ペントハウスでイケメンスパダリ紳士に甘やかされています

波木真帆

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番外編 

手伝って欲しいんだ※

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※事務所に行った日の続きの出来事です。
長くなったので2話に分けましたが、後半えっちなことしかしてません(笑)
おまけ的な話なので楽しんでもらえたら嬉しいです♡





「朝陽、大丈夫か? 疲れてないか?」

会議が終わって部屋を出るなりすぐに朝陽の元に駆けつけると、

「蓮見GM、そんなに心配しなくても俺たち南條くんをいじめたりしませんよ」

と事務所の子たちが笑いながら声をかけてきた。
正直中川のことは不安はあるが、面倒見の良い如月や人当たりのいい佐野も一緒だし大丈夫だろうとは思っていた。
しかし……。

「蓮見は可愛い姫が心配でたまらないんだよな」

「そーそー」

「お前たち、うるさいぞ」

浅香と倉橋が揶揄ってくるのに反論できないのは、それが事実だからだ。
仕方ないだろう。

朝陽も少し恥ずかしく思っているのか顔を赤らめながら、私を見つめてくる。

「あの……緊張はしたけど、疲れてないよ。
先輩たちと色々話もできたし、それに……」

「それに……?」

「涼平さんとのこと、みんなに祝福してもらえて嬉しかったし。ふふっ」

「――っ! 朝陽!」

無意識に私を煽ってくる朝陽の言葉にどうにも我慢できずに抱きついてしまった。

「ああ……もう、南條くん。悪いが、蓮見を連れ帰ってくれないか?
手を怪我してるし、今日は仕事にもならなさそうだ。なぁ、倉橋」

「そうだな。南條くん頼むよ」

「あっ、はい。俺が責任持って看病しますので」

「ふふっ。そうか。蓮見良かったな。治るまでな~んでも・・・・・やってもらえ。ははっ」

倉橋め。覚えてろよ。
朝陽に気づかれないように睨みつけたものの、あいつはただ笑って寄越しただけだった。

駐車場に着いて一瞬朝陽の顔が強張った。
おそらく自分が運転しないといけないことに気がついたんだろう。
あの時レンタカーを借りにきていたから、免許は持っているのだろうが慣れない車を運転するのは気を遣うものだ。
浅香か倉橋にでも送ってもらうか、それとも車を置いてタクシーで帰ろうかと考えていると、

「じゃ、じゃあ帰りましょうか」

と声をかけてくれた朝陽の声が若干震えていた。
緊張しているだろうに一生懸命頑張ってくれようとしてくれているんだなと思うとそれだけで嬉しくなった。


幸いにもこん事務所からマンションまではそんなに離れてはいない。
朝陽の性格通りというかなんというか丁寧で心地良い運転で到着する頃には、私はすっかり朝陽の運転に慣れていた。

「おかえりなさいませ」

出迎えを受け、そのまま怪我のことを話すと、念のために左手の掌紋を登録しておきましょうということになり登録して部屋へと戻った。

よほど緊張したんだろう。
朝陽はソファーに腰を下ろし『ふう』と一息ついている。

と、急に『ああっ!』と大声を上げたので驚いた。

「朝陽、どうした?」

「あの……涼平さんに手料理食べてもらおうと思ってたんだけど運転に集中しすぎて買い物行くの忘れちゃって……」

「そうか。食材は何がいるんだ?」

「えっ? えっと――――」

今日はハンバーグだろうか?
材料を聞いて思い浮かべながら、朝陽がリストアップした材料をコンシェルジュに頼むことにした。
朝陽は申し訳なさそうにしていたが、この辺の買い物を熟知しているコンシェルジュたちの方が早いだろうと判断したのだ。

すぐにコンシェルジュのスマホへと送ると、それから15分ほどで材料を用意して持ってきてくれた。
やはり早いし、助かるな。

「ありがとうございます! 本当にすごく早くて驚きました! 本当に助かります! ありがとうございます!」

朝陽はあまりの手際の良さに感心したようで何度も何度もコンシェルジュにお礼を繰り返している。
コンシェルジュは朝陽から続く褒め言葉の数々に照れているようだ。
これ以上話をさせて朝陽に好意を持たれても困るな。
急に心配になり『もうその辺にしておけ』と朝陽をコンシェルジュから引き離した。

コンシェルジュが部屋を出ていき、朝陽は早速料理に取り掛かった。
その間、私は自室で焼肉店の新店舗についての打ち合わせをリモートでやっていた。

1時間ほどで打ち合わせも終わりリビングへと向かうと、ダイニングからいい匂いが漂ってきた。
良いタイミングだったようだな。

「おお、いい匂いがするな」

朝陽に目を向けると、テーブルにフランスパンを置いているところだった。
私のためにパンにしてくれたのか。気が利くな。だが、自分で食べる気などさらさらないのだがな。

「うちで手作りハンバーグなんて初めてじゃないか」

席に着くと目の前に美味しそうなハンバーグが乗った皿をコトリと置いてくれた。
今までいくつものハンバーグを食べてきたが、朝陽の作ったこのハンバーグが一番美味しそうだ。

目の前にはフォークもスプーンも用意されていたが、
『フォークもスプーンも利き手でないと使いづらいから食べさせてくれ』というとすぐに隣に座ってくれた。
子どもっぽいとは思いつつも『あーん』と口を開くと、朝陽はせっせと口に運んでくれた。
ああ、なんて優しいのだろう。

