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第2章 少年期
15.町での
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しばらく馬車を走らせ、町で1番大きな書店の前の道に停車させた。
「ルー兄さん、着いた?」
「着いたようだね、じゃあ行こっか。」
そう言ってルーベルトはノエルの手を取り書店へ向かい歩き出した。
わぁ……!こんなに大きな本屋さん初めて来たな。僕の好きな本が沢山あるといいな。
ノエル達は書店へ入り、たくさんの本を物色した。その結果、2人は数冊お気に入りの本を見つけたようで、その本を抱え店から出てきた。
「ルー兄さんはどんな本買ったの?」
「ざっくり言えばこの国の歴史の本かな。そんなことよりノエルはどんな本にしたの?」
「えとね、言葉の本だよ!難しい文字はまだ読めないからこれで勉強するの!そしたらルー兄さんがくれる本も早く読めるでしょ?それと、勇者様の本も!」
ノエルは、僕偉いでしょ?と言わんばかりのドヤ顔でそう語った。
「ノエルは本当に勇者様が大好きだよね。」
そう、ノエルは昔から伝説の勇者というものに憧れており、ことある事に勇者に関連した本や、剣術を習いたいと口に出すのだ。
「だってさ、勇者様がこの世界を救ったんだよ?それってすっごくかっこいいじゃん!」
まさに自分の事のように、勇者に対し賞賛の声を上げている。
「ねぇノエル、そろそろお腹空かない……?」
ルーベルトは、本を荷馬車に積み込みながらノエルにそう問った。
「だってお昼だもん!………もしかして……?」
「そうだよ、じゃあノエルあっちへ行こうか。」
「うん!」
そのもしかしてとは、”食べ歩き”である。普段は食べながら歩く等という行為は許されたものでは無いが、ルーベルトと2人で町へ出かける時だけはこの食べ歩きがお決まりなのである。
それを察したノエルは、ルーベルトと手を繋ぎスキップをしながら目的の場所へと向かった。
そしてしばらく歩くと、出店が立ち並ぶ通りに差し掛かった。あちこちから美味しそうな香りが立ち込め、2人の食欲を誘う。
「ねぇ、ルー兄さん。僕あの串が食べたい!」
「じゃあ買いに行こうか。」
そう言って2人は、肉串の出店へと足を運んだ。
「この串を2本お願いします。」
「あらあら、えらい男前じゃない。それにそちらの坊ちゃんもすっごく可愛いわね。こっちの串2本サービスしといてあげるわ。」
串家の女性は気前よく、2本も串をサービスしてくれた。
彼らが出店を練り歩くとどの店も大抵がサービスで頼んだ以上の物をサービスしてくれる。
ルーベルトとノエルは嬉々とした様子で顔を見合わせた。こういう所も、彼らが食べ歩きを好む理由の1つである。
「本当にありがとうございます。」
「ありがとうございます!」
そう言ってルーベルトとノエルが微笑むと、「是非また来てちょうだいね~。」と女性が明るく送り出してくれた。
「ルー兄さん、このお肉すっごく美味しいよ!」
「そうだね………って、そんなに急いで食べなくてもお肉は逃げないよ。」
早くもノエルは1本目を間食したようでルーベルトに、「もう1本早く、早く!」と目で訴えかけている。
「はいはい、ちょっと待ってね。」
そう言って胸元から取り出したハンカチでノエルの口元を拭い、そこにキスを落とした。
「次はもう少しゆっくり食べるんだよ?
詰まらせたら怖いからね。」
「はぁーーい!」
そしてノエルは2本目の串に手をつけるのであった。
「ルー兄さん、着いた?」
「着いたようだね、じゃあ行こっか。」
そう言ってルーベルトはノエルの手を取り書店へ向かい歩き出した。
わぁ……!こんなに大きな本屋さん初めて来たな。僕の好きな本が沢山あるといいな。
ノエル達は書店へ入り、たくさんの本を物色した。その結果、2人は数冊お気に入りの本を見つけたようで、その本を抱え店から出てきた。
「ルー兄さんはどんな本買ったの?」
「ざっくり言えばこの国の歴史の本かな。そんなことよりノエルはどんな本にしたの?」
「えとね、言葉の本だよ!難しい文字はまだ読めないからこれで勉強するの!そしたらルー兄さんがくれる本も早く読めるでしょ?それと、勇者様の本も!」
ノエルは、僕偉いでしょ?と言わんばかりのドヤ顔でそう語った。
「ノエルは本当に勇者様が大好きだよね。」
そう、ノエルは昔から伝説の勇者というものに憧れており、ことある事に勇者に関連した本や、剣術を習いたいと口に出すのだ。
「だってさ、勇者様がこの世界を救ったんだよ?それってすっごくかっこいいじゃん!」
まさに自分の事のように、勇者に対し賞賛の声を上げている。
「ねぇノエル、そろそろお腹空かない……?」
ルーベルトは、本を荷馬車に積み込みながらノエルにそう問った。
「だってお昼だもん!………もしかして……?」
「そうだよ、じゃあノエルあっちへ行こうか。」
「うん!」
そのもしかしてとは、”食べ歩き”である。普段は食べながら歩く等という行為は許されたものでは無いが、ルーベルトと2人で町へ出かける時だけはこの食べ歩きがお決まりなのである。
それを察したノエルは、ルーベルトと手を繋ぎスキップをしながら目的の場所へと向かった。
そしてしばらく歩くと、出店が立ち並ぶ通りに差し掛かった。あちこちから美味しそうな香りが立ち込め、2人の食欲を誘う。
「ねぇ、ルー兄さん。僕あの串が食べたい!」
「じゃあ買いに行こうか。」
そう言って2人は、肉串の出店へと足を運んだ。
「この串を2本お願いします。」
「あらあら、えらい男前じゃない。それにそちらの坊ちゃんもすっごく可愛いわね。こっちの串2本サービスしといてあげるわ。」
串家の女性は気前よく、2本も串をサービスしてくれた。
彼らが出店を練り歩くとどの店も大抵がサービスで頼んだ以上の物をサービスしてくれる。
ルーベルトとノエルは嬉々とした様子で顔を見合わせた。こういう所も、彼らが食べ歩きを好む理由の1つである。
「本当にありがとうございます。」
「ありがとうございます!」
そう言ってルーベルトとノエルが微笑むと、「是非また来てちょうだいね~。」と女性が明るく送り出してくれた。
「ルー兄さん、このお肉すっごく美味しいよ!」
「そうだね………って、そんなに急いで食べなくてもお肉は逃げないよ。」
早くもノエルは1本目を間食したようでルーベルトに、「もう1本早く、早く!」と目で訴えかけている。
「はいはい、ちょっと待ってね。」
そう言って胸元から取り出したハンカチでノエルの口元を拭い、そこにキスを落とした。
「次はもう少しゆっくり食べるんだよ?
詰まらせたら怖いからね。」
「はぁーーい!」
そしてノエルは2本目の串に手をつけるのであった。
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