冷たい婚約者が「愛されたい」と言ってから優しい。

狼狼3

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愛されたい私

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 貴族に生まれた私は、生まれた頃から婚約者が居る。
 平民から見たら、それはとてもとても羨ましいことだと思う。平民の中では生活するのに精一杯で、結婚が出来ずに独身という人も沢山居る。そんな私は、平民と違って自ら運命の相手を決めることは出来ないけど、何の努力もなしに婚約者という運命の相手が居る。

 結婚が幸せとは思い込んではいないけど、婚約者と仲良くなることが出来たらその婚約者との結婚生活は心満意足だと思う。何か辛いことがあっても愛する人と協力して乗り越えることが出来て、愛する人と同じ時の流れを感じることか出来るのだ。世の中は結局金が全てを決めると言っている人もいるけど、私の中では世の中は良いパートナーと結婚出来るかだと思う。
 
 
 だから、私は婚約者と仲良くなりたかった。
 しかし、今までそれは上手くいっていないーー


 私の婚約者であるクラン・ベリー。
 私はベリーと呼んでいるが、一度もそれで微笑んでくれたことはない。
 ベリーは私と同じ公爵家の人間で、ベリーはその公爵家の長男。ベリーは、男らしいというよりかは中性的な顔立ちで、青く透き通る瞳に細く長い銀色の眉毛は、童話に出てくる天使を想像させる。それに、誰もが羨むような白色の艶のある肌に、銀色に輝く髪はお人形かと思う程美しい。

 そんな彼は私を嫌ってないが、やはり嫌いなのかと思ってしまうほど彼は冷たい。今まで彼から一度も休日に誘われたことは無かったし、私から彼の元に遊びにいっても、彼は私が居ることを忘れているように一人で本を読んでいる。本の内容についても、彼は教えてくれない。そんな彼と私の関係は、破綻しているといっても過言では無かった。


「はぁ……愛されたいなぁ……」


 彼に愛されたら、どれだけ私は幸せになれるだろうか。別に愛されると言っても、他の婚約者がしているように話をしてくれるだけでもいいし、楽しそうに私と遊んでくれればいい。

 別に、物語とかに出てくる王子様とお姫様のようにイチャイチャすることを私は望んでいない。ただ、私ともっと仲良くなって欲しいのだ。折角婚約者になれたのだから、好きとは思われなくても仲良くなりたい。どうすれば彼は私と仲良くしてくれるのだろうか。

 
 夜空を彩るぷくぷくと太った月を見ながら、私は溜め息をつく。
 また明日が来るのだろうか。 彼と仲良く出来ない明日が。


 ほのかに差し込む月の光が、私を包み込むように優しく照らす。
 そんな月明かりを元に、私は本を開く。
 彼との話の種が出来ればいいなという考えの元、彼と仲良く出来なかった今までの私を忘れて寝てしまいたい中、好きでもない本を一ページ、一ページとめくっていく。いつかこんなことを続けていれば、彼と仲良く出来る日は来るのだろうかーー


 本を捲った直後何処からか物音がした気がしたが、そんなこと気にせず私は本を読み続けた。
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