朝陽に食べさせてもらっているというだけで元々美味しいハンバーグが何十倍、いや何百倍も美味しく感じられる。
気づけば食事が終わるまで私の口からは『美味しいなぁ』という言葉以外、出ることはなかった。

食事の後は風呂に入りたかったが、倉橋の父に縫合した日は入らない方がいいと言われていたからそのまますぐ寝巻きに着替えることにした。
シャツのボタンで手間取っていると、食器を片付けていた朝陽がパタパタとやってきて

「もう、こんなの俺を呼んでよね!」

と言いながら脱がせてくれた。

朝陽、気づいているか?
私の服を脱がせてくれたのはこれが初めてなのだぞ。
私は目の前で朝陽に脱がされるというシチュエーションにかなりキているのだが、朝陽はきっと気づいていないのだろうな。
天然で無意識というのは時に残酷だ……。

私の裸を目にする時はあれほど恥ずかしがるというのに、今服を脱がせてガウンを羽織らせてくれる朝陽の表情に照れはない。
もしや、私のことをもう介護対象としか見えていないのではないか?

そんな不安を抱きつつ、早々に朝陽と寝室へと向かう。
正直まだ寝る気はさらさらない。
できればイチャイチャしたいのだが、朝陽が一向に介護モードから抜け出す気配がない。
こうなったら、やるしかないか。

「悪い、朝陽にちょっと頼みがあるんだが……」

そう声をかけると、

「どうしたの? 痛くて眠れない?」

心配顔ですぐに起き上がって痛み止めをとりに行こうとするのを慌てて止めた。

「いや、そうじゃなくて……自分1人でなんとかしようと思ったんだが、右手が使えないからなかなかうまく行かなくてな」

「1人でなんて頑張らなくていいよ。俺がそのために一緒にいるんだから。何をしたらいい?」

「その……悪いんだが、トイレに行きたいんだ。
さっき1人で行ったんだが、時間もかかるし大変で朝陽に手伝ってもらえればすぐに終わると思って……」

確かにトイレに行きたいのは本当だが、別に一人でできないことではない。
むしろ片手さえあれば簡単にできるのだが、朝陽にこう頼めば優しい朝陽のことだ手伝ってくれるに違いない。

「そんなこと遠慮しなくていいよ!!
俺が涼平さんの手なんだから!! ほら、早く行こう!」

ふふっ。うまくいったな。
朝陽に手を引かれ、トイレに向かっている途中私は秘かにほくそ笑んでいた。

トイレに入り、朝陽は先ほどの着替えと同様になんの躊躇いもなく下着を下ろそうとしたところでぴたりと動きが止まった。

ようやく気づいたか。
さて、どうしてくれるのかな?

しばらく待ったが、朝陽が動く気配がない。
どうやら何か考えているようだ。
待ちきれずに

「朝陽?」

と問いかけると焦った声で

「ああ、ごめんなさい。いや、その……俺、外で待ってるね」

目を瞑ったままサッと下着を下ろして出て行こうとした。
それじゃ意味がないんだよ。

「すぐに終わるから、ここにいてくれ」

急いでそう頼むと、朝陽は恥ずかしそうにしながらも中にいてくれた。

朝陽は私と背中合わせに立ち、私が終わるのを待っているようだがそうはいかない。

『朝陽、朝陽』と何度か声をかけると、

「あっ、ごめんなさい。終わったの?」

とくぐもった声が聞こえた。

「いや、利き手じゃないからうまくできなくて……悪いんだが、支えてもらえないか?」

私の訴えに声も出せないほど驚いていたようだったが、

「だめ、か……?」

ダメ押しでもう一度頼むと、

「じゃ、じゃあ……支えますね」

トイレにしゃがみ込み、目を瞑ったまま私のモノに手を伸ばす朝陽の姿が見えた。
正直この姿だけでクる。

朝陽の手が私の大きさを探るようにスリスリと撫でてくる。
その感触の心地良さに私の昂りが熱くなっていくのを感じた。

なんとかトイレを済ませた時には、もう緩く勃ち上がってしまっていた。
元々、それが目的だったとはいえやはり少し恥ずかしいものがある。

「あっ……」

朝陽もそれに気づいたようで驚きの声を漏らしたが、

「申し訳ない。気にしないようにしたんだけど、やっぱり朝陽に触ってもらってると思うと反応してしまって……」

というと、

「あ、ああっ……き、気にしないで……仕方ないですよ」

慌てふためいた声でそう返してくれた。


さて、これからどうしてくれるだろう……。
私としてはこのまま朝陽にしてもらいたい気持ちはあるが、果たしてやってくれるだろうか?

ドキドキしながら朝陽の言葉を待っていた。

「あ、あの……涼平さん……俺、どうしたら?」

「えっ?」

「て、手伝った方が、いいですか……?」

少し潤んだ瞳で下から私を見上げるその姿……。
これは本当に計算じゃないのか?

あまりにもそそるその姿に私は思わずゴクリと唾を飲み込んでいた。

「頼もうかな」

そういうと、朝陽はさっと私の下着をあげガウンを戻し、寝室へと連れ帰ってくれた。
あのままトイレでやらなかったのは朝陽の優しさだろう。
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