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番外編
千鶴たちとの対面 12
彼らを出したせいでまた話が伸びちゃいましたが、15話くらいで終わるのを目標にします。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side透也>
長瀬さんと千鶴さんの配慮で大智との銀座で歩きデートが実現した。
最初こそ自分が女装だとバレるんじゃないかと緊張していた様子の大智だったけれど、周りもそれぞれ自分の相手に夢中で周囲の人間にあまり興味をもたないと気づいてホッとしているようだった。
大智は元々ゲイであることを隠していたからということもあるけれど、あの宏樹とやらのせいもあるだろう。
大智を連れて外に行くのを嫌がり、ほとんど自宅でしか過ごしていなかったと言っていたからな。
出歩いたらバレてとんでもないことになると刷り込まれていたのかもしれない。
今回はその嫌な記憶を払拭することができてよかったな。
大智と二人で歩いていると、俺たちのすぐ近くを歩く二人の男性に目が留まった。
片方の男性は少し恥じらってはいるが、相手から繋がれた手を離そうとはしていない。
それが嬉しいのだろう。
もう片方の男性は嬉しそうに微笑みかけていた。
そのなんとも自然な姿に見ているだけで微笑ましく思える。
大智にその二人の存在を知らせると、大智は自分がいかに気にしすぎだったか気づいたようだった。
彼らの存在は大智にとっていい影響を及ぼしたようだ。
よかったなと思っていると、大智が
「あれ? 透也。あの人見覚えが……」
と言い出した。
そういえばどこかで見覚えが……と思ってすぐに思い出した。
空港で会った真壁警視正だ。
人の顔を覚えるのには自信があるのに大智に言われるまで気づかなかったのは、あの時とは違って随分と柔らかい雰囲気だったからだろう。
とすると隣にいるのは例のアップルパイの恋人に違いない。
あの時は相手が男性とは聞いてなかったが、あの雰囲気は恋人しか考えられないからな。
大智と話しながら声をかけるべきか悩んでいると、真壁さんの方から声をかけてきた。
その間も恋人との手は繋いだままだ。
本当に可愛くてたまらないと言った感じだな。
まだ付き合って間もないんだろうか?
いや、真壁さんの様子を見ると、長年付き合っていたとしてもきっと変わらずに同じような態度をしそうな気がする。
真壁さんは俺の隣をチラチラ見ながら、空港で会ったパートナーのことについて聞いてくる。
もしかしたら喧嘩でもしたんじゃないかと言われたが、きっとそのことが心配でわざわざ声をかけてくれたんだろう。
普通ならいくら知り合いでもお互い恋人連れで声をかけたりはしなさそうだからな。
だから堂々と説明した。隣にいる美人が空港にいた俺のパートナーだと。
大智は顔を真っ赤にして、真壁さんは目を丸くしていたけれど、真壁さんの隣にいた男性だけは大智を見て目を輝かせていた。大智に気があるというわけではない。あれは大智への憧れとでもいうのだろうか。
大智を見てすごく綺麗だと言ってくれた賞賛の声には、自分もそうなってみたいという気持ちが表れているように見えた。
「真壁さん、お隣の方はあの時話をされていたアップルパイの方ですか?」
「えっ? あ、はい。そうです」
大智の変貌ぶりに驚いていた真壁さんはにこやかに返事をしてから、隣に立つ彼の肩を優しく抱いていた。
「私の大事な恋人の久代要さんです」
「――っ!! 冬貴さん……っ」
恋人と紹介されて頬を赤くする久代さんの姿に、つい北原の姿を思い出した。
あいつも小田切さんに恋人だと紹介されて同じように頬を赤らめていたな。
北原の方が子どもっぽいがなんとなく雰囲気は似ている気がする。
大智もきっと同じように思っているようで、久代さんを見る目が優しい。
大智は面倒見がいいからな。ついつい上司のように見てしまうんだろうな。
「初々しくて素敵なカップルですね。見ているだけで微笑ましいです。とてもお似合いですよ」
「要さん、聞きましたか? 私たち、お似合いだそうですよ」
大智の言葉に素直に喜ぶ真壁さんとその隣で嬉しそうに笑顔を見せる久代さん。
大智のいう通り、本当にお似合いだな。
「お二人はこの後、何かご予定がおありですか? もしよければ一緒に食事でもいかがですか?」
「ありがとうございます。でもこれから義妹夫婦と結婚祝いの食事会なんですよ。ねぇ、大智」
「ええ。そうなんです。私の双子の妹で……」
「そうなんですね。ご結婚おめでとうございます。それでは時間のある時にでもぜひ」
「そうですね。普段はL.Aにいるんですが、あと一週間くらいは日本に滞在予定なのでもし時間が合えばぜひ」
真壁さんとその場で連絡先を交換している間に、大智も久代さんと連絡先を交換していた。
お互いに笑顔で別れて、長瀬さんたちの待ち合わせ場所に向かう。
その間、大智は
「久代さんって、かなり優秀な人物っぽいな。あの雰囲気はかなりのものだよ」
と何度も呟いていた。
確かに俺もそんな気がしていた。
