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結婚式に行こう
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「理央、どのフルーツが美味しかった?」
「えーっと、どれもすっごく美味しかったんですけど……これ、プチプチして不思議な食感で美味しかったです」
「ああ、それは無花果だよ。そうか、理央は無花果が好きなのか」
なんだか凌也さんがとっても嬉しそうだ。
「ふふっ。凌ちゃん、昔から無花果大好きだものね。理央くんと一緒で嬉しいんでしょう」
「母さん、いちいちバラすなよ」
そっか。
凌也さんもこれ好きなんだ……。
ふふっ、お揃いで嬉しい。
「理央くん、まだ食べれそうならフレンチトースト作ろうか?」
正直まだ入りそう。
甘くて美味しかったし……どうしよう。
食べたいって言おうかな。
「父さん、これから理央にケーキ食べさせようと思ってるんだ。だから、フレンチトーストはまた今度にしておいてくれ」
「ああ。そうか、今日は横浜のホテルに行くんだったな。あそこのケーキは美味しいから、理央くんいっぱい食べてきなさい」
「ホテルの、ケーキ?」
結婚式に行くのにケーキも食べられるの??
「ああ、早めに行ってホテルのロビーラウンジでお茶しよう。この前、美味しいケーキ食べさせるって約束したろう?」
あ、そうだ!
誕生日ケーキ食べた時、凌也さんがそう言ってくれたんだっけ。
「そうだ、この前のお誕生日ケーキは美味しかった? 私のおすすめのケーキ屋さんで買ったのよ。ホテルのケーキに負けないくらい美味しいんだから」
突然、お母さんからそんな話を聞いて驚いてしまった。
「えっ? あれ、お母さんが用意してくれたんですか?」
「そうなの。凌ちゃんが久嗣さんに誕生日ケーキ選んで持ってきてなんて頼んでたけど、久嗣さんに言ってもね。だから、私の好きなケーキにしちゃった」
「あのケーキ、すっごく美味しかったです。それにチョコに書いてあったお祝いのメッセージもすっごく嬉しかったです。お母さん、ありがとうございます」
初めて見た一個丸々のケーキ。
あれをお母さんが用意してくれてたなんて……あの時からもう家族と認められていたみたいで嬉しくてたまらない。
「気に入ってくれてよかったわ。ねぇ、理央くん。もうすぐ私の大好きなホテルでスイーツビュッフェが始まるの」
「スイーツ、ビュッフェ?」
「そう、そこにあるものなんでも食べ放題ってこと」
「ええーっ、食べ放題? そんなの良いんですか?」
「ふふっ。ええ、もちろん。いっつも久嗣さんと行ってたんだけど、久嗣さん甘いものはそんなに食べないし、だから理央くんが一緒に行ってくれると助かるわ」
「わぁーっ! 僕、行きたいですっ!」
「ふふっ。よかった。じゃあ、凌也……その時は理央くん貸してちょうだいね」
お母さんが凌也さんに視線を向けると、なぜか凌也さんはため息を吐きながら
「わかったよ。でも、2人っきりじゃ行かせないからな」
というと、お父さんも
「家族みんなで行こうか」
と言い出した。
僕としてはみんなで出かけできるのはとっても嬉しいけれど、お母さんは何か言いたげな表情をしている。
「仕方ないわね。じゃあ、それでいいわ。理央くん、楽しみにしててね」
と言ったお母さんは満面の笑みだったから、さっきのはきっと見間違いだったんだろう。
「さぁ、理央。出かける準備をしようか」
さっと椅子を引かれ、凌也さんに部屋に連れて行かれた。
「あ、そういえば着替えは?」
「ああ、こっちに来る前に家に寄って持ってきたから大丈夫だよ」
そう言って、あの時買ってくれたスーツを出してくれた。
やっぱりこのスーツとってもかっこいい。
