イケメンスパダリ弁護士に助け出されて運命が変わりました

波木真帆

文字の大きさ
22 / 87

結婚式に行こう

しおりを挟む
「理央、どのフルーツが美味しかった?」

「えーっと、どれもすっごく美味しかったんですけど……これ、プチプチして不思議な食感で美味しかったです」

「ああ、それは無花果いちじくだよ。そうか、理央は無花果が好きなのか」

なんだか凌也さんがとっても嬉しそうだ。

「ふふっ。凌ちゃん、昔から無花果大好きだものね。理央くんと一緒で嬉しいんでしょう」

「母さん、いちいちバラすなよ」

そっか。
凌也さんもこれ好きなんだ……。
ふふっ、お揃いで嬉しい。

「理央くん、まだ食べれそうならフレンチトースト作ろうか?」

正直まだ入りそう。
甘くて美味しかったし……どうしよう。
食べたいって言おうかな。

「父さん、これから理央にケーキ食べさせようと思ってるんだ。だから、フレンチトーストはまた今度にしておいてくれ」

「ああ。そうか、今日は横浜のホテルに行くんだったな。あそこのケーキは美味しいから、理央くんいっぱい食べてきなさい」

「ホテルの、ケーキ?」

結婚式に行くのにケーキも食べられるの??

「ああ、早めに行ってホテルのロビーラウンジでお茶しよう。この前、美味しいケーキ食べさせるって約束したろう?」

あ、そうだ!
誕生日ケーキ食べた時、凌也さんがそう言ってくれたんだっけ。

「そうだ、この前のお誕生日ケーキは美味しかった? 私のおすすめのケーキ屋さんで買ったのよ。ホテルのケーキに負けないくらい美味しいんだから」

突然、お母さんからそんな話を聞いて驚いてしまった。

「えっ? あれ、お母さんが用意してくれたんですか?」

「そうなの。凌ちゃんが久嗣さんに誕生日ケーキ選んで持ってきてなんて頼んでたけど、久嗣さんに言ってもね。だから、私の好きなケーキにしちゃった」

「あのケーキ、すっごく美味しかったです。それにチョコに書いてあったお祝いのメッセージもすっごく嬉しかったです。お母さん、ありがとうございます」

初めて見た一個丸々のケーキ。
あれをお母さんが用意してくれてたなんて……あの時からもう家族と認められていたみたいで嬉しくてたまらない。

「気に入ってくれてよかったわ。ねぇ、理央くん。もうすぐ私の大好きなホテルでスイーツビュッフェが始まるの」

「スイーツ、ビュッフェ?」

「そう、そこにあるものなんでも食べ放題ってこと」

「ええーっ、食べ放題? そんなの良いんですか?」

「ふふっ。ええ、もちろん。いっつも久嗣さんと行ってたんだけど、久嗣さん甘いものはそんなに食べないし、だから理央くんが一緒に行ってくれると助かるわ」

「わぁーっ! 僕、行きたいですっ!」

「ふふっ。よかった。じゃあ、凌也・・……その時は理央くん貸してちょうだいね」

お母さんが凌也さんに視線を向けると、なぜか凌也さんはため息を吐きながら

「わかったよ。でも、2人っきりじゃ行かせないからな」

というと、お父さんも

「家族みんなで行こうか」

と言い出した。

僕としてはみんなで出かけできるのはとっても嬉しいけれど、お母さんは何か言いたげな表情をしている。

「仕方ないわね。じゃあ、それでいいわ。理央くん、楽しみにしててね」

と言ったお母さんは満面の笑みだったから、さっきのはきっと見間違いだったんだろう。

「さぁ、理央。出かける準備をしようか」

さっと椅子を引かれ、凌也さんに部屋に連れて行かれた。

「あ、そういえば着替えは?」

「ああ、こっちに来る前に家に寄って持ってきたから大丈夫だよ」

そう言って、あの時買ってくれたスーツを出してくれた。
やっぱりこのスーツとってもかっこいい。

スーツを着たことがない僕のために凌也さんが着せてくれた。
ネクタイをキュッと締められてジャケットを羽織った姿を鏡で見ると、僕でも少しは大人っぽく見える。

「凌也さん、似合いますか?」

「ああ、よく似合うよ。独り占めしたいくらいだ」

「ふふっ。嬉しいです」

凌也さんの支度も終えて2人で鏡に並んで立つと、全く同じ服というわけではないけれど、全体的に雰囲気が似ている気がする。
まるっきり一緒というより、こっちの方がずっとおしゃれな感じがする。

