に入っていく。
「あ、美味しい」
「良かった。これなら飲めそうだね」
量を飲ませなければ、酔っ払って眠ることはなさそうだ。
「ハンバーグも食べてみて」
「はい。いただきます!」
ひかりくんがナイフを入れると、ジュワッと肉汁が溢れ出す。
「わっ、わっ! すごい! 肉汁がジュワッって……!」
興奮しながら、嬉しそうにハンバーグを口に入れるひかりくんをみているだけで満足している自分がいる。
「んー! んーひぃー!」
私の作ったものをこんなにも美味しそうに食べてくれるなんて……
あっ!
ひかりくんの唇の端からソースが垂れるのをみた瞬間、身体が動いた。
手を伸ばし、指でひかりくんの唇に優しく触れる。
「えっ……」
「ソース、ついてたよ」
驚くひかりくんをみながら彼の唇に触れた指を自分の口に運び、舐め取った。
そのソースは今まで味わったことのないほど、極上の味に感じられた。
私は最高の幸せを味わっていたが、ひかりくんは私の突然の行動に驚きを隠せない様子だ。
無理もない。少し暴走し過ぎてしまったようだ。
「ごめん、イヤだったかな?」
「えっ、そんなっ! イヤだなんて! ちょっとびっくりしちゃっただけで……東京じゃ、普通のことなんですよね? 僕、田舎者だからわからなくてドキドキしちゃって……」
私がひかりくんのソースを舐め取ったことで顔を真っ赤にしてドキドキしてくれるなんて……私に好意を持ってくれているのは間違いないな。
ただ気になるのは、成瀬が言っていた言葉、
ひかりくんがかなり切羽詰まった状況に陥っているということと、それがセンシティブな内容だということ。それにより心が傷ついている状態だということ。
これを聞かないうちは何も動けない。
知らない間に私が彼を傷つけてしまったら困るからな。
ただ、今の私の行動はひかりくんを特別だと思っているが故のことだというのははっきり伝えておかなくては。
「普通じゃないよ。ひかりくんだからしたんだ。ひかりくんじゃなきゃ、あんなことしないよ。君が特別だからやったんだ」
真っ直ぐに見つめながら伝えると、ひかりくんは茫然と私を見つめたまま動かなかった。
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