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番外編
理央のドレス
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他のお支度部屋の様子も書こうかなと。
まずは凌也&理央から。
このあとヘアメイク、お着替え編に続きます。
* * *
「ミアさん、悪いがここでしばらく待っていてくれ。あとで声をかける」
「承知しました」
「理央、中に入ろう」
理央は少しミアさんのことを気にしながらも、俺と一緒に部屋の中に入った。
「わぁーっ! すごいっ! お姫さまのお部屋みたい!」
「ふふっ。そうだな」
元から花嫁のための部屋なのだ。
色合いも柔らかな絨毯やカーテンで揃えられたこの部屋は、まさにプリンセスの部屋といっても過言ではない。
ここで理央が俺の花嫁となる支度をするのか……。
ああ、最高だな。
出会ってからこの日をどれだけ夢に見たことか……。
「理央……今日の結婚式の日を無事に迎えられて、俺は嬉しいよ」
「凌也さん、僕もです……」
理央の目が訴えかけているのがわかる。
少し潤んだ瞳で俺を見上げるそれは、理央が俺とキスしたいサイン。
いつもなら焦らしてやるのもいいが、今日は理央が主役の日。
ここは甘く蕩けさせてやろうか。
「理央……」
顔を近づけると、俺の首に腕を回して抱きついてくる。
背伸びをして、目を瞑るその表情がなんとも言えないくらいに可愛い。
ピッタリと隙間なく抱き合いながら、理央の甘くて柔らかな唇に自分のそれを重ねる。
何度も何度も啄むと、当然のようにスッと理央の唇が開く。
そこにさっと舌を滑り込ませると、理央の方から舌に絡みついてくる。
ああ、なんと幸せなことだろう。
こんなにも理央が求めてくれるなんて……。
蕩けさせようと思っていたのに、俺の方が理央にやられそうだ。
でも、こんな日があってもいいのかもしれない。
理央からの愛をたっぷりと感じよう。
歯列をなぞり、唾液を絡め、舌先に吸い付く。
「んん……っん」
可愛い吐息混じりの理央の声にクチュクチュと甘い水音が絡み合う。
流石にそろそろ苦しそうか。
ゆっくりと唇を離すと、理央の目がゆっくりと開いて、恍惚とした目で俺を見つめる。
「理央……っ、愛してるよ」
「ぼくも……あい、してます……」
ああ、本当に俺は幸せだ。
こんなに愛しい相手と結婚できるなんて……
って、そうだ!
花嫁の支度をして撮影をするんだった。
つい、理央の可愛さにながされるところだった。
こんなの悠木に知られたら笑われてしまいそうだ。
理央にはあくまでも冷静を装いながら、
「じゃあ、先にドレスを見せておこう」
というと、恍惚とした目から一気に輝きを増した。
ふふっ。こんなところも実に可愛い。
奥の扉を開け中に入ると、片側の壁一面に大きな鏡が設置されているのが見えた。
これなら理央の可愛いドレス姿をいろんな角度から見ることができる。
ああ、そうだ。忘れないうちにスイッチを入れておかないとな。
ロレーヌ総帥に教えられていた通り、理央の支度部屋にあるスイッチを押すと一斉にカメラが作動したのがわかった。
もちろん理央は何も気づいていない。
この部屋の映像は全て俺だけに送られ、そのあとは全て完全消去となることになっているので問題ない。
ロレーヌ総帥はここで結婚式を挙げると決まってから、映像を残すということにかなりこだわってくれたようでその説明を受けたときには悠木と二人で驚いたものだ。
理央の支度の全容を全て映像として残せるなんて最高としか言いようがない。
「理央のためのドレスはこれだよ」
カーテンを開いて見せると、理央は
「――っ!!!」
言葉もなく茫然とドレスを見つめていたかと思ったら、突然その場に蹲った。
「理央っ!! どうしたんだ?」
いつものように大声をあげて、満面の笑みを見せてくれると思っていた。
――わぁーっ! 可愛いっ!! 凌也さん! ありがとうっ!!
そういって喜んでくれると思ったのに……理央は小さな身体をさらに小さく折り曲げて、身体を震わせ泣くばかり。
「気に、いらなかったか? 思い描いていたドレスと違ったか? ごめん、せっかくの結婚式なのに……」
ああ、俺はなんてことを……。
理央のドレスに対する想いを踏み躙ってしまった。
幼い頃から、いつか王子さまが……とそれだけをただひたすらに思っていただろうに……。
「理央、ごめん……」
「ち、ちが――っ、りょ、うやさん……っ、ちが、うの……ぼく、うれしく、て……」
「えっ? 嬉しい?」
「ぼくが、ずっと、ずっとみてきた、おひめ、さまと……おなじもの、が、めのまえに、でてきて……それ、で、びっくり、して……」
「理央……そうだったのか。ああ、よかった、本当によかった」
「りょう、やさん……あり、が、とう……ぼく、ほんとに……うれしぃ……っ」
理央がずっと大切にしていた絵本でお姫さまが着ていたドレスは、豪華なレースが首元を彩る、少し袖のあるドレス。
ビスチェタイプのドレスだが、それを覆うように上半身には首元までレースが施されているからいやらしさも何もない。
本当に可愛らしい印象のドレスだ。
スカート部分にはふんわりとしたフリルを幾重にも重ねて、まさにプリンセスのドレス。
後ろには腰部分に大きなリボンをつけ、後ろ姿も可愛らしい。
本当に理央にぴったりに出来上がっていたと思っていたから、理央の反応には驚いたが、言葉も出ないほど喜んでくれたのだと思うだけで嬉しくなる。
「これを着て、俺の花嫁になってくれ」
