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一緒に作ろう!
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可愛い直くんを腕に抱き、その肌の感触をたっぷりと腕に覚えさせて風呂を出た。
ぐっすり眠ってしまった直くんを大きなバスタオルで包み、脱衣所に置かれている広いソファーに寝かせた。
この寝心地の良さそうなソファーはきっとこのために置かれているんだろう。
そういえば、父さんたちが使う風呂場の脱衣所にも横になれるくらいの大きさのソファーが置かれていた。
あれはこういうことだったんだと今改めてわかる。
このソファーのおかげで直くんを起こさずに俺の着替えを済ませられるもんな。
さっと着替えを済ませて、今度は直くんの番だ。
吸水力の高いタオルを頭に巻き、パジャマを着せた。
横向きで寝かせながら、ドライヤーを静音にして直くんの髪を乾かし、抱っこして脱衣所を出た。
「昇、直くんはどうしたんだ? まさか、のぼせたのか?」
たまたま部屋から出てきたじいちゃんと部屋の前で会い、尋ねられた。
「違うよ、風呂が気持ち良すぎて眠くなったみたい。今日はじいちゃんにも会えて興奮してたからそのせいもあるかも」
「そうか。それならよかった。あとで水分だけは摂らせたほうがいいぞ」
「うん。そうする。じゃあ、俺。直くんをベッドに寝かせて少し勉強してから寝るから」
「ああ。おやすみ」
「おやすみなさい」
リビングから伯父さんたちの声も聞こえなかったし、もう部屋に入っているんだろう。
ここからはそれぞれの時間だ。
直くんをベッドに寝かせると、俺が寝るまでの間を守ってもらうようにクマたちとペンギンたちを直くんの周りに並べておいた。
それから二時間ほど集中して勉強をして、キッチンにレモン水を取りに行った。
じいちゃんの部屋も明かりが消えていたからもう寝ているんだろう。
俺は静かにレモン水を持って部屋に戻ると、直くんを抱き起こして耳元で優しく声をかけた。
「直くん、ちょっとだけお水飲もうか」
「んー」
半分眠ったままで返事をするのが可愛い。
優しく抱き起こして咽せないように飲むのを手伝ってやると、身体が水分を欲していたようで美味しそうに飲み干していた。
これでいい。
俺はグラスをベッド横の棚に置くとそのまま直くんを抱きしめて眠りについた。
「んっ……なお、くん?」
腕の中の直くんが起きるのを感じてすぐに目を覚ました。
「ごめんなさい、起こしちゃいましたか?」
「気にしないでいいよ。でも今日はいつもより早くない?」
時計は見てないけど、平日に起きるのと同じ時間くらいだろう。
今日は土曜日だから、いつもならもう少し寝ているはずだ。
「あ、あの……僕、おじいちゃまにおにぎり作りたいなって……」
「えっ? おにぎり?」
「はい。アメリカから帰ってきたばかりだから日本食の朝食が食べたいだろうなと思って……僕、おにぎりなら作れるから……」
「そっか、それで早く起きたんだ」
俺の言葉に嬉しそうに頷く直くんが本当に可愛い。
でも、直くんがじいちゃんのためにそこまで考えていたなんて……。
これはじいちゃんも嬉しいだろうな。
「じゃあ、俺も味噌汁作るよ。孫二人からの手作り朝食、きっと喜んでくれるよ。じゃあ、顔を洗ってキッチンに行こうか」
「はい!」
嬉しそうな直くんを洗面所にいかせて、俺はまずはトイレに駆け込んだ。
いつものお約束だ。これをしないと動けそうにないからな。
急いで処理を済ませて、パジャマから部屋着に着替えて。キッチンに向かった。
ご飯をどれくらい炊こうかと考えていると、
「昇? 早いな」
と声が聞こえた。
「えっ? あ、おはよう。じいちゃんこそ早いね」
「ああ。今朝は私が朝食を作ると卓たちと約束していたからな」
「えっ、そうなの?」
まさかそんな話がじいちゃんと伯父さんの間で交わされていたなんて知らなかった。
「どうした?」
「いや、直くんがじいちゃんのために朝食作りたいって言ってたから、一緒に作ろうと思って用意していたんだよ」
「直くんが、私に? そうか、それは嬉しいな。じゃあ、私はみんなの分を作るから、直くんと昇には私だけの朝食を作ってもらおうか」
「それいいね! じゃあ、俺、ご飯だけ先に準備するよ。そのあとじいちゃんが先にキッチンを使っていいよ」
「ああ、ありがとう」
そう決まったところで直くんがキッチンにやってきた。
「直くん、おはよう」
「あ、おじいちゃま。おはようございます」
「私のために朝食を作ってくれるんだって?」
「はい。あんまり上手にはできないかもしれないんですけど、でも昇さんも一緒だからきっと大丈夫です」
「楽しみにしているよ。代わりに私は直くんたちの朝食を作ろう。パンケーキとスムージーは好きかな?」
「パンケーキは、パパに作ってもらったことがあります。果物と一緒に食べてすごくおいしかったです。あの、スムージーってどんなのですか?」
「栄養があって美味しいジュースだよ。きっと直くんも気にいると思うよ」
