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番外編
お泊まり会4 <side理央>
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「さぁー、入って、入って」
佳都さんに勧められるがまま、僕と空良くんはドキドキしながら佳都さんの部屋に入った。
「わぁー、素敵な部屋!」
佳都さんらしい落ち着いた部屋には勉強机とソファー、そしてテーブルが置いてあった。
部屋の左側にある壁一面に置かれた大きな本棚にはたくさんの本が並べられていて、どれも難しそうだ。
「あれ? 佳都さんと同じ苗字の人の本がいっぱい……」
「ああ、それ。僕のお父さんが書いた本なんだよ!」
「ええーっ! すごい!! すごく難しそう……作家さんですか?」
「ふふっ。お父さんは桜城大学で経営学の教授をしてたんだ。その関係で本を出してたんだよ」
「ふぇー、大学教授……すごいですね!!」
「少し前に亡くなったんだけど、直己さんはお父さんの授業をとってくれていたみたいでね、昔のお父さんの話とかしてくれるんだ」
「佳都さんのお父さんとも知り合いだったなんて運命ですね」
「ふふっ。そうかも……ああ、ごめん。座ってゆっくりおしゃべりしよう」
そう言って佳都さんはソファーの前に敷かれたふわふわの絨毯みたいなところにペタンと座った。
てっきりソファーに座ると思ってたからびっくりした。
「お行儀悪くてごめんね。でもこのラグマットふわふわでついそのまま座りたくなっちゃうんだ」
ニコニコ笑いながらそう言ってくれる佳都さんの隣に僕も空良くんもペタンと座って
「本当ふわふわで気持ちいい~!」
というと、佳都さんは嬉しそうに笑っていた。
「悠木先生と観月さんの恋人がこんなに可愛い子で、僕……すごく嬉しいんだ。だから友達になってもらえて本当に嬉しいんだよ」
「僕も佳都さんみたいに素敵な人と仲良くなれてとっても嬉しいですよ。ねぇ理央くん!」
「うん、凌也さんの恋人になれてから僕嬉しいことばっかりで……怖いくらい」
「ふふっ。よかった。あっ、そうだ! 理央くんと空良くん、スマホ持ってる?」
そう言って、佳都さんは立ち上がって机の上に置いていたスマホを持ってきた。
「はい。今日のこの日のために凌也さんが用意してくれました」
「僕も寛人さんが渡してくれて……ほら」
僕がポケットから出すと、空良くんもポケットからスマホを取り出した。
「あっ、見て。僕たち三人とも同じ機種だよ。使い方同じだからわかりやすくていいね」
「本当だ! 僕、初めてスマホ持ったから使い方もまだ全然分かってなくて……佳都さんと空良くんが一緒なら心強いな」
「ねぇ、メッセージアプリのID交換しよう」
「ああ、それ! この前、凌也さんとやったから覚えてます! こうやるんですよね」
「そうそう! 理央くん、ちゃんと覚えてて偉いよ。これでいつでも連絡取れるね!」
メッセージアプリには凌也さんの下に佳都さんと空良くんの名前が並んだ。
わぁー、本当に僕に友達できたんだって実感する。
「あ、そうだ! お土産渡すんだった! つい、楽しくなっちゃって……。おしゃべりはまた夜にして、先にお土産渡すね」
そういうと、佳都さんは立ち上がりクローゼットをゴソゴソし始めた。
「お土産ってなんだろうね? 僕、お土産とかもらうの初めてだから、ドキドキしちゃうな」
「ふふっ。佳都さんが僕たちのために選んでくれたものだから楽しみだよね」
空良くんとドキドキしながら待っていると、
「お待たせ~! これだよ!」
と手渡されたのはかなり大きな袋。
「これ、なんですか?」
「ふふっ。開けてみて!」
ニコニコ笑顔の佳都さんに見守られながら、袋を開けると
「わぁーっ、すごい!」
と空良くんが先に開いて見せてくれた。
大きな袋から出てきたのは黒いドレスとフリルのついた白いエプロン!
「ヨーロッパでね、古城に泊まったんだ。そうしたら、雰囲気出すために中世ヨーロッパの衣装とか結構売られてて、面白そうだから僕たち三人のメイド服をお土産に買ったんだ! ねぇ、今から着てみない?」
「えっ? これ……今、着るんですか? ちょっと恥ずかしいな……」
「大丈夫だって。せっかくだから今日はハロウィンとかクリスマスみたいな仮装パーティーにしちゃおうよ」
「仮装……パーティー?」
パーティー自体初めてなんだけど……。
でも仮装パーティーって楽しそう。
「理央くん、どうする?」
僕にそう聞きながらも意外と空良くんは興味津々っぽい感じだ。
「せっかくのお土産だから着ちゃおうっか」
「ふふっ。そうこなくっちゃ! じゃあ、理央くんはあっちで着替えてね。空良くんはこっち。着替え終わったら『いいよー』って声かけてね」
僕はすっごく広いクローゼットの中で着替えることになった。
全身が映る大きな鏡があってそれの前で服を脱いでいく。
膝丈より少し長いドレスだからあんまり足は気にならないかも。
白いエプロンもつけて……と。
うん、意外と似合うかもね。
凌也さん、僕の仮装驚いてくれるかな?
