イケメンスパダリ弁護士に助け出されて運命が変わりました

波木真帆

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家族団欒

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「理央、気持ちよかったか?」

正直気持ち良すぎてもう動けそうにない。
僕は頷いて凌也さんにもたれかかると、凌也さんは嬉しそうに僕を抱きしめ、

「俺も最高に気持ちよかったよ」

と言いながら、さっとシャワーで身体を綺麗にしてくれた。
凌也さんが気持ちよかったと言ってくれたその一言が何よりも嬉しい。

軽々と抱きかかえられ湯船に浸かると、じわじわと身体が温まっていく。

「きもちいぃ……」

「ああ、理央が一緒だと余計気持ちいいな」

ちゅっと唇にキスされて、ぎゅっと抱きしめられて……ああ、僕……何から何まで本当に幸せだ。

身体がほかほかになったところで湯船から上がると、大きくて柔らかいバスタオルに包まれた。
まるで自分がシロクマになっちゃったかと思うほどのふわふわな感触を楽しんでいるうちに、凌也さんはあっという間に下着を着けていた。

「理央も着替えようか」

まるで子どもみたいに下着を穿かされて、見たことのない寝巻きを着せられた。

「くっ――! 可愛すぎる!!」

急にテンション高くなった凌也さんに驚きながら、

「凌也さん、これ……」

と尋ねると、

「あ、ああ、母さんが理央のために用意していたみたいだ。可愛いだろう? ほら」

と鏡を指差した。

全身ふわふわで帽子までくっついている可愛い寝巻き。
大きな鏡に映っている僕の姿は可愛い黒猫に変身していた。

「わぁーっ、ほんとだ、可愛いっ!!」

後ろをみてお尻を突き出してみると、長い尻尾までついている。
お尻をフリフリすると、尻尾も揺れて本当の尻尾みたいだ。

「ふふっ。本物のネコちゃんになったみたい!」

「ああ、俺だけの子猫だ」

嬉しそうに笑いながら、僕の耳や尻尾を撫でている。

そっか。
凌也さん、ネコちゃん好きなんだ。
ふふ、やっぱり可愛い。

「にゃぁーーっ」

手をグーにしてほっぺたに当てながら、ネコの鳴き真似をして見せると

「ぐぅ――!!」

凌也さんは苦しそうな声をあげながら顔を背けた。

あれ?
似てなかったかな?

