イケメンスパダリ社長は僕の料理が気に入ったようです

波木真帆

文字の大きさ
42 / 71
番外編

クリスマスの朝 <直己&佳都のパパママ編>

しおりを挟む
夫婦二人のクリスマスイブを過ごした直己の両親のクリスマスの朝のお話です。
佳都&直己も一応出演中。
ちなみに
綾城直己の両親……清佳さんと秋芳さん。
悠木寛人の両親……茜音さんと寛海さん。
観月凌也の両親……麗花さんと久嗣さん。
です。


  *   *   *

<side清佳>

クリスマスイブの夜、二人で久しぶりにホテルでディナーをして、夜はそのまま最上階のスイートルームで恋人同士の時のような甘い夜を過ごした。
とはいえ、昔のように一晩に何度もなんてことはできなかったけれど、それでもたっぷりと時間をかけて心から愛し合うことができて、最高のクリスマスの朝を迎えた。

子どもたちもそれぞれの予定があるし、ようやく二人だけの時間が過ごせるようになってきたのだから、夫婦としてこれほど嬉しいことはない。

ただ、私は昨夜から密かに待ち続けているものがあった。
まだかしら?
そろそろよね?

けれど、まだスマホは鳴りそうにない。

もう、あの子は一体何をしているのかしら。
終わったらすぐに動画を送るようにとあれほど言っておいたのに。

ベッドに横たわりながら、鳴る気配のないスマホを見続けていると、突然後ろからギュッと抱きしめられた。

「清佳、もう起きていたのか?」

「あっ、秋芳さん。起こしちゃった?」

「いや、そろそろ起きようと思っていたから問題ない。それより朝からスマホを抱きしめてどうしたんだ?」

「えっ、あの……」

甘い夜を過ごした朝に違うことを考えていたなんて言うのは少し憚られる。

「ふふっ。おおかた、直己からの連絡を待っていたのだろう?」

「えっ、どうしてわかったの?」

「それはわかるさ。清佳のことならなんでもな」

「んっ!」

チュッとキスされて恥ずかしくなる。
もう何十回、いや、何千回はしているキスなのに、今日のキスは妙に甘ったるい。

「クリスマスの朝にまた清佳に恋をしたようだ。今日の清佳はいつにも増して美しい」

「秋芳さんったら……」

「冗談なんかじゃないぞ。このまま愛し合いたいが、今日は大事な予定が詰まっているからな。また夜にしておこうか」

またチュッと唇にキスされて、秋芳さんはベッドから起き上がった。

「あっ……」

「ふふっ。大丈夫、ルームサービスを頼むだけだよ」

そう言って、秋芳さんは寝室を出て行った。
その後ろ姿にときめいてしまう。

もういい年なのに、改めて秋芳さんを好きになるなんて……これもラブラブな子どもたちの影響かしらね。

そんなことを思っているとスマホが鳴り、待ち焦がれた相手からの連絡が来た。

「あっ! 来たっ!!」

例えどんなに重い動画データであっても関係ない。
これをずっと待ってたんだから。

秋芳さんにはちゃんと後で見せるし、先に見ちゃっていいかしらね。

だって待てないんだもの。

ごめんね、秋芳さん。
そう心の中で謝りながら、送られてきた動画をタップした。


「わぁーっ! かっこいいスニーカーだっ!!」

ふふっ。無邪気に喜んでる。
うんうん。麗花さんが選んだスニーカー、よく似合ってる。

「直己さん、見てみてっ! ふわふわの可愛いコートだよ!! フランスは寒いからすぐに着られるね」

ああ、やっぱり茜音さんが選んだコートもよく似合ってるわ。
ふふっ。佳都ったらこんなに喜んで。
フランスから帰ってきたら、このコートを着せて初詣にでも行こうかしら。
ああ、でも着物も捨てがたいわ……。

「直己さん! この帽子とマフラーも可愛いよっ!!」

あっ、これは秋芳さんが選んだ贈り物だわ。
ふふっ。さすがね、佳都の可愛いところが全部引き出されてる。

「あっ! これ……っ」

この包みは私が選んだ贈り物ね。
あら?
これをみた途端、佳都が黙ってしまったわ……。
もしかしたら気に入らなかったのかしら?

ドキドキしながら食い入るように画面を見ていると、

「これ……直己さんと、お揃いの……万年筆だ……」

と涙を潤ませながら、佳都が嬉しそうに万年筆を抱きしめた。

まさか、一目見て直己とお揃いの万年筆だと気づいてくれるなんて……。
なんてことかしら。

佳都にクリスマスプレゼントの贈り物を選ぶと決まった時、最初に頭に思い浮かんだのは直己が医師国家試験に合格した時に贈った特注の万年筆だった。

これから社会人として働く佳都ならきっと喜んでくれるかもしれない。
そんな気持ちで、直己に贈った時と同じ職人さんに連絡を入れて対になるように作ってもらったの。

でも、まさか涙を流すほど喜んでくれるなんて思っても見なかった。

「直己さんとお揃いのものをお母さんにプレゼントしてもらえるなんて……僕、夢みたいだ。最高のクリスマスプレゼントだね!」

満面の笑みを見せてくれる佳都の姿に、私の方が贈り物をもらったように心が温かくなっていた。

まさか、この歳になって私にもサンタさんがやってきてくれるなんて……。
今頃……茜音さんも麗花さんもサンタさんからの贈り物をもらっていることだろう。

さぁ、午後からはお互いに送られてきた動画、そしてメインイベントであるフランスのサンタさんの動画の鑑賞会をするのだから、そろそろ起きて用意しないとね!!

「秋芳さんっ! 来てっ!!」

私の声に寝室に飛んできてくれた秋芳さんに抱っこしてもらって、リビングに連れて行ってもらった。

そして、朝食を食べながらさっきの佳都の可愛い動画の鑑賞会。
いつも以上に笑顔いっぱいで朝食を終えて、いそいそとホテルを出た。

ああ、麗花さんたちが持っている動画も楽しみだわ。
しおりを挟む
感想 76

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

処理中です...