イケメンスパダリ弁護士に助け出されて運命が変わりました

波木真帆

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幸せな時間

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可愛い子は悠木と呼ばれた人に手を引かれながら、僕たちの元へとやってきた。

「観月、お前もケーキ目当てか?」

仲良さそうに話しかけてくるこの人が凌也さんのお友達だろう。
そういえば見覚えがある。
あっ、あの時凌也さんと一緒にいた人だ。

凌也さんに挨拶するように促されて、僕は焦ってしまって、

「あの、俺……じゃない。僕、木坂理央って言います。あの、この前はありがとうございました」

なんとかあの時のお礼を言うことはできたけれど、俺って言い間違えちゃうし、それに名前も本当は観月理央だって言いたかったのに……ああ、ショックだ。

凌也さんは僕が木坂と言った瞬間、すぐに反応していたからやっぱり気付かれちゃっただろうな。
でも今更もう一度言えないし、後で訂正しておこう。

凌也さんのお友達は僕がお礼を言ったことで僕のことを思い出してくれたみたいだ。

あの事務所にいた子だろう。
そう言われて頷いた途端、悠木さんの隣にいた可愛い子が話に入ってきた。

「あの……事務所って僕がいたところですか?」

その言葉に悠木さんと凌也さんがそれからの経緯を話し始めた。

そうか。
この子はあの事務所で大変な目に遭ってきたんだ。
なんか同じ空気を感じる。

僕は彼に話しかけてみると、彼は笹原ささはら空良そらくんと言って、凌也さんと悠木さんに助けてもらったと教えてくれた。

凌也さんは空良くんをあの事務所から助け出すのに力を貸したんだそうだ。
優しく空良くんに話しかける凌也さんをみていると、なんとなく心がモヤモヤしてしまったけれどそれがどうしてなのか僕にはわからなかった。


凌也さんが悠木さんと空良くんに一緒にどうだ? と誘うと、2人は喜んで座ってくれた。

すぐ隣に空良くんがいる。
うん、なんとなくだけどこの子とは仲良くなれそうな気がする。

凌也さんが僕のためにミルク多めのカフェオレとケーキを頼んでくれた。
悠木さんも空良くんに同じものを頼んでくれて、ふふっ。なんか嬉しい。

ケーキをワゴンでお持ちしますと言われて意味がわからなくて、凌也さんに尋ねるとどうやらここにある全種類のケーキを運んできてくれて、その中から食べたいものを選ぶんだって。

選べるなんて、そんなっ! 嬉しすぎる!!

空良くんに

「すごいね!!」

と話しかけると、同じようにびっくりしていて、嬉しかった。
うん、やっぱりこの子とは仲良くなれそうだ。

店員さんがワゴンに乗せて持ってきてくれたのは6種類。
そのどれも美味しそうで悩んでしまう。
こんなに美味しそうなものの中から一つを選ぶなんて難しすぎる。

うーん、どうしよう。

「どうしよう。空良くん、何にする?」

「うーん、こんな難しい選択初めてだよー!! どうしよう……」

空良くんも困っているみたいだ。
そうだよね、どれも美味しそうなんだもん。

店員さんが悩んだ僕たちのためにケーキの説明をしてくれたけれど、聞けば聞くほどどれにしていいか悩んでしまう。

すると、悠木さんが小さいサイズで全種類できないかと頼んでくれた。
そんなことできるの? と思ったけれど、結果はオーケー!!
あの美味しそうなケーキが全種類食べられるなんてなんて幸せなんだろう!!!

空良くんは悠木さんの機転にものすごく喜んで、僕たちの目の前だと言うことも全然気にせずに抱きついていた。

そっか。
悠木さんと空良くんも僕たちと同じ恋人同士なんだ……。

なんだろう。
さっきのモヤモヤしてた気持ちが一気に晴れていく気がした。
一体なんだったんだろうな。

すぐにケーキとカフェオレが運ばれてきた。
大きなお皿に小さなケーキが綺麗に並べられていて、どこから手をつけていいか悩んでしまう。
その上、サービスだと言ってクッキーまで貰ってしまった。
嬉しすぎる!!!

「理央くん、どれにしようか?」

「僕、このメロン食べてみる」

「ふふっ。じゃあ、僕も」

小さなケーキだけど一口で食べるのは勿体無くて、それを半分に切り分けて口に入れるとものすごく甘みが押し寄せてきた。
わぁー、これがメロンの味なんだ……。
口の中で蕩けていくよ。
ああ、僕幸せだ……。

「ねぇ、理央くんっていくつ?」

「この前18になったばかりだよ」

「本当? 僕もこの前18になったばかりだよ!! 僕たち、誕生日近いね」

「うん、本当に。僕、大学に行きたくて今勉強してるとこなんだ」

「ええっ!! 僕もだよ!! 高校認定試験っていう試験に合格するために頑張ってるところなんだよ」

「そっか。だから僕たちをあわせてくれたのかもね。僕もその試験受けるつもりなんだよ」

「じゃあ、一緒に勉強できるね」

「うん、一緒に頑張れる人がいるっていいよね。ねぇ、僕たち友達になれるかな?」

僕は思い切って空良くんに聞いてみた。
もし、友達になってくれるって言ってくれたらすっごく嬉しいんだけどな……。

「ふふっ。もう僕たち友達だよ。こうやって一緒にケーキも食べてるんだし」

にっこりと笑顔を向けられて僕は嬉しかった。

「うん。そうだね。友達だね」

誕生日を迎えてから、凌也さんみたいな素敵な恋人と、優しい両親、そして友達までできちゃった!
本当に今年の誕生日はいいことづくしだ!!

「ねぇ、こんなに美味しいケーキ。自分だけで食べちゃうの勿体無いよね?」

「うん、そうだね。でも、どうするの?」

「ふふっ。見てて」

空良くんはいたずらっ子のような笑みを浮かべると、フォークに切り分けたケーキを乗せて、悠木さんにケーキ食べませんか? とフォークを差し出した。

悠木さんは最初は断っていたけれど、空良くんが可愛くお願いすると照れながらも『あ~ん』と口を開けていた。
ふふっ。いいな、楽しそう。

僕も真似しちゃおうかな。

「凌也さん、このケーキとっても美味しいですよ」

フォークに乗せて『あ~ん』と差し出すと、凌也さんも照れながら口を開けてくれた。
ああ、本当に幸せな時間だ……。
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