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両者の思惑
新年おめでとうございます!
こちらも長く続いていますが、ようやく完結も見えてきました。
もうしばらくお付き合いいただきますが、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
「わぁー、素敵!!」
「ふわふわだぁー! 気持ちいい~!!」
リオとソラの喜ぶ声にユヅルはご満悦のようだ。
シュウゴもこのパーティールームを気に入ってくれたようで、ユヅルと嬉しそうに話をしているのが聞こえる。
ここに置いたふわふわの絨毯をユヅルはいたく気に入っていて、いつもこの上で気持ちよさそうに横になっているのをみると、そのままここで愛し合いたくなってしまうがここには残念ながらシャワールームがない。
愛し合ったらそのまま二人で風呂場で戯れあいたい私としては、そこは譲れない。
だからこの部屋はもっぱらユヅルとミシェルの憩いの部屋のような場所になっている。
せっかくだからもっとユヅルの気に入るもので揃えてやりたいが、ユヅルは今のままで十分だという。
本当に欲の無い子だ。
だが、
「それなら、あっちの一角には畳を置いたらどうかな? 日本でも洋間に畳を敷いて和室にアレンジしたりするのってよく聞くし」
というシュウゴの提案に珍しくユヅルが飛びついた。
なるほど。
タタミを置いて簡易的な和室を作るのか……。
それは思いつかなかったな。
ユヅルが以前アマネと住んでいた部屋はタタミの部屋ばかりだった。
この部屋もそうしてやれば、きっとユヅルの心が落ち着く部屋になるだろう。
早速タタミを調べて注文してやろうと話をしていると、横から、
「畳なら日本の腕のいい職人を知っているから話をしておくよ」
とアヤシロが声をかけてくれる。
正直そうしてもらえるのは有り難い。
アヤシロが提案してくれたものに間違いはないからな。
タタミならそのまま寝転がるのももっと増えるだろう。
ああ、それならこれを機にこの部屋に風呂場をつけてもいいかもしれないな。
ユヅルの手を取って、絨毯の上に誘う。
私が胡座をかいて座った中にユヅルを座らせて後ろから抱きしめると、ユヅルは狼のふわふわな毛を気に入ったようで、優しく撫でてくれる。
それだけで興奮してしまう私がいるが、気になるのはユヅルの綺麗な足だ。
聞けばこれはスカートだという。
となれば向かいに座っているセルジュたちにユヅルの下着が見えてしまう恐れがある。
そんなことをさせるわけにはいかない。
『ジュール、すぐにブランケットを用意して皆に渡してくれ』
その指示にジュールはすぐに意図を理解し、柔らかで大きめのブランケットを用意して皆に配って回ると、狼たちは皆、安堵の表情を浮かべていた。
決して興味などは全くないし、ユヅル以外の者たちのスカートの中を覗きたいとも思わない。
それは皆同じだろうが、みられるというだけで許せないのだ。
それくらい私たちは皆独占欲の塊なのだろう。
だが、同じ思いを持つ者たちというのは気が楽でいい。
みんなで円になって座り、皆、私と同じように後ろから赤ずきんたちを抱きしめている。
そして、赤ずきんたちの膝には柔らかなブランケット。
その中で多少イタズラしてもわからないだろうが、ユヅルの可愛い顔をセルジュたちにみられると思えば、する気にはなれない。
おそらくセルジュも同じことを思っていることだろう。
「トランプ配るね~」
手慣れた手つきでリズミカルに配るケイトをみながら、隣に座るリオは興味津々の様子だ。
先ほどババヌキの話をしていた時も楽しそうだったし、よほどトランプが気に入っているのだろう。
札を配り終わって、ユヅルが手際よくトランプを分けていき、我々の手元に残ったのは五枚。
これならすぐに終わるのではないかと思ったが、シュウゴがすかさず少ない方が揃いにくいと教えてくれる。
なるほど、そういうものか。
こちらへ来るときの飛行機でもなかなか勝敗がつかなかったようだ。
「それでその時は誰が勝って、誰が負けちゃったの?」
「はーい! 僕たちが一番だったよ!」
ユヅルの疑問にさっと手を挙げたのはケイト。
聞けば、最下位のチームには罰ゲームということにしたそうで、それでやる気を出したそうだ。
罰ゲームという言葉に反応して、ユヅルが詳細を尋ねるとどうやら最下位になったのはユウキとソラだったようだ。
お互いにすごいなとか、可愛いなって思ってることを言い合い、結構楽しかったと話すソラとは対照的にユウキはなんとなく複雑そうな表情をしている。
どうやら何か言われたくないエピソードでも言われたか?
きっとこれがユウキが鬼畜だと呼ばれ始めた原因かもしれないな。
ふふっ。
ソラが何を言ったかは、後で尋ねてみるとしようか。
ユウキがあんな表情を見せるくらいだ。
きっと私の予想を大きく上回っていることだろう。
と思っていると、
「今回も罰ゲームしちゃおうっか。その方が盛り上がるし!」
とケイトが提案してしまった。
ユヅルはそんな提案に喜んで賛同してしまう。
と同時にリオもソラも一緒になって賛同したものだから、
「じゃあ、最下位になったら罰ゲームね。みんなの前でお互いの好きなところとか可愛いところとか言ってください!」
とあっという間に罰ゲームをすることが決まってしまった。
ケイトの言葉に俄然やる気を見せたのはユウキ。
きっと自分が体験したことを我々にさせたいのだろう。
それにしても罰ゲームをすることに賛同したソラ。
罰ゲームを回避して、なおかつ我々に率先してさせたいユウキ。
この二人の思惑が違いすぎることが気になるが、一体どういうことなのだろうな?