スーツを着たことがない僕のために凌也さんが着せてくれた。
ネクタイをキュッと締められてジャケットを羽織った姿を鏡で見ると、僕でも少しは大人っぽく見える。
「凌也さん、似合いますか?」
「ああ、よく似合うよ。独り占めしたいくらいだ」
「ふふっ。嬉しいです」
凌也さんの支度も終えて2人で鏡に並んで立つと、全く同じ服というわけではないけれど、全体的に雰囲気が似ている気がする。
まるっきり一緒というより、こっちの方がずっとおしゃれな感じがする。
「これなら、理央は俺のものだって見せつけられるから安心だな」
「安心?」
「ああ、理央は俺のそばから離れるなってことだよ」
「大丈夫です。僕、迷子になったりしませんから」
「いや、そういう意味じゃないんだが……」
歯切れの悪い凌也さんの言葉が気になったけれど、
「まぁいいか。とにかく出かけよう」
と手を引かれ、部屋を出た。
「行ってくるよ」
凌也さんがお父さんとお母さんに挨拶すると、お母さんは
「あら、2人ともよく似合ってるわ。ふふっ」
とても嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
凌也さんは何やらお父さんと少し話し込んでいたけれど、何かを受け取るとすぐに内ポケットに仕舞い、それからすぐに僕のところに来てくれた。
「じゃあ、行こう」
当たり前のように地下に連れて行かれたガレージには凌也さんの家にあった車の数よりもずっとずっとたくさんの車が並んでいた。
「すごいっ、車がいっぱい!」
「ああ、父さん。車が趣味なんだよ。母さん連れてドライブするのが好きみたいで、その場所にあう車を用意してからこんなに増えたらしい」
確か凌也さんも同じようなことを言ってた気がする。
やっぱり親子なんだなぁ。
乗ってきた時と同じシルバーの大きな車の助手席に乗り、運転席へ颯爽と乗り込む凌也さんを見ながら、かっこいいなぁとしみじみ思う。
こんな素敵な人が僕の家族で恋人だなんて今でもまだ信じられない。
今日会うお友達は僕のことを凌也さんの恋人だって言って認めてくれるのかな……。
それが少し心配だ。
あっという間に目的のホテルに到着した。
「うわぁーっ、こんなすごいところで結婚式あげるんですね!」
「ああ、佳都くんの思い出のホテルなんだそうだよ」
「佳都、くん?」
「ああ、そうか。言ってなかったな。今日の結婚式を挙げるのは俺の親友の綾城直己と、その恋人佐倉佳都くんなんだよ。
佳都くんは理央より3つ、いや4つかな年上で今、桜城大学の4年生だよ」
ちょっと待って!
凌也さんの親友は男の人で、その恋人さんも男の人……。
ってことは……
「えっ? じゃあ、僕たちと同じ男同士なんですか?」
「ああ、そうだ。綾城が佳都くんに一目惚れしてね、ふふっ。あんなに必死に追いかけてる綾城、初めて見たよ。よっぽど佳都くんに惚れてるだなって驚いたもんだよ」
「へえー、そうなんですか……」
「今日、佳都くんにも紹介するから大学の話、いっぱい聞いたらいいよ」
「はい、楽しみです!!」
ホテルの人に案内された駐車場に車を止め、エスコートされるように手を差し出され助手席から降りた。
「理央、こっちだよ」
腰に手を回されて、ピッタリと寄り添いながらホテルの中に入った瞬間、ものすごい数の視線を感じる。
「えっ――あ、あの……凌也さん」
「大丈夫、理央は何も気にしなくていいよ」
そうにっこりと微笑みかけてくる凌也さんを見ていたら、気にしなくて良いんだと思えてしまうから不思議だ。
「あそこがロビーラウンジ。そこでちょっとお茶しよう」
凌也さんに連れられていくと黒服をきた人がさっと近づいてきた。
その人に案内された席に座って渡されたメニューを見ていると、突然
