ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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本当の親子みたい

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「それじゃあ絢斗先生の家に、ミサンガ作りに必要なものを送ってもいいですか?」

「もちろん!」

あやちゃんの返事に真琴さんはホッとしたように笑った。

「それじゃあ明日にでも優一さんに頼んで直くん宛に送るね。昇くんに内緒にするなら、昼間に着くように送ってもらうね。作り方は後で動画で送るよ」

「わぁー! ありがとうございます! 実はこの前一花さんにもマフラーの編み方を動画で送ってもらったんです。そのおかげですぐに編めるようになったんですよ」

「えっ? マフラー? 直くんってすっごく手先が器用なんだね。それならミサンガもあっという間に作れるよ。編み棒やかぎ針を使わないから簡単だよ。ねぇ、兄さん」

「うん。直くんならなんでも上手に作れそう」

真琴さんだけでなく悠真さんにも褒められて顔が緩んでしまう。
人に褒められるってすごく嬉しいな。

「そういえば、絢斗も直くんと一緒に編み物に行くみたいな話をしてなかった?」

「あ、そうそう! みんなにプレゼントがあったんだった!」

そういうが早いか、あやちゃんはちょっと待っててー! と声をあげながら急いでサンルームから飛び出して行った。

「直くん……絢斗、どうしたの?」

もしかしたらみんなのために何か作ってきたのかもしれない。
編み物が上手だって内緒なのかな?
それを僕が今、言っちゃダメだよね?

「あの……」

なんて答えていいのか、悩んでいるとすぐに紙袋を持ってあやちゃんがサンルームに戻ってきてホッとした。

「お待たせ!」

「絢斗、一体どうしたの?」

「ふふっ、これ! 皐月にプレゼント。こっちは真琴くんと悠真くんね」

あやちゃんは一人一人に笑顔で手渡していく。
みんなは驚きながらもあやちゃんから受け取っていく。

そして最後にもう一度紙袋に手を入れたと思ったら、

「はい。これは直くんのね」

と僕の手にも渡してくれた。

「えっ? 僕にも?」

「もちろん! みんなとお揃いにしたかったんだ。だから私の分もちゃんとあるよ」

パチンと片目を瞑って笑顔を見せてくれる。
僕もお揃い……その優しさが嬉しい。

「ねぇ、絢斗。開けていい?」

「開けて、開けて!」

あやちゃんのはしゃいだ声にみんなで一緒に包みを開けるとみんなの口から

「わぁっ!」

と言葉が漏れた。
その中でも一番大きな声だったのは皐月さん。

「絢斗! これ、すっごく可愛い!」

さっちゃんの手に乗っているのは、毛糸のコースター二枚と可愛いウサギのぬいぐるみ。
いや、毛糸で編んであるから編みぐるみ、かな。

ウサギの耳に緑のリボンが結んである。
ああ、そうか。あやちゃんからの贈り物だってわかるようにかな。
可愛い。

真琴さんたちのも見ると、お揃いの毛糸のコースターに同じウサギの編みぐるみ。
真琴さんのは淡い水色のリボンが。そして悠真さんには真琴さんのより濃いめな青色のリボン。

そして、僕のウサギにはピンクのリボンが結ばれていた。

「絢斗先生! 本当にこれ可愛いです!」

「それにこのコースターも柄が凝っててすごいですね!」

「これ、全部私が作ったんだよ」

あやちゃんが笑顔でそれを発表した途端、一気にサンルーム内がしんと静まり返った。
てっきりさっきみたいにわぁー! ってなると思ったのにどうしたんだろう?

誰の反応もないからどうしていいか困っていると、いち早くさっちゃんがゆっくりと声をかけた。

「えっ? 絢斗……今、なんて言ったの?」

「だから、私が作ったんだよ。結構上手くできたでしょう?」

得意げな表情であやちゃんが告げると、さっちゃんの表情がみるみる驚きに変わっていく。

「ええーーっ!!!」

サンルーム中に響き渡るようなその声に真琴さんも悠真さんも我に返ったみたいだ。

「あの、これ……絢斗先生が?」

「もう、みんなびっくりしすぎだよ! まぁ、自分でもできた時は驚いたんだけどね」

可愛いあやちゃんの笑顔にみんなの表情も変わっていく。

「すごい……本当、なんだ……」

「うん。私も自分でわからなかったんだ。でも直くんと一緒に一花ちゃんの編み物会に行って、安城くんの恋人の史紀くんに教えてもらったんだ。そうしたら、びっくりするくらい編めるようになってて……ね、直くん」

「はい。僕が一花さんに教えてもらっている間にコースターをいくつも編んでて、あやちゃんの手元を見たらしゅぱぱぱぱーってものすごい勢いで動いててびっくりしました」

「ははっ。絢斗らしいね」

皐月さんのその笑い声で驚きに満ちていた部屋が和んでいく。

「でも、本当にすごいよ。これ、才能だよね。直くんもマフラー編めたんだよね?」

「はい。でもあやちゃんみたいにいろんなものはまだ作れないです」

「いやいや、それも才能だって。二人、すごくよく似ているね」

「私もそう思ってました。絢斗さんと直くん、雰囲気もふとした表情もすごくよく似ていて、本当の親子みたいです。ねぇ、真琴」

その言葉に真琴さんも大きく頷いてくれる。
みんなからあやちゃんと似ていると言われて、僕はものすごく嬉しい気持ちでいっぱいになっていた。
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