『いいよー』
と声をかけると、同じタイミングで空良くんの声も聞こえた。
「じゃあ、せーので同時に出てきてね。せーのっ!」
ガチャリと扉を開けて出ると、佳都さんも空良くんもすっごく可愛いメイドさんになっていた。
「「「わぁーっ、可愛いっ!!」」」
ふふっ。
僕たちみんな揃って同じことを叫んでる。
「最後にこれ、オマケね」
そういうと、佳都さんは白いうさぎの耳がついた飾りと、白い猫耳の飾り、そして黒い猫耳の飾りを3個取り出し、
「どれがいい?」
と尋ねてきた。
「僕のイメージでは……空良くんが黒猫ちゃんなんだよね~、それで理央くんが白猫ちゃん。どう?」
「はい。僕も黒猫耳がいいです。あの、ホテルで佳都さんが用意してくれていたあのパジャマも可愛い黒猫でしたよね?」
ああ、そういえば!
僕が知らない間に着替えさせられていたパジャマ、確か白猫ちゃんだった!
「ふふっ。なんとなくそんなイメージかなって」
「あの時、寛人さん黒猫すっごく気に入っていたみたいだったから、あの後いくつか黒猫の着ぐるみパジャマ買ってもらったんですよ。ふふっ」
「そうなんだ! 悠木先生、黒猫空良くん気に入ったんだね。じゃあ、空良くんが黒猫でいいかな? 理央くん白猫でいい?」
「はい。白猫可愛くて好きです!! あの時のパジャマもすごく気に入ってます。佳都さん、ありがとうございます」
「ふふっ。よかった。じゃあ、可愛い耳、頭につけてみて」
佳都さんがテーブルに鏡を持ってきてくれてお互いに付け合った。
「わぁー、空良くん可愛い!」
「理央くんもよく似合うよ!」
「わっ! 佳都さんは可愛いうさぎさん! すっごく可愛いです!」
「よし、準備万端! きっと三人とも驚くよ。行こう、行こう!」
いたずらっ子のような笑顔で佳都さんに促され、僕たちは佳都さんの部屋をでた。
佳都さんに勧められるがまま、僕と空良くんはドキドキしながら佳都さんの部屋に入った。
「わぁー、素敵な部屋!」
佳都さんらしい落ち着いた部屋には勉強机とソファー、そしてテーブルが置いてあった。
部屋の左側にある壁一面に置かれた大きな本棚にはたくさんの本が並べられていて、どれも難しそうだ。
「あれ? 佳都さんと同じ苗字の人の本がいっぱい……」
「ああ、それ。僕のお父さんが書いた本なんだよ!」
「ええーっ! すごい!! すごく難しそう……作家さんですか?」
「ふふっ。お父さんは桜城大学で経営学の教授をしてたんだ。その関係で本を出してたんだよ」
「ふぇー、大学教授……すごいですね!!」
「少し前に亡くなったんだけど、直己さんはお父さんの授業をとってくれていたみたいでね、昔のお父さんの話とかしてくれるんだ」
「佳都さんのお父さんとも知り合いだったなんて運命ですね」
「ふふっ。そうかも……ああ、ごめん。座ってゆっくりおしゃべりしよう」
そう言って佳都さんはソファーの前に敷かれたふわふわの絨毯みたいなところにペタンと座った。
てっきりソファーに座ると思ってたからびっくりした。
「お行儀悪くてごめんね。でもこのラグマットふわふわでついそのまま座りたくなっちゃうんだ」
ニコニコ笑いながらそう言ってくれる佳都さんの隣に僕も空良くんもペタンと座って
「本当ふわふわで気持ちいい~!」
というと、佳都さんは嬉しそうに笑っていた。
「悠木先生と観月さんの恋人がこんなに可愛い子で、僕……すごく嬉しいんだ。だから友達になってもらえて本当に嬉しいんだよ」
「僕も佳都さんみたいに素敵な人と仲良くなれてとっても嬉しいですよ。ねぇ理央くん!」
「うん、凌也さんの恋人になれてから僕嬉しいことばっかりで……怖いくらい」
「ふふっ。よかった。あっ、そうだ! 理央くんと空良くん、スマホ持ってる?」
そう言って、佳都さんは立ち上がって机の上に置いていたスマホを持ってきた。
「はい。今日のこの日のために凌也さんが用意してくれました」
「僕も寛人さんが渡してくれて……ほら」
僕がポケットから出すと、空良くんもポケットからスマホを取り出した。
「あっ、見て。僕たち三人とも同じ機種だよ。使い方同じだからわかりやすくていいね」
「本当だ! 僕、初めてスマホ持ったから使い方もまだ全然分かってなくて……佳都さんと空良くんが一緒なら心強いな」
「ねぇ、メッセージアプリのID交換しよう」