「わぁー! 楽しみです!」
素直に喜ぶ直くんも、それを見て嬉しそうに笑うじいちゃんの姿もただただ幸せな光景だ。
じいちゃんって、こんなに笑う人だったんだと初めて知った気がする。
ぐっすり眠ってしまった直くんを大きなバスタオルで包み、脱衣所に置かれている広いソファーに寝かせた。
この寝心地の良さそうなソファーはきっとこのために置かれているんだろう。
そういえば、父さんたちが使う風呂場の脱衣所にも横になれるくらいの大きさのソファーが置かれていた。
あれはこういうことだったんだと今改めてわかる。
このソファーのおかげで直くんを起こさずに俺の着替えを済ませられるもんな。
さっと着替えを済ませて、今度は直くんの番だ。
吸水力の高いタオルを頭に巻き、パジャマを着せた。
横向きで寝かせながら、ドライヤーを静音にして直くんの髪を乾かし、抱っこして脱衣所を出た。
「昇、直くんはどうしたんだ? まさか、のぼせたのか?」
たまたま部屋から出てきたじいちゃんと部屋の前で会い、尋ねられた。
「違うよ、風呂が気持ち良すぎて眠くなったみたい。今日はじいちゃんにも会えて興奮してたからそのせいもあるかも」
「そうか。それならよかった。あとで水分だけは摂らせたほうがいいぞ」
「うん。そうする。じゃあ、俺。直くんをベッドに寝かせて少し勉強してから寝るから」
「ああ。おやすみ」
「おやすみなさい」
リビングから伯父さんたちの声も聞こえなかったし、もう部屋に入っているんだろう。
ここからはそれぞれの時間だ。
直くんをベッドに寝かせると、俺が寝るまでの間を守ってもらうようにクマたちとペンギンたちを直くんの周りに並べておいた。
それから二時間ほど集中して勉強をして、キッチンにレモン水を取りに行った。
じいちゃんの部屋も明かりが消えていたからもう寝ているんだろう。
俺は静かにレモン水を持って部屋に戻ると、直くんを抱き起こして耳元で優しく声をかけた。
「直くん、ちょっとだけお水飲もうか」
「んー」
半分眠ったままで返事をするのが可愛い。
優しく抱き起こして咽せないように飲むのを手伝ってやると、身体が水分を欲していたようで美味しそうに飲み干していた。
これでいい。
俺はグラスをベッド横の棚に置くとそのまま直くんを抱きしめて眠りについた。
「んっ……なお、くん?」
腕の中の直くんが起きるのを感じてすぐに目を覚ました。
「ごめんなさい、起こしちゃいましたか?」
「気にしないでいいよ。でも今日はいつもより早くない?」
時計は見てないけど、平日に起きるのと同じ時間くらいだろう。
今日は土曜日だから、いつもならもう少し寝ているはずだ。
「あ、あの……僕、おじいちゃまにおにぎり作りたいなって……」
「えっ? おにぎり?」
「はい。アメリカから帰ってきたばかりだから日本食の朝食が食べたいだろうなと思って……僕、おにぎりなら作れるから……」
「そっか、それで早く起きたんだ」
俺の言葉に嬉しそうに頷く直くんが本当に可愛い。
でも、直くんがじいちゃんのためにそこまで考えていたなんて……。
これはじいちゃんも嬉しいだろうな。
「じゃあ、俺も味噌汁作るよ。孫二人からの手作り朝食、きっと喜んでくれるよ。じゃあ、顔を洗ってキッチンに行こうか」
「はい!」
嬉しそうな直くんを洗面所にいかせて、俺はまずはトイレに駆け込んだ。
いつものお約束だ。これをしないと動けそうにないからな。
急いで処理を済ませて、パジャマから部屋着に着替えて。キッチンに向かった。
ご飯をどれくらい炊こうかと考えていると、
「昇? 早いな」
と声が聞こえた。
「えっ? あ、おはよう。じいちゃんこそ早いね」
「ああ。今朝は私が朝食を作ると卓たちと約束していたからな」
「えっ、そうなの?」
まさかそんな話がじいちゃんと伯父さんの間で交わされていたなんて知らなかった。
「どうした?」
「いや、直くんがじいちゃんのために朝食作りたいって言ってたから、一緒に作ろうと思って用意していたんだよ」
「直くんが、私に? そうか、それは嬉しいな。じゃあ、私はみんなの分を作るから、直くんと昇には私だけの朝食を作ってもらおうか」
「それいいね! じゃあ、俺、ご飯だけ先に準備するよ。そのあとじいちゃんが先にキッチンを使っていいよ」
「ああ、ありがとう」
そう決まったところで直くんがキッチンにやってきた。
「直くん、おはよう」
「あ、おじいちゃま。おはようございます」
「私のために朝食を作ってくれるんだって?」
「はい。あんまり上手にはできないかもしれないんですけど、でも昇さんも一緒だからきっと大丈夫です」
「楽しみにしているよ。代わりに私は直くんたちの朝食を作ろう。パンケーキとスムージーは好きかな?」
「パンケーキは、パパに作ってもらったことがあります。果物と一緒に食べてすごくおいしかったです。あの、スムージーってどんなのですか?」
「栄養があって美味しいジュースだよ。きっと直くんも気にいると思うよ」
「わぁー! 楽しみです!」
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