こちらも長く続いていますが、ようやく完結も見えてきました。
もうしばらくお付き合いいただきますが、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
「わぁー、素敵!!」
「ふわふわだぁー! 気持ちいい~!!」
リオとソラの喜ぶ声にユヅルはご満悦のようだ。
シュウゴもこのパーティールームを気に入ってくれたようで、ユヅルと嬉しそうに話をしているのが聞こえる。
ここに置いたふわふわの絨毯をユヅルはいたく気に入っていて、いつもこの上で気持ちよさそうに横になっているのをみると、そのままここで愛し合いたくなってしまうがここには残念ながらシャワールームがない。
愛し合ったらそのまま二人で風呂場で戯れあいたい私としては、そこは譲れない。
だからこの部屋はもっぱらユヅルとミシェルの憩いの部屋のような場所になっている。
せっかくだからもっとユヅルの気に入るもので揃えてやりたいが、ユヅルは今のままで十分だという。
本当に欲の無い子だ。
だが、
「それなら、あっちの一角には畳を置いたらどうかな? 日本でも洋間に畳を敷いて和室にアレンジしたりするのってよく聞くし」
というシュウゴの提案に珍しくユヅルが飛びついた。
なるほど。
タタミを置いて簡易的な和室を作るのか……。
それは思いつかなかったな。
ユヅルが以前アマネと住んでいた部屋はタタミの部屋ばかりだった。
この部屋もそうしてやれば、きっとユヅルの心が落ち着く部屋になるだろう。
早速タタミを調べて注文してやろうと話をしていると、横から、
「畳なら日本の腕のいい職人を知っているから話をしておくよ」
とアヤシロが声をかけてくれる。
正直そうしてもらえるのは有り難い。
アヤシロが提案してくれたものに間違いはないからな。
タタミならそのまま寝転がるのももっと増えるだろう。
ああ、それならこれを機にこの部屋に風呂場をつけてもいいかもしれないな。
ユヅルの手を取って、絨毯の上に誘う。
私が胡座をかいて座った中にユヅルを座らせて後ろから抱きしめると、ユヅルは狼のふわふわな毛を気に入ったようで、優しく撫でてくれる。
それだけで興奮してしまう私がいるが、気になるのはユヅルの綺麗な足だ。
聞けばこれはスカートだという。
となれば向かいに座っているセルジュたちにユヅルの下着が見えてしまう恐れがある。
そんなことをさせるわけにはいかない。
『ジュール、すぐにブランケットを用意して皆に渡してくれ』
その指示にジュールはすぐに意図を理解し、柔らかで大きめのブランケットを用意して皆に配って回ると、狼たちは皆、安堵の表情を浮かべていた。
決して興味などは全くないし、ユヅル以外の者たちのスカートの中を覗きたいとも思わない。
それは皆同じだろうが、みられるというだけで許せないのだ。
それくらい私たちは皆独占欲の塊なのだろう。
だが、同じ思いを持つ者たちというのは気が楽でいい。
みんなで円になって座り、皆、私と同じように後ろから赤ずきんたちを抱きしめている。
そして、赤ずきんたちの膝には柔らかなブランケット。
その中で多少イタズラしてもわからないだろうが、ユヅルの可愛い顔をセルジュたちにみられると思えば、する気にはなれない。
おそらくセルジュも同じことを思っていることだろう。
「トランプ配るね~」
手慣れた手つきでリズミカルに配るケイトをみながら、隣に座るリオは興味津々の様子だ。
先ほどババヌキの話をしていた時も楽しそうだったし、よほどトランプが気に入っているのだろう。
札を配り終わって、ユヅルが手際よくトランプを分けていき、我々の手元に残ったのは五枚。
これならすぐに終わるのではないかと思ったが、シュウゴがすかさず少ない方が揃いにくいと教えてくれる。
なるほど、そういうものか。
こちらへ来るときの飛行機でもなかなか勝敗がつかなかったようだ。
「それでその時は誰が勝って、誰が負けちゃったの?」
「はーい! 僕たちが一番だったよ!」
ユヅルの疑問にさっと手を挙げたのはケイト。
聞けば、最下位のチームには罰ゲームということにしたそうで、それでやる気を出したそうだ。
罰ゲームという言葉に反応して、ユヅルが詳細を尋ねるとどうやら最下位になったのはユウキとソラだったようだ。
お互いにすごいなとか、可愛いなって思ってることを言い合い、結構楽しかったと話すソラとは対照的にユウキはなんとなく複雑そうな表情をしている。
どうやら何か言われたくないエピソードでも言われたか?
きっとこれがユウキが鬼畜だと呼ばれ始めた原因かもしれないな。
ふふっ。
ソラが何を言ったかは、後で尋ねてみるとしようか。
ユウキがあんな表情を見せるくらいだ。
きっと私の予想を大きく上回っていることだろう。
と思っていると、
「今回も罰ゲームしちゃおうっか。その方が盛り上がるし!」
とケイトが提案してしまった。
ユヅルはそんな提案に喜んで賛同してしまう。
と同時にリオもソラも一緒になって賛同したものだから、
「じゃあ、最下位になったら罰ゲームね。みんなの前でお互いの好きなところとか可愛いところとか言ってください!」
とあっという間に罰ゲームをすることが決まってしまった。
ケイトの言葉に俄然やる気を見せたのはユウキ。
きっと自分が体験したことを我々にさせたいのだろう。
それにしても罰ゲームをすることに賛同したソラ。
罰ゲームを回避して、なおかつ我々に率先してさせたいユウキ。
この二人の思惑が違いすぎることが気になるが、一体どういうことなのだろうな?
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