「これなら、理央は俺のものだって見せつけられるから安心だな」

「安心?」

「ああ、理央は俺のそばから離れるなってことだよ」

「大丈夫です。僕、迷子になったりしませんから」

「いや、そういう意味じゃないんだが……」

歯切れの悪い凌也さんの言葉が気になったけれど、

「まぁいいか。とにかく出かけよう」

と手を引かれ、部屋を出た。

「行ってくるよ」

凌也さんがお父さんとお母さんに挨拶すると、お母さんは

「あら、2人ともよく似合ってるわ。ふふっ」

とても嬉しそうに笑顔を見せてくれた。

凌也さんは何やらお父さんと少し話し込んでいたけれど、何かを受け取るとすぐに内ポケットに仕舞い、それからすぐに僕のところに来てくれた。

「じゃあ、行こう」

当たり前のように地下に連れて行かれたガレージには凌也さんの家にあった車の数よりもずっとずっとたくさんの車が並んでいた。

「すごいっ、車がいっぱい!」

「ああ、父さん。車が趣味なんだよ。母さん連れてドライブするのが好きみたいで、その場所にあう車を用意してからこんなに増えたらしい」

確か凌也さんも同じようなことを言ってた気がする。
やっぱり親子なんだなぁ。

乗ってきた時と同じシルバーの大きな車の助手席に乗り、運転席へ颯爽と乗り込む凌也さんを見ながら、かっこいいなぁとしみじみ思う。

こんな素敵な人が僕の家族で恋人だなんて今でもまだ信じられない。

今日会うお友達は僕のことを凌也さんの恋人だって言って認めてくれるのかな……。
それが少し心配だ。


あっという間に目的のホテルに到着した。

「うわぁーっ、こんなすごいところで結婚式あげるんですね!」

「ああ、佳都くんの思い出のホテルなんだそうだよ」

「佳都、くん?」

「ああ、そうか。言ってなかったな。今日の結婚式を挙げるのは俺の親友の綾城直己と、その恋人佐倉佳都くんなんだよ。
佳都くんは理央より3つ、いや4つかな年上で今、桜城大学の4年生だよ」

ちょっと待って!
凌也さんの親友は男の人で、その恋人さんも男の人……。
ってことは……

「えっ? じゃあ、僕たちと同じ男同士なんですか?」

「ああ、そうだ。綾城が佳都くんに一目惚れしてね、ふふっ。あんなに必死に追いかけてる綾城、初めて見たよ。よっぽど佳都くんに惚れてるだなって驚いたもんだよ」

「へえー、そうなんですか……」

「今日、佳都くんにも紹介するから大学の話、いっぱい聞いたらいいよ」

「はい、楽しみです!!」

ホテルの人に案内された駐車場に車を止め、エスコートされるように手を差し出され助手席から降りた。

「理央、こっちだよ」

腰に手を回されて、ピッタリと寄り添いながらホテルの中に入った瞬間、ものすごい数の視線を感じる。

「えっ――あ、あの……凌也さん」

「大丈夫、理央は何も気にしなくていいよ」

そうにっこりと微笑みかけてくる凌也さんを見ていたら、気にしなくて良いんだと思えてしまうから不思議だ。

「あそこがロビーラウンジ。そこでちょっとお茶しよう」

凌也さんに連れられていくと黒服をきた人がさっと近づいてきた。
その人に案内された席に座って渡されたメニューを見ていると、突然

「ああ、悠木っ! こっち、こっち」

と凌也さんが大声を上げて、手を振り始めた。
その視線の先には、凌也さんと同じくらいの背格好をしたかっこいい人と僕と同じ年くらいの可愛い子がいた。
しおりを挟む
感想 95

あなたにおすすめの小説

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛

中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。 誰の心にも触れたくない。 無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。 その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。 明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、 偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。 無機質な顔の奥に隠れていたのは、 誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。 気づいてしまったから、もう目を逸らせない。 知りたくなったから、もう引き返せない。 すれ違いと無関心、 優しさと孤独、 微かな笑顔と、隠された心。 これは、 触れれば壊れそうな彼に、 それでも手を伸ばしてしまった、 不器用な男たちの恋のはなし。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

熱中症

こじらせた処女
BL
会社で熱中症になってしまった木野瀬 遼(きのせ りょう)(26)は、同居人で恋人でもある八瀬希一(やせ きいち)(29)に迎えに来てもらおうと電話するが…?

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

処理中です...