子どもたちにして見せてた時は気に入って笑ってくれてたけどな……。

「凌、也さん……? 変でした?」

「あ、違う! いや……可愛すぎて」

「えっ? 可愛かったですか?」

「ああ、もう可愛すぎて今すぐにでも俺のものにしたいくらいだよ」

「? 僕、もう凌也さんのものですよ?」

「いや、そうじゃ、なくて……」

???
何だかよくわからないけど、凌也さんは黙ったまま、僕を抱きかかえて部屋まで連れて行ってくれた。

「理央、寝ようか」

黒猫になった僕を気に入った様子の凌也さんは、僕をぎゅーっと抱きしめ、尻尾や耳を優しく撫でながら

「おやすみ」

とキスしてくれた。

ああ、僕……凌也さんの枕になったみたいだなと思いながら、大きな腕に抱きしめられて眠りについた。


いい匂いに包まれながら目を覚ますと、

「理央、起きたか?」

と笑顔の凌也さんと目があった。

「ああ、今日も朝から可愛いな」

ぎゅっと抱きしめながら僕の唇にそっとキスしてくれた。

「あの、ずっと起きてたんですか?」

「いや、ついさっき起きたところだ。理央が気持ちよく寝ている顔が可愛くて見てたんだよ」

寝顔を見られてたなんて恥ずかしいけれど、でも、もう寝顔以上にいろんなところを見られてるから、今更恥ずかしいなんておかしいか。

「理央、朝の挨拶は?」

「あ、そうだ。凌也さん、おはようございます」

ちゃんと挨拶したつもりだったけれど、じっと僕を見つめてくる。

「どこか、おかしかったですか?」

「理央からの朝のキスが欲しいんだ」

「えっ? でも、さっきしましたよ……」

「理央からキスされたいんだ、ダメか?」

悲しそうにそんなこと言われたらできないなんて言えない。

僕はゆっくりと顔を近づけて、凌也さんの唇にちゅっと重ね合わせると凌也さんは嬉しそうに笑った。

本当にここ数日で凌也さんのことが可愛いと思う機会が増えた。
僕も本当の家族になれたってことなのかな。

「理央、朝食にしよう。父さんが理央のために美味しい朝食用意すると言ってたぞ」

「わぁーっ、嬉しいです!」

着替えてから行こうと思ったら、

「母さんが理央のその姿見たいってうるさいんだ。悪いけど、そのまま行ってやってくれないか?」

「お母さんがそういうならぜひ。僕もこの可愛い寝巻きのお礼言いたいです」

くるくるっと回って見せると、凌也さんは何かぶつぶつと小声で何かを言っていたけれど、

「じゃあ、行こうか」

と僕の手をとって部屋を出た。

階段を下りると甘いいい匂いが漂ってきた。

「凌也さん、美味しそうな匂いがします」

「ちょうどいいタイミングだったな」

嬉しそうな凌也さんに手を引かれながら、リビングへと入り

「父さん、母さん。おはよう」

と挨拶する凌也さんの後に続くように

「お父さん、お母さん。おはようございます」

と挨拶すると、お母さんが駆け寄って

「きゃーっ、理央くん、おはよう。よく似合ってるわ! やっぱり黒猫ちゃんにして正解ね」

と僕のふわふわの耳や尻尾に触れて楽しそうにしている。
ふふっ。凌也さんと一緒でネコちゃんが好きなんだな、お母さん。

「母さん、もうその辺でいいだろう?」

「あ、凌ちゃん。いたの? おはよう」

「凌、ちゃん?」

「ああ、もうっ! 母さん! 理央の前で凌ちゃんはやめてくれ」

少し照れた様子でお母さんに文句を言っている凌也さんがすごく可愛く見えた。

ああ、こういうのいいなぁ。
本当、あったかい家族って感じだ。

「今さら恥ずかしがらなくてもいいじゃないの。ねぇ、理央くん」

「はい。凌ちゃんって、可愛いです」

「――っ、ああ、もうっ……母さんが2人になったみたいだな。ほら、理央。席に座ろう」


案内された広いテーブルにはパンや果物、スープにサラダ、それにジュースも並んでいた。

「すごいっ!! 美味しそう!!」

「理央にはフルーツをいっぱいとってやろうな。ヨーロッパの諺で朝のフルーツは『金』、昼は『銀』、夜は『銅』といって、朝にフルーツを摂るのは身体にすごくいいんだ」

「ふふっ。凌ちゃんが小さい頃、久嗣さんがよくそう言って教えてたわよね」

「そうなんですか?」

「ああ、口酸っぱくなるくらい聞かされたから、絶対に忘れないよ」

そう言いながら、僕のお皿にいろんな種類の果物を入れてくれた。
ほとんどが初めて見るような果物ばかりでワクワクする。

「お前が理央くんにそれを教えるようになるとはな」

お父さんは嬉しそうに笑いながら、僕の前に美味しそうなパンのようなものを置いてくれた。

「お父さん、これはなんですか?」

「ふふっ。これはフレンチトーストだよ。甘くて美味しいから食べてごらん」

「フレンチ、トースト……美味しそう」

「父さんの得意な料理なんだよ。熱いから火傷しないようにな」

「じゃあ、食べようか」

お父さんの声に合わせて、みんなでいただきますと手を合わせる。
ああ、本当にずっと欲しかった家族そのままだ。
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