「ああ、それ! この前、凌也さんとやったから覚えてます! こうやるんですよね」
「そうそう! 理央くん、ちゃんと覚えてて偉いよ。これでいつでも連絡取れるね!」
メッセージアプリには凌也さんの下に佳都さんと空良くんの名前が並んだ。
わぁー、本当に僕に友達できたんだって実感する。
「あ、そうだ! お土産渡すんだった! つい、楽しくなっちゃって……。おしゃべりはまた夜にして、先にお土産渡すね」
そういうと、佳都さんは立ち上がりクローゼットをゴソゴソし始めた。
「お土産ってなんだろうね? 僕、お土産とかもらうの初めてだから、ドキドキしちゃうな」
「ふふっ。佳都さんが僕たちのために選んでくれたものだから楽しみだよね」
空良くんとドキドキしながら待っていると、
「お待たせ~! これだよ!」
と手渡されたのはかなり大きな袋。
「これ、なんですか?」
「ふふっ。開けてみて!」
ニコニコ笑顔の佳都さんに見守られながら、袋を開けると
「わぁーっ、すごい!」
と空良くんが先に開いて見せてくれた。
大きな袋から出てきたのは黒いドレスとフリルのついた白いエプロン!
「ヨーロッパでね、古城に泊まったんだ。そうしたら、雰囲気出すために中世ヨーロッパの衣装とか結構売られてて、面白そうだから僕たち三人のメイド服をお土産に買ったんだ! ねぇ、今から着てみない?」
「えっ? これ……今、着るんですか? ちょっと恥ずかしいな……」
「大丈夫だって。せっかくだから今日はハロウィンとかクリスマスみたいな仮装パーティーにしちゃおうよ」
「仮装……パーティー?」
パーティー自体初めてなんだけど……。
でも仮装パーティーって楽しそう。
「理央くん、どうする?」
僕にそう聞きながらも意外と空良くんは興味津々っぽい感じだ。
「せっかくのお土産だから着ちゃおうっか」
「ふふっ。そうこなくっちゃ! じゃあ、理央くんはあっちで着替えてね。空良くんはこっち。着替え終わったら『いいよー』って声かけてね」
僕はすっごく広いクローゼットの中で着替えることになった。
全身が映る大きな鏡があってそれの前で服を脱いでいく。
膝丈より少し長いドレスだからあんまり足は気にならないかも。
白いエプロンもつけて……と。
うん、意外と似合うかもね。
凌也さん、僕の仮装驚いてくれるかな?
『いいよー』
と声をかけると、同じタイミングで空良くんの声も聞こえた。
「じゃあ、せーので同時に出てきてね。せーのっ!」
ガチャリと扉を開けて出ると、佳都さんも空良くんもすっごく可愛いメイドさんになっていた。
「「「わぁーっ、可愛いっ!!」」」
ふふっ。
僕たちみんな揃って同じことを叫んでる。
「最後にこれ、オマケね」
そういうと、佳都さんは白いうさぎの耳がついた飾りと、白い猫耳の飾り、そして黒い猫耳の飾りを3個取り出し、
「どれがいい?」
と尋ねてきた。
「僕のイメージでは……空良くんが黒猫ちゃんなんだよね~、それで理央くんが白猫ちゃん。どう?」
「はい。僕も黒猫耳がいいです。あの、ホテルで佳都さんが用意してくれていたあのパジャマも可愛い黒猫でしたよね?」
ああ、そういえば!
僕が知らない間に着替えさせられていたパジャマ、確か白猫ちゃんだった!
「ふふっ。なんとなくそんなイメージかなって」
「あの時、寛人さん黒猫すっごく気に入っていたみたいだったから、あの後いくつか黒猫の着ぐるみパジャマ買ってもらったんですよ。ふふっ」
「そうなんだ! 悠木先生、黒猫空良くん気に入ったんだね。じゃあ、空良くんが黒猫でいいかな? 理央くん白猫でいい?」
「はい。白猫可愛くて好きです!! あの時のパジャマもすごく気に入ってます。佳都さん、ありがとうございます」
「ふふっ。よかった。じゃあ、可愛い耳、頭につけてみて」
佳都さんがテーブルに鏡を持ってきてくれてお互いに付け合った。
「わぁー、空良くん可愛い!」
「理央くんもよく似合うよ!」
「わっ! 佳都さんは可愛いうさぎさん! すっごく可愛いです!」
「よし、準備万端! きっと三人とも驚くよ。行こう、行こう!」
いたずらっ子のような笑顔で佳都さんに促され、僕たちは佳都さんの部屋をでた。
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