イケメンスパダリ弁護士に助け出されて運命が変わりました

波木真帆

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番外編

クリスマスパーティーの後で

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ちょっと時間軸が前に戻ります。
クリスマスパーティーの後、自分たちの部屋に戻った後のお話(凌也視点)です。

せっかくこの前、凌也視点のお話と分けたんでそっちに番外編として入れようと思ったんですが、とりあえずフランス編はこのままこっちに置いておきます。
楽しんでいただけると嬉しいです♡


  *   *   *

<side凌也>


「理央、疲れていないか?」

「ぜーんぜんっ! だって僕……サンタさんに会えたんですよ! ほら!」

そう言って、さっき俺がつけてあげたばかりのブレスレットを満面の笑みで見せてくれた。

理央の色白で細い手首に、純金の細い鎖とブルーサファイヤがよく映えて美しい。
本当によく似合っている。

このブレスレットはサンタクロースからの贈り物だと理央は思っているが、もちろんそんなことはない。

サンタクロースに会いたいという理央の希望をロレーヌ総帥が叶えてくれることになり、話し合いの結果、それぞれの贈り物はジュエリーにしようと決まった。

ロレーヌ総帥が最新のGPSを俺たちの分まで依頼してくれたこともあり、なんの抵抗もなくそのGPSを理央たちにつけてもらえるようにジュエリーにしたのだ。
サンタクロースからの贈り物だから絶対に外したりしないようにと言えば、必ず守ってくれるからな。

ネックレスか、ブレスレットか、それともピアスか……悩んで、ブレスレットにしたのは、いつでも理央の視界に入っていて欲しいと思ったからだ。

とはいえ、今までの人生で誰かにジュエリーを贈った経験など一度もない。
どこかのハイブランドの店でも見に行くかという考えが一瞬頭をよぎったが、このブレスレットは理央に贈るものだ。
誰かと同じものだなんて許せるはずがない。

そう。この世にたった一つのものでないと意味がない。
そう考えた時、思い出したのは

――これはね、久嗣さんからの最初の贈り物なの。この世にたった一つしかないのよ。

と俺がまだ幼い頃に嬉しそうに笑って見せてくれた母さんのネックレス。

父さんなら、理央に贈るジュエリーの相談に乗ってくれるかもしれない。
揶揄われるかもしれないが、背に腹はかえられない。
思い切って父さんに電話をかけた。

ーどうした? 理央に何かあったのか?

ー相変わらずだな。俺よりまず理央の心配なのか?

ー当たり前だろう。理央は可愛い息子なのだからな。

ーいや、一応俺も息子だぞ……まぁ、俺より理央を大切にしてくれる方が俺も嬉しいからいいけど。

ーで、どうしたんだ?

ーいや、実はクリスマスに理央にジュエリーを贈ろうと思ってるんだが……

ーなるほど。店を探しているというわけか?

ーさすが、話がはやい。父さんが母さんへの贈り物をどこで買っていたのか聞きたくてさ。

ーそれなら、いい人を紹介しよう。宝石彫刻師の深澤ふかざわさんという人だ。

ー宝石彫刻師?

ーああ。自分で宝石を持ち込んで、希望通りに作ってくれるんだよ。まさしく、この世にたった一つだけのものができるというわけだ。

ーそうか……それはいいな。

ー宝石はどうだ? 見つけられそうか?

ー大丈夫、それなら伝手を当たって探すよ。

ーそうか、どれほど金がかかってもいい。理央に渡すなら最高級の宝石にしろ。

ーわかってるよ。妥協する気など一切ないからな。

ーふふっ。やはり親子だなと思うよ。

ー教えてくれてありがとう。助かったよ。

そう言って電話を切ったそのすぐ後に、俺は伝手を当たって最高級の宝石探しと、父さんが紹介してくれた深澤さんに連絡をとった。

父さんの息子なら喜んで優先的にやってくれるというありがたい言葉をもらってホッとした。
やはり父さんに聞いてみてよかった。

後でお礼でもしておいた方が良さそうだ。

二週間後、世界中から探してようやく見つけた最高品質のブルーサファイヤを手に深澤さんの工房に向かった。

理央の細い手首がさらに美しく映えるようにミリ単位で鎖の長さを決め、ブルーサファイヤの輝きを最大限に引き出してくれるように頼んだ。

「こんなにも美しいブルーサファイヤをこの手にできるなんて!! 私もこの仕事を始めて長いですが、こんなにも素晴らしい品質のものに巡り会えたことはありませんよ」

さすが宝石彫刻師だ。
宝石でこんなにも興奮してくれるなんて。
この人になら、理央のブレスレットを最高に仕上げてくれるだろう。

ルビー、ダイヤモンド、エメラルド……いろんな宝石の中で俺がなぜブルーサファイヤを選んだか……。
きっと父さんには気づかれるかもしれないが、別にいい。

知らなかったのだが、ブルーサファイヤには『一途な思いを貫く』という意味があるそうだ。
それを知ったら、もうこの石以外考えられなくなった。
誰にも関心も興味も持てなかった俺が、初めて心から愛した理央への一途な愛を形に残したかったんだ。

そして、ヨーロッパに古くから伝わる結婚の風習にもあやかりたいと思ったのも一因だ。
『サムシングフォー』
何か古いもの、何か新しいもの、何か借りたもの、そして何か青いもの。
これを花嫁が身につけると幸せになると言われているらしい。

今回理央とフランスで挙式をすると両親に話をした時に、母さんが渡してくれたパールのネックレス。
これは母さんの母親から、結婚の時に贈られたネックレスなのだそう。
これを自分の娘か、息子の結婚相手に譲ろうと思って今まで大切に持っていてくれたらしい。

俺が結婚しないと思って諦めていたようだが、渡せてよかったと言っていたあの時の母さんの表情はなんとも嬉しそうだった。
その時にこの『サムシングフォー』の話を聞いて、それなら全部揃えてやろうと思ったんだ。

挙式のためにオーダーメイドでドレスを作り、結婚式の時に持っていたハンカチを榊くんから借り、そしてブルーサファイヤを手に入れた。

サファイヤに俺の心を表すようなあんな意味が込められていたのも運命だと思った。

この4つのアイテムとともに、理央は俺の花嫁になるんだ。

「理央……」

「ふふっ。どうしたんですか、凌也さん」

「明日、楽しみか?」

「そりゃあもちろん! だって、凌也さんと結婚できるんですよ。あの時……佳都さんと綾城さんの結婚式に参列して、いつか凌也さんと……って思ってたから」

「ああ、そうだな。俺もだ。明日は最高に幸せな日を過ごそう」

「はい。僕、頑張るので夜も楽しみにしていてくださいね」

「――っ!!!」

満面の笑みで俺を見つめる理央を見ながら、俺の頭の片隅には佳都くんからもらったベビードールを付けた淫らな理央の姿が浮かんでいた。
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