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安心する匂い
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「お、おはようございます、伯父さん」
「ああ、おはよう。着替えたものは洗濯機に入れておいてくれ」
「あ、はい。すぐに俺も手伝います」
「ああ、頼むよ」
何か言われるかと緊張したけれど、伯父さんの様子はいつもと変わらない。
それが嬉しかった。
「何を手伝いますか?」
脱衣所に行って洗濯物を出してから尋ねると、
「じゃあ、昇は直純くんのおにぎりを頼もうか」
と言われた。
直純くんのためのご飯なら喜んで!!
「朝はご飯なんですね、直純くんの好みですか?」
「いや、あの子は何も言わない。ただ、実家では焼いてないパンと一杯の牛乳だけを飲んでいたそうだから朝にパンを見ると嫌な思い出が甦るんじゃないかと思って、和食にしているんだ」
「えっ? 成長期にパンと牛乳だけですか? だからあんなに細いのか……」
昨日腕に抱いて寝た直純くんはかなり痩せていた。
服の上からでも痩せているなとは思ったけれど、抱きしめるとそれがよくわかった。
「あれでもここに来て随分増えた方だよ。まだあんまり量は食べられないから、腹持ちのいいものがいいだろうと思ってね。おにぎりも少し小さめに作ってやってくれ」
「分かりました」
どの具材が好きなのかわからないから、とりあえず何種類か作っておくか。
残れば俺が食べればいい。
「ほお、なかなか上手いな」
「おにぎりはよく作って学校に持って行ってるんで」
「ああ、昼までにお腹が空くからな」
あっという間に小さなおにぎりを十個ほど作り、他のおかずは伯父さんがすでに完成させて、あとは直純くんと絢斗さんを呼びに行くだけとなった時、
「昇。スマホを持ってるか?」
と尋ねられた。
「ええ、ありますけど……それが何か?」
伯父さんの質問の意図が読めないまま、ポケットからスマホを取り出した。
「頑張ったお前にプレゼントだよ」
「頑張った?」
「ああ、直純くんに手を出さなかっただろう?」
「――っ、なんでそれを……」
「ははっ。お前の様子を見ればわかるよ。まだまだ先は長いが、とりあえずは良い兄のような存在には、なれてるんじゃないか?」
その言葉と同時に俺のスマホが震える。
伯父さんからのメッセージ……これがプレゼント?
不思議に思いながら画面を開くと、
「あ――っ!!!! こ、これ……」
俺が直純くんを抱きしめて、寝ている写真が現れた。
「いい写真だろう? お前たちにとって初めての記念だからな。大丈夫、私は直純くんの顔は見ていないよ。じゃあ、私は絢斗を起こしてくるから」
そう言って伯父さんはキッチンを出て行った。
スマホ画面に映る写真には、確かに直純くんの顔は映っていない。
けれど、そこからは幸せな俺たちの時間がありありと感じられる。
決して自分じゃ撮ることのできない最高の写真だ。
これは俺の宝物にしよう。
伯父さん、ありがとう。
そう心の中でお礼を言いながら、しっかりと写真を保存して、直純くんのいる客間に向かった。
<side直純>
「……みくん、直純くん……」
「んんっ……だぁれ……?」
「ふふっ。可愛いな」
そんな優しい声が耳元で聞こえて、僕は目を覚ました。
「わっ!」
目の前に突然かっこいい人が現れて驚きの声を上げた瞬間、その人が昇さんだと思い出した。
「あっ、昇さん……」
「ふふっ。目が覚めた? おはよう」
「おはよう、ございます……あの、僕……」
「ごめんね。昨日ゲームに夢中になりすぎて、直純くんを寝かせるのを遅くなっちゃって……」
もうゲームはやめておこうと言われるんじゃないかと思うと怖くて、慌てて僕は起き上がった。
「いえ、あの……僕、すっごく楽しかったです……だから…‥っ」
またゲームを一緒にやりたい!
そう言いたかったけれど、嫌がられたら……と思うと言えずにいた。
だけど、
「ああ、また一緒にゲームしよう。今度は時間を決めて」
とボンと僕の頭に触れながら笑顔で言ってくれたんだ。
ああ、昇さんはすっごく優しい。
「――っ!! はい!!」
「じゃあ、行こうか」
手を差し出されて、ドキドキしながらそっと手を乗せると僕を立たせてくれて、僕の部屋まで連れて行ってくれた。
「朝ごはんできてるから、着替えたらダイニングにおいで」
笑顔で去っていく昇さんを見送りながら、さっき昇さんに触れられた頭に手をやった。
昇さんって……本当のお兄ちゃんみたい。
部屋に入ると、なんだか物足りない気がする。
あれ? どうしてだろう?
