41 / 87
番外編
お泊まり会3 <side観月>
しおりを挟む
食事を終えると、佳都君が理央と空良くんにお土産を渡すからと早々に部屋に連れ込んでしまった。
その間、俺たち三人は並んで食事の片付けを始めた。
とはいえ、洗うのは食洗機があるから片付けもあっという間だ。
手際よく片付けを終えた俺たちは理央たちが佳都くんの部屋から出てくるのを待ちながら、久々に三人での会話を楽しんでいた。
「多分、すぐに出てくるよ。夜はまた三人で話したいって言ってたからな」
「そうか。それでどうだった? ヨーロッパは。久々だったろう?」
「ああ。佳都はお城に泊まりたいっていうのが夢だったから、フランスとドイツでは古城に宿泊したんだ。部屋も食事も最高だったぞ。きっと理央くんも空良くんも喜ぶだろうからいつか機会があったら連れていくといい。教会で結婚式も挙げられるようだったぞ」
「それいいな。旅行がてらそこで結婚式あげるのも良さそうだ。お前たちもその城に泊まれるしな、何より理央が喜ぶ。絵本の王子と姫に憧れているようだったからな」
「ははっ。お前が王子か。いや、俺たちの中ならお前が一番王子に似合いそうだ。計画してやったらどうだ?」
俺が王子か……。
まぁ理央が隣にいてくれるならそれでもいい。
「それにしても佳都くんからのお土産ってなんなんだ?」
「ああ、それか。ふふっ。出てきてからのお楽しみだな」
「出てきてからのってことは、服かなんかなのか?」
「いや、先に言うと佳都に怒られるからやめとくよ」
「なんだお前、すっかり尻に敷かれてるんだな」
「お前もそうだろう、空良くんの言いなりらしいじゃないか。米田さんが話してたぞ。先生は空良くんを中心に回ってるってな」
綾城は最先端医療機器も取り扱っているからよく悠木の病院にいくらしい。
おそらくその時に聞いたんだろうな。
空良くんが病院にくるようになってから悠木が相当気を遣っていると、俺も米田さんから聞いたしな。
今まで誰にも関心を持たなかった悠木からは考えられないことだ。
「まぁな。いいんだよ、俺は。空良が過ごしやすいようにしてやりたいんだ。観月だってそうだろう?」
「ふふっ。そうだな。俺たち、揃いも揃って尻に敷かれるのが性に合ってるみたいだな。理央限定だから別に気にしないけど」
「俺も佳都だけだからいいんだよ。それはそうと、理央くんと空良くんの勉強は捗ってるのか? 試験ももうすぐだろ?」
「ああ。理央は勉強にかなりのブランクがあったから心配してたんだが、俺も驚くくらいの集中力があるからな。今まで勉強に飢えてた分、真綿が水を吸うようにどんどん知識を吸収してるよ」
「空良は高校の途中までは学校に行っていたから理央くんよりは基礎はあったが、それでももう合格圏は余裕で超えてるよ。試験合格は決定だな。そろそろ大学入試に向けての勉強をさせようかと思ってる」
「そうなのか、二人ともすごいな。それなら二人とも桜城大学は行けそうじゃないか? それにしても合格した後のことだが、どうするんだ? 二人だけで通わせるのか?」
佳都くんのことで大学生活についての心配もわかっている綾城からの質問に、俺も悠木に尋ねてみた。
「そうそう、俺もそれを心配してたんだがお前はどうするつもりだ?」
「俺もそのことをお前に相談しようと思ってたんだが、教授からずっと大学の講師としてきてほしいって打診されてたんだ。だから空良の入学が決まったら病院は後輩に任せて空良の在学中は一緒に通おうと思ってるんだ。よかったらお前も一緒にどうだ? お前のことだから、法学部の教授たちがお前に同じような打診してきてるだろ?」
「ああっ! なるほど! 確かにその手があったな! そうしよう! 俺も理央の入学が決まったら講師を受けよう。講師になったら理央と楽しく学内でデートできるな」
「だろう? ずっと一緒にいれば牽制になっていいし、空良や理央くんに声かけてくるようなバカな奴らも現れないだろう」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる悠木と顔を見合わせていると、綾城が
「お前ら、どこまで過保護なんだよ」
とため息を吐いていたが、
「まぁあの二人見てたら気持ちはわかるけどな」
と最後には納得していた。
理央の勉強を進捗を見ながら自分の事務所を開きたいって言ってる後輩に声かけてみるか。
事務所を開く前の練習になっていいだろう。
ただ周防くんの手前、榊くんにおかしな感情を抱くような奴は排除しとかないとな。
そこはおいおい考えるとするか。
そんなことを話していると、ようやく佳都くんの部屋の扉が開く音が聞こえた。
✳︎ ✳︎ ✳︎
次回は理央sideの話になります。
その間、俺たち三人は並んで食事の片付けを始めた。
とはいえ、洗うのは食洗機があるから片付けもあっという間だ。
手際よく片付けを終えた俺たちは理央たちが佳都くんの部屋から出てくるのを待ちながら、久々に三人での会話を楽しんでいた。
「多分、すぐに出てくるよ。夜はまた三人で話したいって言ってたからな」
「そうか。それでどうだった? ヨーロッパは。久々だったろう?」
「ああ。佳都はお城に泊まりたいっていうのが夢だったから、フランスとドイツでは古城に宿泊したんだ。部屋も食事も最高だったぞ。きっと理央くんも空良くんも喜ぶだろうからいつか機会があったら連れていくといい。教会で結婚式も挙げられるようだったぞ」
「それいいな。旅行がてらそこで結婚式あげるのも良さそうだ。お前たちもその城に泊まれるしな、何より理央が喜ぶ。絵本の王子と姫に憧れているようだったからな」
「ははっ。お前が王子か。いや、俺たちの中ならお前が一番王子に似合いそうだ。計画してやったらどうだ?」
俺が王子か……。
まぁ理央が隣にいてくれるならそれでもいい。
「それにしても佳都くんからのお土産ってなんなんだ?」
「ああ、それか。ふふっ。出てきてからのお楽しみだな」
「出てきてからのってことは、服かなんかなのか?」
「いや、先に言うと佳都に怒られるからやめとくよ」
「なんだお前、すっかり尻に敷かれてるんだな」
「お前もそうだろう、空良くんの言いなりらしいじゃないか。米田さんが話してたぞ。先生は空良くんを中心に回ってるってな」