そういうと、理央はキラキラと光る涙をこぼしながら嬉しそうに頷いてくれた。
まずは凌也&理央から。
このあとヘアメイク、お着替え編に続きます。
* * *
「ミアさん、悪いがここでしばらく待っていてくれ。あとで声をかける」
「承知しました」
「理央、中に入ろう」
理央は少しミアさんのことを気にしながらも、俺と一緒に部屋の中に入った。
「わぁーっ! すごいっ! お姫さまのお部屋みたい!」
「ふふっ。そうだな」
元から花嫁のための部屋なのだ。
色合いも柔らかな絨毯やカーテンで揃えられたこの部屋は、まさにプリンセスの部屋といっても過言ではない。
ここで理央が俺の花嫁となる支度をするのか……。
ああ、最高だな。
出会ってからこの日をどれだけ夢に見たことか……。
「理央……今日の結婚式の日を無事に迎えられて、俺は嬉しいよ」
「凌也さん、僕もです……」
理央の目が訴えかけているのがわかる。
少し潤んだ瞳で俺を見上げるそれは、理央が俺とキスしたいサイン。
いつもなら焦らしてやるのもいいが、今日は理央が主役の日。
ここは甘く蕩けさせてやろうか。
「理央……」
顔を近づけると、俺の首に腕を回して抱きついてくる。
背伸びをして、目を瞑るその表情がなんとも言えないくらいに可愛い。
ピッタリと隙間なく抱き合いながら、理央の甘くて柔らかな唇に自分のそれを重ねる。
何度も何度も啄むと、当然のようにスッと理央の唇が開く。
そこにさっと舌を滑り込ませると、理央の方から舌に絡みついてくる。
ああ、なんと幸せなことだろう。
こんなにも理央が求めてくれるなんて……。
蕩けさせようと思っていたのに、俺の方が理央にやられそうだ。
でも、こんな日があってもいいのかもしれない。
理央からの愛をたっぷりと感じよう。
歯列をなぞり、唾液を絡め、舌先に吸い付く。
「んん……っん」
可愛い吐息混じりの理央の声にクチュクチュと甘い水音が絡み合う。
流石にそろそろ苦しそうか。
ゆっくりと唇を離すと、理央の目がゆっくりと開いて、恍惚とした目で俺を見つめる。
「理央……っ、愛してるよ」
「ぼくも……あい、してます……」
ああ、本当に俺は幸せだ。
こんなに愛しい相手と結婚できるなんて……
って、そうだ!
花嫁の支度をして撮影をするんだった。
つい、理央の可愛さにながされるところだった。
こんなの悠木に知られたら笑われてしまいそうだ。
理央にはあくまでも冷静を装いながら、
「じゃあ、先にドレスを見せておこう」
というと、恍惚とした目から一気に輝きを増した。
ふふっ。こんなところも実に可愛い。
奥の扉を開け中に入ると、片側の壁一面に大きな鏡が設置されているのが見えた。
これなら理央の可愛いドレス姿をいろんな角度から見ることができる。
ああ、そうだ。忘れないうちにスイッチを入れておかないとな。
ロレーヌ総帥に教えられていた通り、理央の支度部屋にあるスイッチを押すと一斉にカメラが作動したのがわかった。
もちろん理央は何も気づいていない。
この部屋の映像は全て俺だけに送られ、そのあとは全て完全消去となることになっているので問題ない。
ロレーヌ総帥はここで結婚式を挙げると決まってから、映像を残すということにかなりこだわってくれたようでその説明を受けたときには悠木と二人で驚いたものだ。
理央の支度の全容を全て映像として残せるなんて最高としか言いようがない。
「理央のためのドレスはこれだよ」
カーテンを開いて見せると、理央は
「――っ!!!」
言葉もなく茫然とドレスを見つめていたかと思ったら、突然その場に蹲った。
「理央っ!! どうしたんだ?」
いつものように大声をあげて、満面の笑みを見せてくれると思っていた。
――わぁーっ! 可愛いっ!! 凌也さん! ありがとうっ!!
そういって喜んでくれると思ったのに……理央は小さな身体をさらに小さく折り曲げて、身体を震わせ泣くばかり。
「気に、いらなかったか? 思い描いていたドレスと違ったか? ごめん、せっかくの結婚式なのに……」
ああ、俺はなんてことを……。
理央のドレスに対する想いを踏み躙ってしまった。
幼い頃から、いつか王子さまが……とそれだけをただひたすらに思っていただろうに……。
「理央、ごめん……」
「ち、ちが――っ、りょ、うやさん……っ、ちが、うの……ぼく、うれしく、て……」
「えっ? 嬉しい?」
「ぼくが、ずっと、ずっとみてきた、おひめ、さまと……おなじもの、が、めのまえに、でてきて……それ、で、びっくり、して……」
「理央……そうだったのか。ああ、よかった、本当によかった」
「りょう、やさん……あり、が、とう……ぼく、ほんとに……うれしぃ……っ」
理央がずっと大切にしていた絵本でお姫さまが着ていたドレスは、豪華なレースが首元を彩る、少し袖のあるドレス。
ビスチェタイプのドレスだが、それを覆うように上半身には首元までレースが施されているからいやらしさも何もない。
本当に可愛らしい印象のドレスだ。
スカート部分にはふんわりとしたフリルを幾重にも重ねて、まさにプリンセスのドレス。
後ろには腰部分に大きなリボンをつけ、後ろ姿も可愛らしい。
本当に理央にぴったりに出来上がっていたと思っていたから、理央の反応には驚いたが、言葉も出ないほど喜んでくれたのだと思うだけで嬉しくなる。
「これを着て、俺の花嫁になってくれ」
そういうと、理央はキラキラと光る涙をこぼしながら嬉しそうに頷いてくれた。
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