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妹の自爆
しおりを挟む「ねぇ?お姉ちゃん。お姉ちゃんの婚約者が奪われたらどうする?」
「う~ん。悲しむかなぁ。」
「残念でしたお姉ちゃん。お姉ちゃんの婚約者は私が奪ってあげたから。婚約者が居なくなって可哀想に。でも、私がたっぷり彼を愛してあげるからそこは安心して。」
「えっ?そうなの?」
こっちを見て意地悪そうに口角を上げるポニーテールの妹に、いつも通り受け流そうと思った私の思考は止まる。妹の言ったことは本当なのか?でも、本当だとしたら……
もしかして、私はあの人の婚約者を辞めれるの?
思わず、私は妹に聞き返した。
「そうだよ。お姉ちゃんの婚約者は私が奪ってあげたの。お姉ちゃんは私よりも頭が良くて、可愛くて、仕草や動作も美しいけど、婚約者が居ないなんて可哀想だね。それも、私が奪っちゃったからだけど。」
「ねぇねぇ。本当に、私の婚約者奪ったの?」
「何度言ったら分かるのお姉ちゃん。私に奪われちゃったことが信じれなくて疑いたくなるのは分かるけど、ちゃんと奪ったから。もう、彼のことは諦めて。」
「う、うん。」
どうやら、妹の反応を見るに本当のことのように思える。
いつも私に嫉妬して、私がすることを邪魔して来たり、私の物を奪ったり壊したりする妹だが、今回ばかりは感謝することしか出来ない。だって、あの男との婚約を破棄することが出来たのだ。しかも、私が何かする訳でもなく勝手に。
ハンカチで目元を抑えている私を、妹は悲しんでいるように見えるだろうが、全然私は悲しんでいない。むしろ、彼との婚約を破棄することが出来て嬉し泣きしてしまいそうだ。いつも酷いことをしてくる妹に、毎度毎度腹を立てていた私だが、今回ばかりは同情してしまいそうになる。だけど、今更彼との婚約を止めたほうがいいなんていう忠告はしない。妹には私に酷いことをしてきたのだから、とことん悪い目にあって欲しい。
優越感に浸っている妹に、私も妹がよく見せる悪い笑みを浮かべると、ドスドスという足音が廊下に響く。どうやら、彼が来たのかもしれない。 妹の口角が先ほどよりも上がっているのを見ると、それは確かなようだ。
「それじゃあお姉ちゃん。私は婚約者とデートに行ってくるから、一人寂しく本でも読んでいて。」
「えっ!?そ、そんな………」
「じゃあね。バイバイ。」
もの凄いご機嫌のいい様子で、扉を閉めて私の部屋を去っていく妹。
我ながらいい演技。
妹が彼に酷い目に合わされているのも見たいし、付いていこうかな。
妹が扉を出てから少し後に、私も軽い変装道具を持って部屋を出た。
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