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第三章 探求
芽依ちゃんへの報告
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「えー!冬のダイアモンドの意味があったの。それが六芒星の意味なの?」
芽依ちゃんも忙しいので、呼び出すのは少し躊躇したが、手紙の報告とその後の進展について、どうしても話したくなったので、週末に芽依ちゃんをお茶に誘ってみた。
彼のメッセージの謎解きの話は親に言ってもよくわからないことだと思い、今まで誰にも話さずにいた。だけど、独りで抱え込んでいるのも何か違う気がしていたし、私も少しワクワクしている気持ちを誰かに伝えたかった。
芽依ちゃんなら理解して貰えると思い、ダメ元でメールを送ると、先日会ったときから芽依ちゃんも六芒星の話しに興味津々のようで、あっさりと二つ返事でいつもの欧風のカフェに来てくれることになった。
今日もお気に入りのアップルティをティーポットから紅茶カップに注ぎながら、封筒のいきさつについて打ち明けてみた。話がパスワードのかかったファイルが6つあって、そのパスワードが冬のダイアモンドを構成する星の名前だったことまできたとき、それまで頷いていただけの芽依ちゃんが、思わず前のめりになって口を開いた。
「六芒星が冬のダイアモンドなんて聞いたことないけれど、そのダイアモンドの中心がベテルギウスの詩ちゃんなんて、なんてロマンチックなの!」
物知りな芽依ちゃんは、話を続けた。
「だって、ダイアモンドって、透明度が高くて最高の硬度を誇るから変わることのない永遠の愛、魅力の向上、相手への信頼、潜在能力の発揮などの意味があるの。だから、婚約指輪によく使われる宝石なのよ。 それに、昔からパワーストーンとしても有名で、成功への守護石として大切にされてきたらしいの。それって、いっちゃんの詩ちゃんへの想いそのものじゃない?」
芽依ちゃんが、私の気持ちを肯定してくれて、嬉しかった。やっぱり、芽依ちゃんに話して良かった。
そんな芽依ちゃんに迷っていることを相談した。
「実は、手紙の内容は彼のご両親にはまだしていないの。でも貸金庫のカードと鍵まで入っていたから、どうしようかと思って迷っているの。」
「ご両親にも知られずに、詩ちゃんだけに大切なものを渡そうとしているみたいだものね。そうだとすると、詳しい話はしなくても良いと思うよ。」
「うん。」と詩が煮え切らない顔をしていると、少し間を置いて芽依ちゃんが言った。
「ただ、貸金庫に金銭的に価値のあるものが入っていたのなら、言った方がよいかもね。相続の話しになるかもしれないから。でも、まだ中身がわからない内は、言わなくてもよいと思うよ。」
「え、相続?」意外な言葉に私が驚いた顔をしていると、芽依ちゃんが説明してくれた。
「うん、こんなことを言うと気に障るかもだけど、ごめんね。法律上、婚約者は相続人になれないって聞いたことがあるの。だから、金銭的なものが入っていたら、ご両親に相談しないといけないと思う。」
なるほど、芽依ちゃんは何でも知っているなと思った。でも、詩は、彼の言う大切なものって、きっとお金じゃないと思った。
そのことを言おうとしたときに、先に芽依ちゃんが続けた。
「でも、例えお金だったとしても、いっちゃんが詩ちゃんに渡すって書いてあるんだったら、ご両親は詩ちゃんに喜んで譲ってくれると思うよ。」
「うん、ありがとう。こんなこと、誰にも言えないし、聞いてくれてありがとう。」
「いえいえ、どういたしまして。なんかこっちもワクワクしてくるから、また相談してね。でも、よく考えたら、ここまで用意周到ないっちゃんが、取り扱いに面倒なものを詩ちゃんに渡すとは思えないわね。」
確かにそうだ。魔法使いがそんな野暮なことをするはずがない。何もかもお見通しのはずだ。こちらが一般人過ぎて、少し恥ずかしい気になってきた。
