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妹と婚約者のデート 妹視点
しおりを挟む「仕方ないな。俺が食わせてやるよ。俺に食べさせて貰えて光栄だな。」
「ええっ!!?」
いやいや、無理だから。
脂でギトギトした手で掴んだサンドイッチを、私のもとに近づけないで!!
私の婚約者になったお姉ちゃんの元婚約者から、私は反射で離れる。
私の婚約者になったこの国の王子様だが、見た目があれだ。優しく言うなら子豚ちゃん。悪く言うなら、肉の塊だ。それも、かなり性格の悪い。
少し顔を紅くし、デレデレしながら私にサンドイッチを近付ける婚約者。
正直に言うと、他の国の王子様のような格好いいイケメンがデレるのはお金を出しても見たいが、こいつのような豚さんのデレた姿は目に毒だ。お金を貰っても見たくない。……これ以上見てしまうと、上がってきた物が出てしまいそうになる。
「ほらほら。遠慮するな。早く食べろ。俺も、次の奴が早く食べたいんだ。」
「本当に大丈夫ですから。それは、食べちゃって下さい。」
「遠慮するな。俺の寛容な心に甘えろ。」
「本当に大丈夫ですから。それに、私お腹空いてないので。」
「早く食べろ。ほら、ほら。」
遠慮するに決まってるだろ、この豚。
流石の私だって、これは食べれない。
だから、早くそれを自分の口に入れてくれ。
両手を素早く横に振って、いらないということをかたくなに伝える。
すると、このしつこい豚さんも観念したのか、大きく口を開いてそのままサンドイッチを一口で食べてしまった。
「……サンドイッチが食べられないなら、今度はこれにしたらどうだ。これなら、サンドイッチに比べて量も少ないし食べれるだろ。」
「えーっと………これは、果物ですか?」
「あぁ、そうだ。果物だ。女は果物が好きとよく聞くからな。お前の分もしっかりと用意しといてやった。」
これなら……食べられる。
皮が剥かれて小さくカットされている果物につまようじが刺さった物を見て、心の中でガッツポーズをとる。
この豚さんが今度は掴んでくる訳じゃないから、あの脂ギッシュな汗も付くことがない。今回は安心して食べれる。
よかったと思いながら、つまようじが刺さっているパイナップルを一つ選らんで口の中に放り込むと、パイナップルの甘い味が口の中に広がる。だけど、何処か少しだけ塩っぽい味がした。
「旨かったか?」
「はい。美味しかったです。」
「俺が切ってやったパイナップルだから当然だが、よかった。お前の為に、俺が心を込めてパイナップルをカットしたからな。もっと言っても良いんだぞ。美味しいって。」
「………えーっと、もう一回言って貰ってもよろしいですか?」
「ん?この俺にもう一回言わせるのか?……えーっとだな、俺が作ったんだから、もっと美味しいと言って良いんだぞ///」
だから、豚さんのデレはいらないって。
………っていうか、豚さんが切ったの!!?
ということは、汗もたっぷりこのパイナップルに………?
先ほど、妙に塩っぽい味がしたことを思い出す。
…… 最悪だ。豚さんの汗を体内に取り込んでしまった。
水筒に入れてきた紅茶で口の中を急いで洗い流していると、何処からか甲高い笑い声が聞こえた。
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