ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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突然の来客 <前編>

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久々にこちらの二人。
あの彼らが特別出演しています。
楽しんでいただけると嬉しいです♡

  *   *   *



<side二葉>

「あーっ、今日も寒そう」

部屋の中は暖炉のおかげで春のような暖かさだけれど、外は雪がちらついている。
昨日降った雪もまだ溶けていないから、外に出れば身体の芯まで冷えてしまいそうだ。

「今日はさらに寒くなりそうだから外に出ない方がいいよ。必要なものがあればコンシェルジュに頼むといい」

「ええ。そうしようかしら。でも毅さんはそうも行かないわね」

今日は大事な会議があると言っていたもの。
そもそも会社員が雪が降って寒いからという理由で仕事を休むわけにはいかない。

「大丈夫。帰ってから二葉と温かい風呂に入れたら昼間の寒さなんて何も感じないよ。今日も仕事が終わったらまっすぐ帰ってくるから待っていてくれ」

「ええ。今日はお鍋でも用意して待っているわ」

寒さが本格的になり、この家でお鍋をする回数がぐっと増えた。
この家の近くに日本から食材を空輸して販売しているお店を見つけたおかげで、フランスにいても日本の味を味わうことができている。

今日のお鍋の材料のストックはあるし、本当に外に出なくても大丈夫そう。
コンシェルジュの手も煩わせずに済むわ。

朝食にはたった今、オーブンで焼けたばかりのクロワッサンと果物とサラダ。
毅さん用のコーヒーと私用の甘いショコラショー。

ここでよく食べる定番の朝食だ。

「ねぇ、直くんへのクリスマスプレゼントは何にしようかしら? お洋服は絢斗さんたちがプレゼントするでしょうし」

「そうだな。だが、洋服は何枚あっても困るものでもないだろう? フランスでしか買えない可愛い洋服を贈るのもいい思い出になるよ。昇とお揃いの服も喜んでくれるだろう。あとは、そうだな……勉強も好きそうだから本も喜ぶんじゃないか? あとはぬいぐるみなんかも喜んでくれそうだ」

毅さんから次々にプレゼントの提案が出てきて驚くけれど、これも直くんのことを可愛いと思っている証拠ね。

「それじゃあ、次のお休みはプレゼントを探しに行きましょう」

楽しいクリスマスプレゼントの話題で盛り上がっていると、突然コンシェルジュからの連絡フォンが鳴った。

「あら? 朝から何かあったのかしら?」

こんな朝からお客さんが来ることなんてないのだけど、一体何事だろう?

「私が聞いてくるよ」

毅さんがすぐに対応をするとどうやらうちにお届け物が来たという連絡だったみたい。
荷物が届くことは珍しいことではないけれどこんな朝からは珍しい。

「私が受け取るから二葉は待っていてくれ」

毅さんが玄関に向かうとすぐに玄関チャイムが鳴った。
扉が開く音を部屋の中で聞いていたけれど、珍しく毅さんの驚く声が聞こえた。

何事かと思って私も慌てて玄関に向かうと、そこには見覚えのある二人の男性が立っていた。

「あら? あなたは……」

「少し早いクリスマスプレゼントを届けに来ました。祐悟サンタと航サンタです」

可愛らしい男の子が笑顔で箱を差し出してくる。
その笑顔で思い出した。この二人、毅さんの後輩の倉橋くんと、その恋人の航くんだわ。
でもまさかフランスで会えるなんて思ってもなかった。
それに私たちへのクリスマスプレゼントって……

「私たちに、クリスマスプレゼントって、一体誰から?」

不思議に思いつつも、航くんから受け取って箱を見ると送り主の名前に思わず声が出た。

「えっ……直くんと、昇……?」

「ええ。彼らと毅さんの父上から超特急便でフランスに贈りたいと要請があったので、私たちが直接届けに来たんですよ」

私の呟きに倉橋くんがなんでもないことのように教えてくれるけれど、わざわざこの荷物のために二人でフランスまで来てくれたの?

「わざわざフランスまで……大変だったでしょう?」

「航とどこか遠出をしようかと話をしていたところだったので、フランス旅行がてら届けに来ただけですよ。そのほうがずっと早く届けられますからね。なぁ、航」

「はい。あの……よかったら開けるところを動画に撮らせてもらえませんか? 二人にちゃんと届けた証拠を見せてあげたいんです」

「ええ、もちろんいいわ。どうぞ上がって! 外は寒かったでしょう」

二人を中に入れつつも、私は直くんと昇からの贈り物が楽しみでたまらなかった。

私が彼らをリビングに案内している間に、毅さんが彼らにコーヒーを淹れる。

「航くんはホットチョコレートのほうがいいかな?」

「ホットチョコレート?」

聞きなれない言葉に航くんが戸惑っていると倉橋くんがそっと航くんの耳元で囁いた。
航くんの顔がパッと赤くなっていたからきっと二人の甘い思い出がありそう。

「ホットチョコレートはこちらではショコラショーともいうの。甘くて美味しいから航くんも気に入るはずよ」

「は、はい。ショコラショーは大好きです」

赤い顔のまま笑顔を見せる航くんの隣で優しい笑顔で見つめている倉橋くん。

航くんと出会うまでは自由奔放だったみたいだけど、航くんと出会ってからは一途に溺愛しているのは今でも変わらないみたい。倉橋くんも幸せになれてよかった。
まるで将来の昇と直くんを見ているようで微笑ましく思える。

毅さんが私の隣に腰を下ろして、ようやく直くんと昇からの箱を開けることになった。

二人からの荷物に一体何が入っているのかしら?
ドキドキしてしまうわ。
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