綾城は最先端医療機器も取り扱っているからよく悠木の病院にいくらしい。
おそらくその時に聞いたんだろうな。
空良くんが病院にくるようになってから悠木が相当気を遣っていると、俺も米田さんから聞いたしな。
今まで誰にも関心を持たなかった悠木からは考えられないことだ。
「まぁな。いいんだよ、俺は。空良が過ごしやすいようにしてやりたいんだ。観月だってそうだろう?」
「ふふっ。そうだな。俺たち、揃いも揃って尻に敷かれるのが性に合ってるみたいだな。理央限定だから別に気にしないけど」
「俺も佳都だけだからいいんだよ。それはそうと、理央くんと空良くんの勉強は捗ってるのか? 試験ももうすぐだろ?」
「ああ。理央は勉強にかなりのブランクがあったから心配してたんだが、俺も驚くくらいの集中力があるからな。今まで勉強に飢えてた分、真綿が水を吸うようにどんどん知識を吸収してるよ」
「空良は高校の途中までは学校に行っていたから理央くんよりは基礎はあったが、それでももう合格圏は余裕で超えてるよ。試験合格は決定だな。そろそろ大学入試に向けての勉強をさせようかと思ってる」
「そうなのか、二人ともすごいな。それなら二人とも桜城大学は行けそうじゃないか? それにしても合格した後のことだが、どうするんだ? 二人だけで通わせるのか?」
佳都くんのことで大学生活についての心配もわかっている綾城からの質問に、俺も悠木に尋ねてみた。
「そうそう、俺もそれを心配してたんだがお前はどうするつもりだ?」
「俺もそのことをお前に相談しようと思ってたんだが、教授からずっと大学の講師としてきてほしいって打診されてたんだ。だから空良の入学が決まったら病院は後輩に任せて空良の在学中は一緒に通おうと思ってるんだ。よかったらお前も一緒にどうだ? お前のことだから、法学部の教授たちがお前に同じような打診してきてるだろ?」
「ああっ! なるほど! 確かにその手があったな! そうしよう! 俺も理央の入学が決まったら講師を受けよう。講師になったら理央と楽しく学内でデートできるな」
「だろう? ずっと一緒にいれば牽制になっていいし、空良や理央くんに声かけてくるようなバカな奴らも現れないだろう」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる悠木と顔を見合わせていると、綾城が
「お前ら、どこまで過保護なんだよ」
とため息を吐いていたが、
「まぁあの二人見てたら気持ちはわかるけどな」
と最後には納得していた。
理央の勉強を進捗を見ながら自分の事務所を開きたいって言ってる後輩に声かけてみるか。
事務所を開く前の練習になっていいだろう。
ただ周防くんの手前、榊くんにおかしな感情を抱くような奴は排除しとかないとな。
そこはおいおい考えるとするか。
そんなことを話していると、ようやく佳都くんの部屋の扉が開く音が聞こえた。
✳︎ ✳︎ ✳︎
次回は理央sideの話になります。
265
あなたにおすすめの小説
夜が明けなければいいのに(洋風)
万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。
しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。
そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。
長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。
「名誉ある生贄」。
それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。
部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。
黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。
本当は、別れが怖くてたまらない。
けれど、その弱さを見せることができない。
「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」
心にもない言葉を吐き捨てる。
カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。
だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。
「……おめでとうございます、殿下」
恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。
その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。
――おめでとうなんて、言わないでほしかった。
――本当は、行きたくなんてないのに。
和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。
お楽しみいただければ幸いです。
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる
衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。
男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。
すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。
選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。
二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。
元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。
病弱の花
雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる