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まさか……な
今回はふふっ♡
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
あの驚きの福岡出張から1ヶ月。
お互いに仕事が忙しく、まだ桐生と会うことすら出来ずにいた。
あーあ、こんなんじゃ楓さんを紹介してもらえるのがいつになることやら……。
あの時、やっぱ声かけに行ってりゃ良かったな。
絶対に可愛いよな、楓さん……。
俺はあの時見た楓さんの後ろ姿を思い出しながら何度も後悔していた。
さて、そんな最中俺は今、長崎空港にいた。
前回の福岡出張の際に取引先から新規の取引先として紹介してもらった長崎の某企業。
福岡の担当者さんの口添えのおかげもあって、なんとか契約は成立した。
遠く長崎まで足を運んだ甲斐があったってもんだ。
これで今年も営業成績トップの座は俺のものだ。
去年初めてもらったこの栄光をたった一年で奪われるわけにはいかない。
ここが俺の正念場なんだ。
そう考えたら、もう何年も連続でトップの座を守り続けている桐生の偉大さがわかる。
本当に同じ会社に就職しなくて良かったと思ってしまう。
そういえば、前に桐生が言ってたっけ。
――仕事はめっちゃ丁寧だし、楓の資料があるから俺営業トップになれてるんだよ。
あんだけ惚れてる楓さんが内助の功で桐生を助けてるなら、そりゃあ頑張る気にもなるよな。
あーあ、俺にもそんな子が会社にいてくれたらな~。
もっとバリバリやれてるのに……って、これは浮気じゃないです……すみません、奥さん。
心の中で自分の妻に謝りながら、俺は大きな契約を手に清々しい気分で羽田行きの飛行機を待っていた。
お、そうだ。
搭乗前にトイレ済ませておくかな。
手荷物検査場を過ぎたところで目にしたトイレに導かれるように、俺はトイレに向かった。
用を足して、手を洗おうとしたところで突然スマホが鳴り始めた。
もぅーっ、なんだよ。タイミング悪いな。
急いで手を洗い、慌てて画面を見ると妻である綾乃の名前が。
別に悪いことをしたわけではないが、さっきのよからぬ妄想を気づかれてしまったのかと思うほどのタイミングの良さに一瞬身体がびくついた。
だが、うちは決して恐妻家ではない。それだけは強く言っておく。
とりあえず、急いでトイレから出てすぐの壁際で電話をとった。
ふーーーっ。
話終わって一気に脱力してしゃがみ込んだ。
仕事中に電話なんてしてくることは滅多にない妻だから本当に焦ったが、なんのことはない、ただのお土産要請だった。
何事かと思ったぜ。
驚かせるなよ。
そう思いながら、お土産売り場へ向かおうとするとツンツンとジャケットの裾を引っ張られる感覚があった。
???
なんだ?
後ろを振り向くと、真っ黒でツヤツヤとした髪とうるうるした子犬みたいに可愛らしい目をした子が俺のジャケットの裾を持ち立っていた。
うわっ、なんだこの子可愛いっ!!
服の格好から見ると大学生? いや、社会人にはなってるかもしれないな。
思わず凝視してしまったらその子の顔がどんどん赤く染まっていく。
もしかしてこの子に一目惚れされちゃったとか??
俺、男の趣味はなかったけどこの子ならイケるかも、いや絶対イケるな。
真っ白な肌が赤く色づいたのを想像してしまい、ゴクリと唾を呑み込んだ。
「あの、何か?」
そう優しく問いかけると、彼は恥ずかしそうにさっと俺に紙袋を差し出した。
「あの、ト、トイレに忘れて、ましたよ……」
「えっ? あっ……」
見れば、会社用に買ったお土産袋だ。
慌てて出てきたから手洗い場に忘れてきたんだ。
なんだ、そうか……。
一目惚れされたとか勘違いして恥ずかしい……。
でも、これを機に仲良くなれたりして……ふふっ。
下心がむくむくと膨らんできて、
「ありがとう! お礼をしたいんだけど何がいい?」
満面の笑みで彼を見つめた。
あのイケメン桐生には及ばないが俺だってかなりモテる。
俺の笑顔を見せれば男だってお手のものだ。
「えっ? そ、そんなお礼だなんて……」
「君、こっちの搭乗口ってことは羽田行きだよね?」
「あ、はい」
「じゃあ、東京着いたら食事にでも行こうよ。観光案内もしてあげるよ」
「でも……」
「あ、俺こう見えても本社勤務のエリートだよ。ほら、信じて」
胸元に入れている黒の名刺入れから一枚抜き取って、それはそれは綺麗な所作で彼に渡すと彼は少しオタオタしながらそれを受け取った。
うーん、名刺交換に慣れていないようだからやっぱり大学生か?
こういう人見知りなタイプには多少強引に行った方がいいんだよな。
「ねっ、遊びに行こう」
ダメ押しでパチンとウインクしてみせると、彼はすぐに落ちる……はずだったのだが……
「ご、ごめんなさい……羽田で、こ、恋人が待ってるので」
と深々と頭を下げて秒で断られた。
この俺が断られるとは……一体いつぶりだろう……。
がっくりと項垂れている間に、
「あ、あの……ごめんなさい。失礼します」
と走り去っていった。
はぁーーっ。なんだか途轍もない失恋をした気分だ。
さっきまでの契約を取れた清々しい気分も遥か彼方に消え去ってしまった。
思い足を引きずって綾乃のリクエストのお土産をしこたま買い込み、俺は搭乗口前の座席に腰を下ろした。
はぁーーーっ。
もう一度大きなため息を吐いていると、少し離れた場所でさっきの彼が電話をしているのが見えた。
もしかして彼女か??
女々しいと思いながら、彼の電話が聞こえる位置に移動すると、
『長崎いいところだったよ。でも今回はイベントの手伝いだったからあんまり観光もできなかったんだ』
『本当? うん。今度一緒に行こう』
『俺も会えるの楽しみにしてる』
『ねぇ、今日のご飯なぁに?』
『うわぁ、やったっ! 俺の大好物ばっかじゃん』
『ふふっ。俺も……あ、愛してるよ』
と甘い甘いラブラブな会話をしているのが聞こえた。
はぁーっ、めっちゃラブラブじゃん。
あわよくばとか思った俺が恥ずかしい……。
『えっ? ふふっ。俺がナンパとかされるわけないだろっ』
『可愛いとか言ってるのはお前だけだって』
『えっ? 連絡先? いやいや、ないって、ああ、そういえば名刺ならさっきもらったぞ』
『えーっ? どこって、えっと〇〇だって』
あ、そういえばさっき名刺渡したんだった。
落ち込んでて忘れてたけど、まさか彼女に報告までするとは思わなかったな……。
今更返してとは言えないし。
『違うって! 忘れ物を届けてあげただけだよ。うん』
『もう、心配性だな。お前は』
『俺はお前以外見えてないよ』
ああ、はいはい。ラブラブなことで。
羨ましいな。
あんな可愛い子と付き合える彼女って一体どんな子なんだろうな。
そっちも興味出てきたな。
その時、搭乗のアナウンスが聞こえた。
さぁ、いつまでもカップルのラブラブ話聞いてないで、行くか。
そろそろ電話を切らないと乗り遅れるぞ。
なんて余計な心配をしていると、
『俺も早く会いたい……』
『すき…………きりゅうぅ……』
えっ? い、今なんていった???
きりゅう……って聞こえなかったか???
も、もしかしてこの子………………桐生の???
ま、まさか、な……。
って、もし本当だったら???
俺、名刺、渡しちゃってるぞ……。
脳裏に浮かぶあの嫉妬全開の桐生の姿に、顔がサーっと青褪める。
血の気が引くとはこのことだ。
俺、一体どうなるんだ?