そして、二人で相談した結果、ご両親への報告は、参考資料を見に行くタイミングにすることとし、当面は、彼の手紙には、たくさんの本のリストが載ってあったことを報告しておこうという話になった。
芽依ちゃんも忙しいので、呼び出すのは少し躊躇したが、手紙の報告とその後の進展について、どうしても話したくなったので、週末に芽依ちゃんをお茶に誘ってみた。
彼のメッセージの謎解きの話は親に言ってもよくわからないことだと思い、今まで誰にも話さずにいた。だけど、独りで抱え込んでいるのも何か違う気がしていたし、私も少しワクワクしている気持ちを誰かに伝えたかった。
芽依ちゃんなら理解して貰えると思い、ダメ元でメールを送ると、先日会ったときから芽依ちゃんも六芒星の話しに興味津々のようで、あっさりと二つ返事でいつもの欧風のカフェに来てくれることになった。
今日もお気に入りのアップルティをティーポットから紅茶カップに注ぎながら、封筒のいきさつについて打ち明けてみた。話がパスワードのかかったファイルが6つあって、そのパスワードが冬のダイアモンドを構成する星の名前だったことまできたとき、それまで頷いていただけの芽依ちゃんが、思わず前のめりになって口を開いた。
「六芒星が冬のダイアモンドなんて聞いたことないけれど、そのダイアモンドの中心がベテルギウスの詩ちゃんなんて、なんてロマンチックなの!」
物知りな芽依ちゃんは、話を続けた。
「だって、ダイアモンドって、透明度が高くて最高の硬度を誇るから変わることのない永遠の愛、魅力の向上、相手への信頼、潜在能力の発揮などの意味があるの。だから、婚約指輪によく使われる宝石なのよ。 それに、昔からパワーストーンとしても有名で、成功への守護石として大切にされてきたらしいの。それって、いっちゃんの詩ちゃんへの想いそのものじゃない?」
芽依ちゃんが、私の気持ちを肯定してくれて、嬉しかった。やっぱり、芽依ちゃんに話して良かった。
そんな芽依ちゃんに迷っていることを相談した。
「実は、手紙の内容は彼のご両親にはまだしていないの。でも貸金庫のカードと鍵まで入っていたから、どうしようかと思って迷っているの。」
「ご両親にも知られずに、詩ちゃんだけに大切なものを渡そうとしているみたいだものね。そうだとすると、詳しい話はしなくても良いと思うよ。」
「うん。」と詩が煮え切らない顔をしていると、少し間を置いて芽依ちゃんが言った。
「ただ、貸金庫に金銭的に価値のあるものが入っていたのなら、言った方がよいかもね。相続の話しになるかもしれないから。でも、まだ中身がわからない内は、言わなくてもよいと思うよ。」
「え、相続?」意外な言葉に私が驚いた顔をしていると、芽依ちゃんが説明してくれた。
「うん、こんなことを言うと気に障るかもだけど、ごめんね。法律上、婚約者は相続人になれないって聞いたことがあるの。だから、金銭的なものが入っていたら、ご両親に相談しないといけないと思う。」
なるほど、芽依ちゃんは何でも知っているなと思った。でも、詩は、彼の言う大切なものって、きっとお金じゃないと思った。
そのことを言おうとしたときに、先に芽依ちゃんが続けた。
「でも、例えお金だったとしても、いっちゃんが詩ちゃんに渡すって書いてあるんだったら、ご両親は詩ちゃんに喜んで譲ってくれると思うよ。」
「うん、ありがとう。こんなこと、誰にも言えないし、聞いてくれてありがとう。」
「いえいえ、どういたしまして。なんかこっちもワクワクしてくるから、また相談してね。でも、よく考えたら、ここまで用意周到ないっちゃんが、取り扱いに面倒なものを詩ちゃんに渡すとは思えないわね。」
確かにそうだ。魔法使いがそんな野暮なことをするはずがない。何もかもお見通しのはずだ。こちらが一般人過ぎて、少し恥ずかしい気になってきた。
そして、二人で相談した結果、ご両親への報告は、参考資料を見に行くタイミングにすることとし、当面は、彼の手紙には、たくさんの本のリストが載ってあったことを報告しておこうという話になった。
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