ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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みんなで楽しもう!

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「絢斗がその時にみんなのドレスや着物を選んで楽しかったって言ってたから、ずっと羨ましいなと思ってたんだ! だからね……」

さっちゃんが笑顔で立ち上がり、スタスタと部屋の奥に歩いていくと、天井から床までかかったフリルのカーテンを勢いよく開けた。

「可愛い服、いーっぱい用意したんだ!」

「えっ――!」

笑顔のさっちゃんの後ろには上にも下にもハンガーにかけられた洋服で溢れかえっている。
あまりの量に茫然としてしまったけれど、僕以外は全然驚いている気配がない。

不思議に思って真琴さんを見ると笑顔がかえって来た。

「ここに遊びに来たらよく着替えるんだよ。たまに泊まる時はあの着ぐるみパジャマとか、あの制服とかもよく着るよ!」

指を指しながら説明してくれる。
そういえば、うちでもあやちゃんの制服着せてもらったり着ぐるみパジャマ着たりしたよね。

「今回は、敬介くんに頼んで可愛いドレスを追加したんだよ」

「えー、どれどれ?」

あやちゃんは嬉しそうにさっちゃんのところに駆け寄っていく。

二人が楽しそうに服を見ながら話をしているのを僕は見ていた。

「皐月さん、直くんにずっと会いたいって言ってたからやっと会えることになって嬉しかったみたい。ねぇ真琴」

「うん。志良堂先生と小物とかもいっぱい買い物に行ったって話してたから、今日だけじゃなくてまた遊びに来てくれると嬉しいな。その時は僕も遊びにくるよ!」

「わぁ、真琴さんも一緒なら楽しそうです!!」

一人でお着替えはちょっと恥ずかしいけど、一緒に着てくれる人がいるなら楽しめそう。
あの結婚式の時もすごく楽しかったもんね。

「ねぇねぇ、せっかくだから可愛いドレスにお着替えして、お茶しようよ。貴族のお茶会みたいで楽しいよ!」

さっちゃんの提案に悠真さんはすぐに笑顔を向けた。

「貴族のお茶会、前に周平さんのお家でしましたよね」

「そうそう! あの時、宗一郎さんたちが執事になってくれてすごく楽しかった。今回もやってもらおうよ! 直くん、昇くんの執事姿見たくない?」

「執事、ですか?」

貴族と執事という単語を頭の中で思い浮かべる。
あまりピンとこないでいるのがわかったんだろう。

「とにかくかっこいい姿が見られるから楽しいよ! やってみよう!」

「は、はい」

あやちゃんに押し切られるように頷くと、

「やったー! じゃあ、こっちで好きなドレス選ぼう! いろいろ試着してみていいからね」

とさっちゃんが嬉しそうに僕たちを案内してくれた。

ドレスがたくさんかけられた目の前に立つとその量に驚かされる。
奥にも下にもいっぱい……こんなにあったんだ……。

「ドレスの丈によって並べてるから、直くんの身長ならこの辺りから下の方がいいかな」

なるほど。ドレスの丈か。

確かに悠真さんなら、長い丈のドレスも綺麗に着こなせそう。

「直くんはこの前ピンクベージュの膝丈のドレスだったから……。若いし、ミニもいいかもね!」

「うんうん! 十代なら余裕でミニでしょ!」

僕が選びきれない間にあやちゃんとさっちゃんで僕のドレスが決まっていっているみたい。
ミニ丈ってどれくらいの丈なんだろう?

「ねぇ、直くん。これはどう?」

あやちゃんが見せてくれたのは、上半身は中国の伝統服みたいに首までピタッと洋服があって、袖も肘まである露出の少ないドレス。ただスカートは太ももの半分くらいしかない。だけどふわっとしたボリュームがたっぷりなスカートだから短いのはあまり気にならなそう。

しかも全体に綺麗な花の刺繍が施されていてとても綺麗だ。

「すごく綺麗です」

「よかった。じゃあ試着してみようか! 皐月ー、着替え場所借りるね」

「オッケー」

あやちゃんは僕の手を取ると、ドレスがかけられていた部屋の奥に進んでいく。
するとそこには、この前のお店で見たような試着室が並んでいた。

「わぁー。すごい!」

「悠真くんや真琴くんたちといつでも着替えて遊べるように改装したんだって」

そのためだけに……改装……。本当にすごいな。
さっちゃんが特別な部屋だって言っていたのが今更ながらわかる気がする。

「こっち入って」

あやちゃんと一緒に入っても狭く感じないほどの広さのある試着室で服を脱ぐ。

肌着も脱ぐのかと思ったけど、ドレスが首までピッタリ覆われているから脱がなくていいみたい。
前のようにあやちゃんの肩に手を置きながらドレスの中にすっぽりとおさまって立つとあやちゃんが背中のファスナーを閉めてくれた。

「わぁー! 可愛い! 直くんも見てごらん!」

どんな感じになるのか緊張して目を瞑っていたから、その声にゆっくりと目を開けると、そこには可愛いドレス姿の僕がいた。
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