頼む、聞き間違いであってくれ。
俺はガタガタと身体を震わせながら、飛行機へと乗り込んだ。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
あの驚きの福岡出張から1ヶ月。
お互いに仕事が忙しく、まだ桐生と会うことすら出来ずにいた。
あーあ、こんなんじゃ楓さんを紹介してもらえるのがいつになることやら……。
あの時、やっぱ声かけに行ってりゃ良かったな。
絶対に可愛いよな、楓さん……。
俺はあの時見た楓さんの後ろ姿を思い出しながら何度も後悔していた。
さて、そんな最中俺は今、長崎空港にいた。
前回の福岡出張の際に取引先から新規の取引先として紹介してもらった長崎の某企業。
福岡の担当者さんの口添えのおかげもあって、なんとか契約は成立した。
遠く長崎まで足を運んだ甲斐があったってもんだ。
これで今年も営業成績トップの座は俺のものだ。
去年初めてもらったこの栄光をたった一年で奪われるわけにはいかない。
ここが俺の正念場なんだ。
そう考えたら、もう何年も連続でトップの座を守り続けている桐生の偉大さがわかる。
本当に同じ会社に就職しなくて良かったと思ってしまう。
そういえば、前に桐生が言ってたっけ。
――仕事はめっちゃ丁寧だし、楓の資料があるから俺営業トップになれてるんだよ。
あんだけ惚れてる楓さんが内助の功で桐生を助けてるなら、そりゃあ頑張る気にもなるよな。
あーあ、俺にもそんな子が会社にいてくれたらな~。
もっとバリバリやれてるのに……って、これは浮気じゃないです……すみません、奥さん。
心の中で自分の妻に謝りながら、俺は大きな契約を手に清々しい気分で羽田行きの飛行機を待っていた。
お、そうだ。
搭乗前にトイレ済ませておくかな。
手荷物検査場を過ぎたところで目にしたトイレに導かれるように、俺はトイレに向かった。
用を足して、手を洗おうとしたところで突然スマホが鳴り始めた。
もぅーっ、なんだよ。タイミング悪いな。
急いで手を洗い、慌てて画面を見ると妻である綾乃の名前が。
別に悪いことをしたわけではないが、さっきのよからぬ妄想を気づかれてしまったのかと思うほどのタイミングの良さに一瞬身体がびくついた。
だが、うちは決して恐妻家ではない。それだけは強く言っておく。
とりあえず、急いでトイレから出てすぐの壁際で電話をとった。
ふーーーっ。
話終わって一気に脱力してしゃがみ込んだ。
仕事中に電話なんてしてくることは滅多にない妻だから本当に焦ったが、なんのことはない、ただのお土産要請だった。
何事かと思ったぜ。
驚かせるなよ。
そう思いながら、お土産売り場へ向かおうとするとツンツンとジャケットの裾を引っ張られる感覚があった。
???
なんだ?
後ろを振り向くと、真っ黒でツヤツヤとした髪とうるうるした子犬みたいに可愛らしい目をした子が俺のジャケットの裾を持ち立っていた。
うわっ、なんだこの子可愛いっ!!
服の格好から見ると大学生? いや、社会人にはなってるかもしれないな。
思わず凝視してしまったらその子の顔がどんどん赤く染まっていく。
もしかしてこの子に一目惚れされちゃったとか??
