有能な調査員は健気で不憫なかわい子ちゃんを甘やかしたい!

波木真帆

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四人で会おうか

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久しぶりに外に出て疲れているだろうから、少し休んだほうがいいと声をかけて俺たちのベッドに寝かせていると、内ポケットに入れていたスマホが振動を伝えてきた。そっと画面表示を見るとユウさんの名前が見えた。

ユウさんとは砂川くんのあの事件が解決してから、一件砂川くんがらみの仕事で動いて、その報告をしにカフェで話をした以来だ。そういえば、あの時俺とユウさんが一緒にいるのを砂川くんがみて、裏の話を話すことになったと報告が来ていた。

それでユウさんが調査員をしていることも、俺がその手伝いをしていることも全て話すことになったそうだが、砂川くんはちゃんとそれを自分の胸にだけ留めていたんだな。

俺が伊月くんと一緒にいることも伊月くんからのメッセージで知っているだろうに、俺がユウさんの裏の仕事を請け負っている調査員だとはバラさなかった。それは今日、伊月くんに包み隠さず話した時の反応からも、伊月くんが今日初めて聞いた話だとわかったからだ。

砂川くんは信頼のおける子だな。そして、伊月くんも自分からは砂川くんには言わないだろう。そのことも含めて一度ユウさんとは話をしておいたほうがいいと思っていたから、この電話はいいタイミングと言えるだろう。

可愛い寝顔を見せてくれている伊月くんから離れるのは少し寂しかったが、気持ちよさそうに眠っている伊月くんの頬にそっとキスを落として、ベッドから下りて寝室を出てから電話をとった。

ーシン。今大丈夫か?

ーええ。少しなら大丈夫ですよ。何か仕事の話ですか?

ーいや、今のところは差し迫っている案件はないから心配しないでいい。田淵くんのことで連絡したんだ。退院したそうだな。おめでとう。

ーありがとうございます。砂川くんから聞いたんですか?

ーああ。お祝いに行きたがってたんだが、都合が合わなくて残念がってたよ。

ーははっ。そうだったんですね。てっきりユウさんが行かせないようにしたんだと思ってましたよ。

ー私が? なんで、そんなこと。

ーユウさん、砂川くんのことに関しては狭量じゃないですか。

ー狭量って……まぁ、そのことについては反論できないが。それはお前もだろう? 退院したあと、一緒に暮らすことになったと真琴から聞いたぞ。

ーああ、やっぱりそこまで聞いてましたか。セキュリティの甘すぎるアパートに住んでましたからね。二ヶ月も入院してましたし、家賃を払い続けるのも勿体無いでしょう? だから、一緒に暮らすように提案したんですよ。

ーそれでよく了承してくれたな。

ーええ。住み込みで家事をして欲しいと頼みました。

ーははっ。なんでもできるお前の家で、住み込みで家事か。それはいい手だったな。それで、今日から落としにかかるわけか? お前も田淵くんを気に入っているんだろう?

ーええ。それならもう大丈夫です。

ーえっ? 

ーもう思いを伝え合いましたから。晴れて恋人になりました。

ーもう? それは早いな。あ、それじゃあもしかして邪魔したか?

ーいえ。そんな気遣いは大丈夫です。ゆっくり進めていくことにしたので。

ーそうか、それは……すごいな。

顔が見えなくても驚きの表情を浮かべているのが手に取るようにわかって笑ってしまった。
この反応から察するに、きっとユウさんは砂川くんを家に入れてすぐに手を出したんだろう。

一回り以上も下の相手に惹かれて声もかけられないと言っていたくらいだ。そばに来たら我慢できなかったんだろうな。ユウさんがそんな思いを抱くこと自体、今までのユウさんからは想像できないんだ。そんな相手ができたのならすぐにでも繋がりたいと思うのは当然だろう。

俺も同じようなものだが、今はまだゆっくりでいい。伊月くんが自分から甘えてくれるようになるまで俺はいつまでだって待てる。

ーまぁそのことはともかくお互い恋人になったことですし、これからも調査の仕事を続けていくなら隠し事はないほうが楽でしょう? 砂川くんも伊月くんもお互いにどこまで知っているのか、悩みながら話をしあうのも大変でしょうし。

ーそうだな。一度四人で会うとしよう。真琴も田淵くんの退院祝いがしたいと話していたからな。明日でも構わないか?

ーええ。こういうのは早いほうがいいですからね。じゃあ、連絡待っています。

ーああ、すぐに連絡するから。

そう言って電話が切られて数分後には店のURLがメッセージに送られてきていた。

店を確認すると、ユウさんが気に入っている完全個室の店。
完全防音になっている個室部屋ならのんびりと話ができるし、四人で会うにはもってこいの場所だ。

さて、伊月くんにはどうやって話を持ちかけようか。反応が楽しみだな。
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