イメケンスパダリ弁護士はようやく見つけた最愛と激甘な夫夫生活始めます

波木真帆

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家族になろう

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理央を抱きしめて眠った日の朝、幸せな目覚めかと思いきや突然理央が泣き出して驚いた。

理由を尋ねると、施設に残してきた子どもたちのことを思い出すと、自分だけが幸せになったのが申し訳ないと思ったと教えてくれた。

理央の優しい心に俺も涙が出そうになる。
それと同時にいつまでも自分以外の存在が理央の心に残っていることに嫉妬してしまう。

早くあの施設の件を解決させて、理央が俺のことだけを考えてくれるようにしないとな。
理央が俺以外のことを思って涙を流す姿などもうみたくない。

施設のことは俺がなんとかするから心配しないでいい。
理央にそう言って安心させた。

そして、理央にはあの施設のことよりもこれからの自分の人生のことを考えてもらいたいと思って、昨夜両親と話したことを伝えるつもりだった。

その前に朝食をと思い、理央を連れてダイニングへと向かった。
理央が着ている、パジャマ代わりに渡した俺の大き目のTシャツから可愛い乳首が覗いているのをチラリと覗き見しながら朝食作りに取り掛かる。

そんな不埒な目で俺が見ていることも知らずに、理央は俺が料理しているのを嬉しそうに見つめていた。

今日はかなり手抜きだが、オムレツだけは愛情込めて作ったから許してもらうとしよう。
パンを焼き、前に悠木からもらっていたホテル仕様の缶詰のスープを鍋に入れ、自分好みに塩胡椒で味を整えた。
昨日の誕生日ケーキも切り分けてそれらを理央の前に並べると、理央は嬉しそうに顔を綻ばせた。

ああ、この笑顔が見たいんだ。

理央はどれから食べようかと悩んで最初にスープに手をつけた。

一口飲んで、人参だ! と嬉しそうに声を上げる。
本当にどれをとっても可愛らしい。

理央が気に入ってくれたスープがホテルの缶詰だと教えたところで、綾城の結婚式がもう間近に迫っていたことを思い出した。
理央に俺のパートナーとして一緒に結婚式に参列しようと声をかけると驚いていたものの、すぐに満面の笑みになった。
この後すぐに綾城に同伴者を連れて行くと連絡しておこう。

可愛い理央を鑑賞しながら、あっという間に朝食を食べ終えこれからのことについて話をした。

まず理央にこれから何かしたいものや、将来の夢がないかを尋ねると、理央はあれだけの仕打ちを受けておきながら高校に行けていたらあの施設への恩返しのためにいい職につきたいと考えていたと話した。

あんな奴らのために恩返しするなんて必要ないというのに……なんて綺麗な心をしているのだろう。

理央は続けて、あのとんでもない事務所から俺が救い出してくれたのがかっこよかったから、俺と同じ弁護士になりたいと言ってくれた。

愛しい恋人に自分のようになりたいと言われて嬉しくないわけがない。
俺は天にも昇る心地で、弁護士になりたいならこれから勉強をしないか? と提案すると理央は最初、自分が中卒だからと尻込みしているようだったが、高校認定試験を受ければ問題ないと教えてやると俄然やる気になったようで、俺と一緒に仕事ができるようになりたいとまで言ってくれた。

理央が司法試験に受かれば、この事務所で2人でずっとやって行くのもいいな。
あ、いや……司法修習に行かせるのは心配だな……。
法学部に行かせて勉強させるだけでもいいか。
そうなったら俺の右腕となってついてもらうのもいい。

頭の中で妄想を膨らませながら、理央にこの後すぐに買い物に行って必要なものを揃えようと声をかけた。

俺の言葉にあれだけ喜んでいた理央が急にトーンダウンしたのは、買い物するお金を持っていないからだろう。
理央に金がないことは百も承知だし、そもそも理央に出させる気など全くない。

普通なら、こんな家に住まわせてもらってなんでも好きに使っていいと言われれば、金の心配などすることもなく与えられるものを当然に受け取るだろうに……理央は俺に金を負担させることを嫌がっているようだ。

俺は理央のためになら惜しみなく使うのに。
それにそれくらいの金を使っただけで困るような生活はしていない。
理央の10人や20人、楽に養えるほどの蓄えは十分にある。
これから一生金の心配などさせやしない。
やりたいことは全部させてあげたいし、理央の喜ぶ顔がいつでも見たいんだ。

そのために俺は両親と決めた話を理央に伝えることにした。

けれど、理央が嫌だといえば無理強いはしない。
また別の道を考えればいい。

強制じゃないからと前置きした上で、理央に俺と本当の家族にならないかと提案した。

理央は俺の言っている意味がわからなかったようだったが、男同士では結婚できないという現実の中で俺と理央が本当の家族になるためにどうしたらいいかを説明すると、理央は真剣に話を聞いてくれた。

通常男同士の結婚に代わるものといえば、どちらかの養子となって同じ籍に入る養子縁組が一般的だろう。
年長者の籍に入るため、理央は必然的に俺の子どもということになる。
それよりは俺の両親の籍に入り、俺と兄弟になった方が理央の将来を考えても幸せだろう。
両親の有り余る遺産があれば、それこそ一生理央に苦労をさせることはないし、それに何より理央に両親を作ってあげることができるのだ。

だから、理央にうちの両親の籍に入って本当の家族にならないか? と提案すると、理央はそんなことを許されるわけがないと言い出した。
まぁそう思うだろうな。

だが、これを提案してきたのは両親の方だ。
だから問題ない。
両親も理央が家族になってくれるのを楽しみにしているよ。

と返してやると、理央は嬉しそうに声を震わせながら喜んでくれた。
こんなにも喜んでくれるのだから、さっさと手続きをして観月理央にしてやらないとな。

俺は理央にこれからのことを分かってもらうために、

「これからは私が何をしてあげても遠慮することはないんだ。私たちは家族だからね。
家族がお互いを思ってしてあげることに遠慮なんかしないだろう? だから、私が理央にしてあげることは全て受け入れて欲しいんだ。いい?」

と改めて念を押すと、理央は遠慮がちな目をしつつも最後には

「わかりました」

と言ってくれた。

よし、これで家族という大義名分の名のもとに理央になんでもしてやれるな。

ふふっ。
これからが楽しみだ。
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