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第1章 幼年期
10.手紙
しおりを挟む先程夕食が終わり、ノエルはルーベルトに抱えられてノエルの自室へと向かった。ルーベルト曰く、「ロイばっかりノエルと一緒に居てずるい、だから抱っこしてく。」だそうだ。
抱き抱えられているノエルも満更ではない様子で、腕の中できゃいきゃいとはしゃいでいる。
腕の中で移動中、ノエルはエルメンガルドに対して謝るための手紙を書くために、ルーベルトに文字を習いたかったことをふと思い出した。
「ねぇ、あのねるーにぃにぃ…」
「どうしたノエル?」
「僕ね……けんか…しちゃったの。だからね、えっと…、ごめんなさいのお手紙を書きたいの。でも、僕ね、ぼく、文字がまだ書けないから、お手伝いして欲しいの…おねがいします!」
「そうか、だから少し元気がなかったのか。勿論、ノエルのためなら喜んで協力するよ。……それはそうと、ノエルは一体誰と喧嘩したんだ?」
ノエルはどうしても答えることが出来ない問に対し、口を引き結び、下を向いてしまった。そして、ルーベルトの胸に顔を埋めながら、ふるふると小さく横に首を振った。
「……そうか。余計なことを聞いてしまってすまなかったよ。じゃあノエル、こんなのはどう?」
そう言いながらルーベルトは、ノエルの頭を優しく撫でた。
「どんなの?」
「今から、ごめんなさいのお手紙を書くだろう?」
「うん、書くの。」
「そしたら、明日の朝庭に花を摘みにい行かないかい?」
ノエルは、何故花を摘みに行くのかわからず、こてんと首を傾げた。
「そのお花を、喧嘩しちゃった人にお手紙と一緒に届けに行くんだ。素敵だろう?」
「うん!それ、凄くすてきだよ!」
ノエルはその言葉にぶんぶんと首を縦に振り頷いた。
「じゃあノエル、早速僕の部屋で少しだけ文字の練習をしようか。」
そう言うとルーベルトはノエルを抱え直し、そのままくるりと方向転換をし、ルーベルトの部屋へと向かった。
***
そして2人は、1時間程かけて「ごめんなさい」という6文字を綴り、ノエルが得意なお絵描きをひとつのカードにまとめて書き上げた。
ノエルは眠たそうにあくびをし、目をこすった。
「こんな時間までかかっちゃってごめんね。ほら、ノエルの部屋まで送るから直ぐに湯浴みをして部屋でゆっくり寝ようか。」
「う、ん……」
そう言ってルーベルトはノエルをおんぶし、ノエルの部屋へ向かった。部屋へ到着すると、ルーベルトは乳母に背中に居たノエルを預けた。
「ノエル、明日は8時に迎えに来るからな。」
「わかぁったよ。」
そしてルーベルトは「おやすみ。」と、一言告げて、ノエルの額に口付け、小さく手を振った。乳母に「明日8時頃に迎えにくるから」と言付けると、元来た方向へ去っていった。
ノエルはぼんやりとする頭で「おやすみ」と答えると、乳母の腕の中で瞼を閉じた。
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作者、めっちゃ歓喜です(涙)
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