本当に時間が合えば真壁さん共々ゆっくり話がしてみたい。そんな気にさせられた。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side透也>
長瀬さんと千鶴さんの配慮で大智との銀座で歩きデートが実現した。
最初こそ自分が女装だとバレるんじゃないかと緊張していた様子の大智だったけれど、周りもそれぞれ自分の相手に夢中で周囲の人間にあまり興味をもたないと気づいてホッとしているようだった。
大智は元々ゲイであることを隠していたからということもあるけれど、あの宏樹とやらのせいもあるだろう。
大智を連れて外に行くのを嫌がり、ほとんど自宅でしか過ごしていなかったと言っていたからな。
出歩いたらバレてとんでもないことになると刷り込まれていたのかもしれない。
今回はその嫌な記憶を払拭することができてよかったな。
大智と二人で歩いていると、俺たちのすぐ近くを歩く二人の男性に目が留まった。
片方の男性は少し恥じらってはいるが、相手から繋がれた手を離そうとはしていない。
それが嬉しいのだろう。
もう片方の男性は嬉しそうに微笑みかけていた。
そのなんとも自然な姿に見ているだけで微笑ましく思える。
大智にその二人の存在を知らせると、大智は自分がいかに気にしすぎだったか気づいたようだった。
彼らの存在は大智にとっていい影響を及ぼしたようだ。
よかったなと思っていると、大智が
「あれ? 透也。あの人見覚えが……」
と言い出した。
そういえばどこかで見覚えが……と思ってすぐに思い出した。
空港で会った真壁警視正だ。
人の顔を覚えるのには自信があるのに大智に言われるまで気づかなかったのは、あの時とは違って随分と柔らかい雰囲気だったからだろう。
とすると隣にいるのは例のアップルパイの恋人に違いない。
あの時は相手が男性とは聞いてなかったが、あの雰囲気は恋人しか考えられないからな。
大智と話しながら声をかけるべきか悩んでいると、真壁さんの方から声をかけてきた。
その間も恋人との手は繋いだままだ。
本当に可愛くてたまらないと言った感じだな。
まだ付き合って間もないんだろうか?
いや、真壁さんの様子を見ると、長年付き合っていたとしてもきっと変わらずに同じような態度をしそうな気がする。
真壁さんは俺の隣をチラチラ見ながら、空港で会ったパートナーのことについて聞いてくる。
もしかしたら喧嘩でもしたんじゃないかと言われたが、きっとそのことが心配でわざわざ声をかけてくれたんだろう。
普通ならいくら知り合いでもお互い恋人連れで声をかけたりはしなさそうだからな。
だから堂々と説明した。隣にいる美人が空港にいた俺のパートナーだと。
大智は顔を真っ赤にして、真壁さんは目を丸くしていたけれど、真壁さんの隣にいた男性だけは大智を見て目を輝かせていた。大智に気があるというわけではない。あれは大智への憧れとでもいうのだろうか。
大智を見てすごく綺麗だと言ってくれた賞賛の声には、自分もそうなってみたいという気持ちが表れているように見えた。
「真壁さん、お隣の方はあの時話をされていたアップルパイの方ですか?」
「えっ? あ、はい。そうです」
大智の変貌ぶりに驚いていた真壁さんはにこやかに返事をしてから、隣に立つ彼の肩を優しく抱いていた。
「私の大事な恋人の久代要さんです」
「――っ!! 冬貴さん……っ」
恋人と紹介されて頬を赤くする久代さんの姿に、つい北原の姿を思い出した。
あいつも小田切さんに恋人だと紹介されて同じように頬を赤らめていたな。
北原の方が子どもっぽいがなんとなく雰囲気は似ている気がする。
大智もきっと同じように思っているようで、久代さんを見る目が優しい。
大智は面倒見がいいからな。ついつい上司のように見てしまうんだろうな。
「初々しくて素敵なカップルですね。見ているだけで微笑ましいです。とてもお似合いですよ」
「要さん、聞きましたか? 私たち、お似合いだそうですよ」
大智の言葉に素直に喜ぶ真壁さんとその隣で嬉しそうに笑顔を見せる久代さん。
大智のいう通り、本当にお似合いだな。
「お二人はこの後、何かご予定がおありですか? もしよければ一緒に食事でもいかがですか?」
「ありがとうございます。でもこれから義妹夫婦と結婚祝いの食事会なんですよ。ねぇ、大智」
「ええ。そうなんです。私の双子の妹で……」
「そうなんですね。ご結婚おめでとうございます。それでは時間のある時にでもぜひ」
「そうですね。普段はL.Aにいるんですが、あと一週間くらいは日本に滞在予定なのでもし時間が合えばぜひ」
真壁さんとその場で連絡先を交換している間に、大智も久代さんと連絡先を交換していた。
お互いに笑顔で別れて、長瀬さんたちの待ち合わせ場所に向かう。
その間、大智は
「久代さんって、かなり優秀な人物っぽいな。あの雰囲気はかなりのものだよ」
と何度も呟いていた。
確かに俺もそんな気がしていた。
本当に時間が合えば真壁さん共々ゆっくり話がしてみたい。そんな気にさせられた。
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