不思議に思いながら着替えをすると、パジャマを脱ぐ時にふわっと昇さんの匂いを感じた。
なんで? ああ、そうか……ずっと一緒にいたから匂いがついたんだ。
この匂い、ものすごくホッとする。
あー、脱ぐのが勿体無く思っちゃうな。
とはいえ、パジャマのままでご飯は食べられない。
僕は急いで着替えを済ませて脱いだパジャマをベッドの上に残し、部屋をでた。
「ああ、おはよう。着替えたものは洗濯機に入れておいてくれ」
「あ、はい。すぐに俺も手伝います」
「ああ、頼むよ」
何か言われるかと緊張したけれど、伯父さんの様子はいつもと変わらない。
それが嬉しかった。
「何を手伝いますか?」
脱衣所に行って洗濯物を出してから尋ねると、
「じゃあ、昇は直純くんのおにぎりを頼もうか」
と言われた。
直純くんのためのご飯なら喜んで!!
「朝はご飯なんですね、直純くんの好みですか?」
「いや、あの子は何も言わない。ただ、実家では焼いてないパンと一杯の牛乳だけを飲んでいたそうだから朝にパンを見ると嫌な思い出が甦るんじゃないかと思って、和食にしているんだ」
「えっ? 成長期にパンと牛乳だけですか? だからあんなに細いのか……」
昨日腕に抱いて寝た直純くんはかなり痩せていた。
服の上からでも痩せているなとは思ったけれど、抱きしめるとそれがよくわかった。
「あれでもここに来て随分増えた方だよ。まだあんまり量は食べられないから、腹持ちのいいものがいいだろうと思ってね。おにぎりも少し小さめに作ってやってくれ」
「分かりました」
どの具材が好きなのかわからないから、とりあえず何種類か作っておくか。
残れば俺が食べればいい。
「ほお、なかなか上手いな」
「おにぎりはよく作って学校に持って行ってるんで」
「ああ、昼までにお腹が空くからな」
あっという間に小さなおにぎりを十個ほど作り、他のおかずは伯父さんがすでに完成させて、あとは直純くんと絢斗さんを呼びに行くだけとなった時、
「昇。スマホを持ってるか?」
と尋ねられた。
「ええ、ありますけど……それが何か?」
伯父さんの質問の意図が読めないまま、ポケットからスマホを取り出した。
「頑張ったお前にプレゼントだよ」
「頑張った?」
「ああ、直純くんに手を出さなかっただろう?」
「――っ、なんでそれを……」
「ははっ。お前の様子を見ればわかるよ。まだまだ先は長いが、とりあえずは良い兄のような存在には、なれてるんじゃないか?」
その言葉と同時に俺のスマホが震える。
伯父さんからのメッセージ……これがプレゼント?
不思議に思いながら画面を開くと、
「あ――っ!!!! こ、これ……」
俺が直純くんを抱きしめて、寝ている写真が現れた。
「いい写真だろう? お前たちにとって初めての記念だからな。大丈夫、私は直純くんの顔は見ていないよ。じゃあ、私は絢斗を起こしてくるから」
そう言って伯父さんはキッチンを出て行った。
スマホ画面に映る写真には、確かに直純くんの顔は映っていない。
けれど、そこからは幸せな俺たちの時間がありありと感じられる。
決して自分じゃ撮ることのできない最高の写真だ。
これは俺の宝物にしよう。
伯父さん、ありがとう。
そう心の中でお礼を言いながら、しっかりと写真を保存して、直純くんのいる客間に向かった。
<side直純>
「……みくん、直純くん……」
「んんっ……だぁれ……?」
「ふふっ。可愛いな」
そんな優しい声が耳元で聞こえて、僕は目を覚ました。
「わっ!」
目の前に突然かっこいい人が現れて驚きの声を上げた瞬間、その人が昇さんだと思い出した。
「あっ、昇さん……」
「ふふっ。目が覚めた? おはよう」
「おはよう、ございます……あの、僕……」
「ごめんね。昨日ゲームに夢中になりすぎて、直純くんを寝かせるのを遅くなっちゃって……」
もうゲームはやめておこうと言われるんじゃないかと思うと怖くて、慌てて僕は起き上がった。
「いえ、あの……僕、すっごく楽しかったです……だから…‥っ」
またゲームを一緒にやりたい!
そう言いたかったけれど、嫌がられたら……と思うと言えずにいた。
だけど、
「ああ、また一緒にゲームしよう。今度は時間を決めて」
とボンと僕の頭に触れながら笑顔で言ってくれたんだ。
ああ、昇さんはすっごく優しい。
「――っ!! はい!!」
「じゃあ、行こうか」
手を差し出されて、ドキドキしながらそっと手を乗せると僕を立たせてくれて、僕の部屋まで連れて行ってくれた。
「朝ごはんできてるから、着替えたらダイニングにおいで」
笑顔で去っていく昇さんを見送りながら、さっき昇さんに触れられた頭に手をやった。
昇さんって……本当のお兄ちゃんみたい。
部屋に入ると、なんだか物足りない気がする。
あれ? どうしてだろう?
不思議に思いながら着替えをすると、パジャマを脱ぐ時にふわっと昇さんの匂いを感じた。
なんで? ああ、そうか……ずっと一緒にいたから匂いがついたんだ。
この匂い、ものすごくホッとする。
あー、脱ぐのが勿体無く思っちゃうな。
とはいえ、パジャマのままでご飯は食べられない。
僕は急いで着替えを済ませて脱いだパジャマをベッドの上に残し、部屋をでた。
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