エリート警察官僚はようやく見つけた運命の相手を甘やかしたくてたまらない!

波木真帆

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氷室との電話

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新海から舞川さんの仕事先や上司の名前など必要な情報だけを聞き出した私は、警視庁に戻ってすぐに氷室に連絡を入れた。

<氷室に頼みたいことがある。時間ができたら連絡が欲しい。冬貴>

メッセージを送るとすぐに既読がついたかと思ったら、すぐにスマホに電話がかかってきた。

ーなんだ、連絡が早いな。休憩中だったのか?

ーちょうどスマホを持っていたんだ。それよりも頼みたいことってなんだ?

ー声が驚いているな、そんなにびっくりしたのか?

ーお前はいつも成瀬にまず声をかけるからな。わざわざ俺を指名してきたから驚いたんだ。

確かに成瀬とは高校の時からの付き合いということもあって、何かあればすぐに連絡してしまうのは否めない。

ー成瀬には今別件で頼んでいることがあるから、忙しいだろうと思ってお前に声をかけたんだよ。

ーなんだ、そういうことか。

ーあ、もちろんお前の腕も見込んでのことだぞ。

ーいいよ、そんな取り繕わなくても。それで、なんだ?

ー実は直属の部下の恋人が困っていて話を聞いてあげて欲しいんだ。その恋人っていうのがある事件の被害者なんだが、その事件でPTSDを発症して家から出られなくなったから会社に病気休暇を申請したんだよ。そうしたら上司に退職するか休暇を取り下げてすぐ復職するかの二択を迫られたようだ。

ーなるほど。もしかして退職を選んだらもう同じ業界で働けないようにしてやるとか圧力をかけられている、とか?

ーえっ、なんでわかった?

ーわかるさ。そんなことでもなければすぐにお前の部下が仕事を辞めさせているはずだろ。

ーなるほど。さすがだな。

ーははっ。少しは見直したか?

ーいや、だから最初から期待してるって。

ーわかった、わかった。とにかくその件、引き受けるよ。ちょうど手も空いたところだからな。一度本人とも話がしたいから連絡先を伝えておいてくれ。お前の部下の方でも構わないから。

ーああ、助かるよ。

氷室がついてくれればすぐに片付くだろう。
要さんといい、舞川さんといい、優秀な弁護士の友人がいて本当にありがたいな。
あとは舞川さんの就職先か。

ーなぁ、真壁……。

ーんっ? なんだ?

ーお前、何かあったか?

ーえっ? どうしてだ?

ーいや、なんとなく今までと違うような気がしたんだ。声、とか……本当になんとなくなんだが、なんか柔らかいっていうか……成瀬が真琴くんと知り合ってからの雰囲気に似ているような……

氷室の言葉にドキッとさせられる。
まさかそんなことで気づかれるとは思ってなかったな。

ーなぁ、もしかして……ないよな?

ーお前はどこまで優秀なんだよ。

ーえっ? それって……

ーもう少し落ち着いたら話そうと思っていたんだ。実は恋人ができた。今、一緒に暮らしている。

ー………………

ーおい、聞いてるか? 氷室?

ーちょっ! えぇぇーーーっ、こ、恋人? 本当に? ってか、一緒に暮らしてる? お前が? 

ー落ち着けって! 全部本当だよ、ちなみに成瀬も安慶名も知ってるよ。

ーなんだよ、俺が最後なのか?

ーたまたまなんだよ、成瀬には出会うきっかけを作ってもらったようなものだったし、安慶名の場合は周平さんと電話で話をしていた時にスピーカーで聞かれただけだ。私から恋人ができたと話したのは氷室が初めてだよ。

ーそうか、それなら許してやる。でも……よかったな。真壁。

氷室の感情のこもった声に本気で喜んでくれているんだとわかって嬉しくなる。

ーありがとう。

ー今度、またみんなで飲もうぜ。お前の恋人も紹介してくれ。

ーああ、わかった。近いうちにその件で連絡するよ。

ー楽しみにしているよ。じゃあ、さっきの件はいつでも連絡してくれて構わないと伝えてくれ。すぐに終わらせるから安心していていいぞ。

そんな頼もしい言葉を吐いて氷室は電話を切った。
本当に学生時代からの友人というのはいいものだな。


「新海、さっき話していた友人の弁護士の名刺だ。いつでも連絡していいと言っていたから舞川さんと話をしてからでもいいから連絡してみろ」

「警視正! ありがとうございます!」

「再就職の件も心配しないでいいぞ。まずは会社のことを片付けてからだ」

「わかりました。本当にありがとうございます!」

新海もついこの前まで感情を露わにするのを見たことがなかったが、こんなにも表情豊かになるとは思ってなかったな。最愛の存在ができると自然とそうなってしまうものなのだろう。


さて、要さんの件だが、どのタイミングで周平さんに黒岩たちの話をしようか……。浅香さんと一緒に我が家に来てもらった時に話をしてもいいが、何かのきっかけで要さんに名前が聞かれでもしたら困るからな……。

やはり周平さんのところに直接話をしに行くのが一番かもしれない。私は急いで仕事の調整を行い、いつもの時間よりも早く警視庁を出て周平さんの会社に足を運んだ。

  *   *   *

いつも読んでいただきありがとうございます!
後ほど近況ボードでもお知らせしますが、明日12月31日から1月4日まで全ての小説の投稿をお休みさせていただきます。年明け1月5日から小説投稿を再開しますのでどうぞよろしくお願いします。
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