「ああ、悠木っ! こっち、こっち」
と凌也さんが大声を上げて、手を振り始めた。
その視線の先には、凌也さんと同じくらいの背格好をしたかっこいい人と僕と同じ年くらいの可愛い子がいた。
「えーっと、どれもすっごく美味しかったんですけど……これ、プチプチして不思議な食感で美味しかったです」
「ああ、それは無花果だよ。そうか、理央は無花果が好きなのか」
なんだか凌也さんがとっても嬉しそうだ。
「ふふっ。凌ちゃん、昔から無花果大好きだものね。理央くんと一緒で嬉しいんでしょう」
「母さん、いちいちバラすなよ」
そっか。
凌也さんもこれ好きなんだ……。
ふふっ、お揃いで嬉しい。
「理央くん、まだ食べれそうならフレンチトースト作ろうか?」
正直まだ入りそう。
甘くて美味しかったし……どうしよう。
食べたいって言おうかな。
「父さん、これから理央にケーキ食べさせようと思ってるんだ。だから、フレンチトーストはまた今度にしておいてくれ」
「ああ。そうか、今日は横浜のホテルに行くんだったな。あそこのケーキは美味しいから、理央くんいっぱい食べてきなさい」
「ホテルの、ケーキ?」
結婚式に行くのにケーキも食べられるの??
「ああ、早めに行ってホテルのロビーラウンジでお茶しよう。この前、美味しいケーキ食べさせるって約束したろう?」
あ、そうだ!
誕生日ケーキ食べた時、凌也さんがそう言ってくれたんだっけ。
「そうだ、この前のお誕生日ケーキは美味しかった? 私のおすすめのケーキ屋さんで買ったのよ。ホテルのケーキに負けないくらい美味しいんだから」
突然、お母さんからそんな話を聞いて驚いてしまった。
「えっ? あれ、お母さんが用意してくれたんですか?」
「そうなの。凌ちゃんが久嗣さんに誕生日ケーキ選んで持ってきてなんて頼んでたけど、久嗣さんに言ってもね。だから、私の好きなケーキにしちゃった」
「あのケーキ、すっごく美味しかったです。それにチョコに書いてあったお祝いのメッセージもすっごく嬉しかったです。お母さん、ありがとうございます」
初めて見た一個丸々のケーキ。
あれをお母さんが用意してくれてたなんて……あの時からもう家族と認められていたみたいで嬉しくてたまらない。
「気に入ってくれてよかったわ。ねぇ、理央くん。もうすぐ私の大好きなホテルでスイーツビュッフェが始まるの」
「スイーツ、ビュッフェ?」
「そう、そこにあるものなんでも食べ放題ってこと」
「ええーっ、食べ放題? そんなの良いんですか?」
「ふふっ。ええ、もちろん。いっつも久嗣さんと行ってたんだけど、久嗣さん甘いものはそんなに食べないし、だから理央くんが一緒に行ってくれると助かるわ」
「わぁーっ! 僕、行きたいですっ!」
「ふふっ。よかった。じゃあ、凌也……その時は理央くん貸してちょうだいね」
お母さんが凌也さんに視線を向けると、なぜか凌也さんはため息を吐きながら
「わかったよ。でも、2人っきりじゃ行かせないからな」
というと、お父さんも
「家族みんなで行こうか」
と言い出した。
僕としてはみんなで出かけできるのはとっても嬉しいけれど、お母さんは何か言いたげな表情をしている。
「仕方ないわね。じゃあ、それでいいわ。理央くん、楽しみにしててね」
と言ったお母さんは満面の笑みだったから、さっきのはきっと見間違いだったんだろう。
「さぁ、理央。出かける準備をしようか」
さっと椅子を引かれ、凌也さんに部屋に連れて行かれた。
「あ、そういえば着替えは?」
「ああ、こっちに来る前に家に寄って持ってきたから大丈夫だよ」
そう言って、あの時買ってくれたスーツを出してくれた。
やっぱりこのスーツとってもかっこいい。
スーツを着たことがない僕のために凌也さんが着せてくれた。