俺、男の趣味はなかったけどこの子ならイケるかも、いや絶対イケるな。
真っ白な肌が赤く色づいたのを想像してしまい、ゴクリと唾を呑み込んだ。
「あの、何か?」
そう優しく問いかけると、彼は恥ずかしそうにさっと俺に紙袋を差し出した。
「あの、ト、トイレに忘れて、ましたよ……」
「えっ? あっ……」
見れば、会社用に買ったお土産袋だ。
慌てて出てきたから手洗い場に忘れてきたんだ。
なんだ、そうか……。
一目惚れされたとか勘違いして恥ずかしい……。
でも、これを機に仲良くなれたりして……ふふっ。
下心がむくむくと膨らんできて、
「ありがとう! お礼をしたいんだけど何がいい?」
満面の笑みで彼を見つめた。
あのイケメン桐生には及ばないが俺だってかなりモテる。
俺の笑顔を見せれば男だってお手のものだ。
「えっ? そ、そんなお礼だなんて……」
「君、こっちの搭乗口ってことは羽田行きだよね?」
「あ、はい」
「じゃあ、東京着いたら食事にでも行こうよ。観光案内もしてあげるよ」
「でも……」
「あ、俺こう見えても本社勤務のエリートだよ。ほら、信じて」
胸元に入れている黒の名刺入れから一枚抜き取って、それはそれは綺麗な所作で彼に渡すと彼は少しオタオタしながらそれを受け取った。
うーん、名刺交換に慣れていないようだからやっぱり大学生か?
こういう人見知りなタイプには多少強引に行った方がいいんだよな。
「ねっ、遊びに行こう」
ダメ押しでパチンとウインクしてみせると、彼はすぐに落ちる……はずだったのだが……
「ご、ごめんなさい……羽田で、こ、恋人が待ってるので」
と深々と頭を下げて秒で断られた。
この俺が断られるとは……一体いつぶりだろう……。
がっくりと項垂れている間に、
「あ、あの……ごめんなさい。失礼します」
と走り去っていった。
はぁーーっ。なんだか途轍もない失恋をした気分だ。
さっきまでの契約を取れた清々しい気分も遥か彼方に消え去ってしまった。
思い足を引きずって綾乃のリクエストのお土産をしこたま買い込み、俺は搭乗口前の座席に腰を下ろした。
はぁーーーっ。
もう一度大きなため息を吐いていると、少し離れた場所でさっきの彼が電話をしているのが見えた。
もしかして彼女か??
女々しいと思いながら、彼の電話が聞こえる位置に移動すると、
『長崎いいところだったよ。でも今回はイベントの手伝いだったからあんまり観光もできなかったんだ』
『本当? うん。今度一緒に行こう』
『俺も会えるの楽しみにしてる』
『ねぇ、今日のご飯なぁに?』
『うわぁ、やったっ! 俺の大好物ばっかじゃん』
『ふふっ。俺も……あ、愛してるよ』
と甘い甘いラブラブな会話をしているのが聞こえた。
はぁーっ、めっちゃラブラブじゃん。
あわよくばとか思った俺が恥ずかしい……。
『えっ? ふふっ。俺がナンパとかされるわけないだろっ』
『可愛いとか言ってるのはお前だけだって』
『えっ? 連絡先? いやいや、ないって、ああ、そういえば名刺ならさっきもらったぞ』
『えーっ? どこって、えっと〇〇だって』
あ、そういえばさっき名刺渡したんだった。
落ち込んでて忘れてたけど、まさか彼女に報告までするとは思わなかったな……。
今更返してとは言えないし。
『違うって! 忘れ物を届けてあげただけだよ。うん』
『もう、心配性だな。お前は』
『俺はお前以外見えてないよ』
ああ、はいはい。ラブラブなことで。
羨ましいな。
あんな可愛い子と付き合える彼女って一体どんな子なんだろうな。
そっちも興味出てきたな。
その時、搭乗のアナウンスが聞こえた。
さぁ、いつまでもカップルのラブラブ話聞いてないで、行くか。
そろそろ電話を切らないと乗り遅れるぞ。
なんて余計な心配をしていると、
『俺も早く会いたい……』
『すき…………きりゅうぅ……』
えっ? い、今なんていった???
きりゅう……って聞こえなかったか???
も、もしかしてこの子………………桐生の???
ま、まさか、な……。
って、もし本当だったら???
俺、名刺、渡しちゃってるぞ……。
脳裏に浮かぶあの嫉妬全開の桐生の姿に、顔がサーっと青褪める。
血の気が引くとはこのことだ。
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頼む、聞き間違いであってくれ。
俺はガタガタと身体を震わせながら、飛行機へと乗り込んだ。
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