ネクタイをキュッと締められてジャケットを羽織った姿を鏡で見ると、僕でも少しは大人っぽく見える。
「凌也さん、似合いますか?」
「ああ、よく似合うよ。独り占めしたいくらいだ」
「ふふっ。嬉しいです」
凌也さんの支度も終えて2人で鏡に並んで立つと、全く同じ服というわけではないけれど、全体的に雰囲気が似ている気がする。
まるっきり一緒というより、こっちの方がずっとおしゃれな感じがする。
「これなら、理央は俺のものだって見せつけられるから安心だな」
「安心?」
「ああ、理央は俺のそばから離れるなってことだよ」
「大丈夫です。僕、迷子になったりしませんから」
「いや、そういう意味じゃないんだが……」
歯切れの悪い凌也さんの言葉が気になったけれど、
「まぁいいか。とにかく出かけよう」
と手を引かれ、部屋を出た。
「行ってくるよ」
凌也さんがお父さんとお母さんに挨拶すると、お母さんは
「あら、2人ともよく似合ってるわ。ふふっ」
とても嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
凌也さんは何やらお父さんと少し話し込んでいたけれど、何かを受け取るとすぐに内ポケットに仕舞い、それからすぐに僕のところに来てくれた。
「じゃあ、行こう」
当たり前のように地下に連れて行かれたガレージには凌也さんの家にあった車の数よりもずっとずっとたくさんの車が並んでいた。
「すごいっ、車がいっぱい!」
「ああ、父さん。車が趣味なんだよ。母さん連れてドライブするのが好きみたいで、その場所にあう車を用意してからこんなに増えたらしい」
確か凌也さんも同じようなことを言ってた気がする。
やっぱり親子なんだなぁ。
乗ってきた時と同じシルバーの大きな車の助手席に乗り、運転席へ颯爽と乗り込む凌也さんを見ながら、かっこいいなぁとしみじみ思う。
こんな素敵な人が僕の家族で恋人だなんて今でもまだ信じられない。
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それが少し心配だ。
あっという間に目的のホテルに到着した。
「うわぁーっ、こんなすごいところで結婚式あげるんですね!」
「ああ、佳都くんの思い出のホテルなんだそうだよ」
「佳都、くん?」
「ああ、そうか。言ってなかったな。今日の結婚式を挙げるのは俺の親友の綾城直己と、その恋人佐倉佳都くんなんだよ。
佳都くんは理央より3つ、いや4つかな年上で今、桜城大学の4年生だよ」
ちょっと待って!
凌也さんの親友は男の人で、その恋人さんも男の人……。
ってことは……
「えっ? じゃあ、僕たちと同じ男同士なんですか?」
「ああ、そうだ。綾城が佳都くんに一目惚れしてね、ふふっ。あんなに必死に追いかけてる綾城、初めて見たよ。よっぽど佳都くんに惚れてるだなって驚いたもんだよ」
「へえー、そうなんですか……」
「今日、佳都くんにも紹介するから大学の話、いっぱい聞いたらいいよ」
「はい、楽しみです!!」
ホテルの人に案内された駐車場に車を止め、エスコートされるように手を差し出され助手席から降りた。
「理央、こっちだよ」
腰に手を回されて、ピッタリと寄り添いながらホテルの中に入った瞬間、ものすごい数の視線を感じる。
「えっ――あ、あの……凌也さん」
「大丈夫、理央は何も気にしなくていいよ」
そうにっこりと微笑みかけてくる凌也さんを見ていたら、気にしなくて良いんだと思えてしまうから不思議だ。
「あそこがロビーラウンジ。そこでちょっとお茶しよう」
凌也さんに連れられていくと黒服をきた人がさっと近づいてきた。
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